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幕間 突然の強襲

…バァン!


「ごっ…ご報告しますっ…!てっ…敵襲です!てっ…敵がっ!…王宮に…攻めてきましたっ…!!!」


そのとき…扉を乱暴に開け、焦った様子で口を開く近衛兵の者が入ってきた…。

額には異常なほどの汗が…。

目には涙を浮かべている…。


敵襲…。


まさか…この国に…しかも王宮に攻めいってくるとは…いったいどんなやつなんだ…。


「チミィ…もう少し冷静になりたまえ…。敵の十人や百人…君たちが落ち着けば処理できるだろう…」


『天啓神教会』の一人がバカにしたように意地悪く叱りつけるが…それでも近衛兵の焦りようは変わらない…。


「あっ…うっ…ひっ…」


このままでは話が進まない…

とにかく…敵の情報だけでも…。

私ははっきりとした声で尋ねることに…。


「冷静になれ!まず…敵は何人だ!」


「てっ…敵は…一人ですっ!女が…一人ですっ!!」


「女が一人!?」


私だけでなく…その場にいた者のほとんどが絶句した…。

この国に不法入国するだけでも厳しいというのに…。

それを突破し…しかも王宮にまでたどり着いている…。


信じられない…。


しかも一人…。

おそらくただ者ではない…。


私が出るしか…。


「場所を教えろ!私が迎え撃つ!」


「あひっ…!…てっ…敵は…すでにこの議場まで…」


近衛兵が場所を伝えようとした次の瞬間…





ブヂッ…ブッシャァァァァ…!

タラタラ…


「あぃぃ…?」


突然…彼の身体中から大量の血液が飛び散った…。


「…!」


目から…鼻から…口から…。

おびただしい量の血が流れていく…。


これは…いったい!



ズッ…

ドシャァァッ!



すぐにその場で倒れた彼の姿を見た瞬間…絶命したことを理解した…。

誰かが触れたわけでもないのに…。


「なんなんだ…いったい…!」


あまりの異常な光景…私は言葉を失ってしまった…。










「あらあらあらあら…まぁまぁまぁまぁ…随分と手荒い歓迎ねぇ~…。私は丸腰で来たのに…。か弱い乙女をいじめるのはよくないわよ…?」








その瞬間…部屋に響く女の声でその場の全員が主の方を向く…。

そこにいたのは…


妖艶な…そして美しい女だった…。

やや露出の激しい黒の衣服を身にまとい、腰の高さにまで達する黒髪からは異国人を思わせる…。

無駄な肉もない整った体は美しさに磨きをかけ、多くのものはひと目で魅入られることになるだろう…。

見た目は二十代後半…。

しかし正確な年齢はわからない…。

それだけの不気味さが伝わってきた…。


女は優しい口調で語りかける。


「お初にお目にかかります…『天啓神教会』の皆さん…そして剣聖レイヴォルト…。私の名はニコラ・パルバリーナ…。ハルア教…五大教皇の一人…『欲望』の名を持つものです…」

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