19 突然の計画②
「ちょっ…!待ってくれ!まだ早すぎるって…」
オイオイオイ…。
さっきヴォルンと新婚旅行について話してたけど…いきなりすぎんだろ…。
そりゃ行きたいけど…もう計画立てんの?
もうちょっと落ち着いてから…。
「早めの行動がいいでしょう…。魔王軍としてもこれから忙しくなるでしょうし…楽しむのも今だけかと…」
「えっ…そんな忙しくなんの?」
「人間との共存は愚民様が思うよりも過酷ですよ?…一度行動に移せば休む暇もないと思ってください…」
ひいぃ…。
マジかよ…。
クリスとイチヤイチャすんのも難しくなんのか…。
うーん…残念やわ…。
「…わかったよ…んじゃあ…場所はどうすんの?できれば人間のいねぇ…安全なとこがいいと思うんだけど…」
俺の当然の疑問にクリスが落ち着いた様子で答えてくれた…。
「む?何を言っているのだ…?既に場所は決まっているぞ?」
「へ?どこだよ…」
「場所は…ここから西の大陸にある国家…グリンシュテン王国だ…。空気も澄んでいて、活気に溢れる国だと聞いている…」
「ほーん…グリンシュテン王国ねぇ…」
活気に溢れるならいいかもな…。
つまんねぇとこは勘弁してほしいし…。
なんか美味しいもんでもあったら…。
うむ!
楽しみだ!
「よし!それでOKだぜ!グリンシュテン王国…いいじゃねぇか!」
「そうか!ならよかった…」
クリスは胸をなでおろし、安堵したようだ…。
余程グリンシュテン王国とやらに行きたかったんだろうな…。
さて…これから予定をたてなきゃ…
「…ちょいといいですかい?」
ん?
ウザインのやつ…どうしたんだ?
突然声なんか出して…。
「どうしたんだよ…なんか疑問でもあんの?」
「いや…おめぇは知らなそうだから仕方ねぇが…グリンシュテン王国…つったら…」
「…人間の治める国じゃないのか?」
…え?