26 こぇぇぇぇぇ!!!
「おいおい…夫婦揃って漫才なんかしてる場合じゃないっすよ…。こっから崖を下るんで気を付けてください!」
ウザインの声で我に返った俺は…目の前の光景にマジでビビっちまった…。
俺たちが通るべき道はそこにはない…。
あるのは何メートルあるのかわからねぇ崖…。
落ちたらひとたまりもなさそうだ…。
嘘だろ…これを降りていくのかよ…。
「えっ…ちょっ…これを降りてくの…冗談だよな…」
「おいおい…そんな弱気になんなって…。まぁ…命綱はつけとけよ!落ちたら終わりだからな!」
いや…命綱つけても…。
「…ユキもこういった経験をするべきだな…。命と隣り合わせの場面ではよくあることだぞ?」
「いや…これ…新婚旅行だよな!?」
俺のツッコミに反応することなく…二人はさっそく降りる準備を始めちまった…。
オロオロする俺は何もできねぇ…。
くっ…どうしよう…。
…くそっ!
俺も男だ!
崖だかなんだか知らねぇが…クリスと一緒なら何だってやってやる!
―
…なんて意気込んでたけど…。
こぇぇぇぇぇ!!!
超こぇぇよ!
こんなもん…生きてる気しねぇよ!
体に命綱つけても…なんかヤバイって!
下なんかまともに見れねぇ!
さっきから手も足も震えそうなんすけど…。
どうしよう…たどり着けるかな…。