5 ドッキリサプライズは満点の○○で!
スタスタスタ…トッ…
「…さて…こちらですね…」
メーラのイタズラにヘロヘロにはなったが…なんとか目的の場所までたどり着いた…。
目の前にある禍々しい扉…。
ここは…!
フィールとの決戦…その取り決めをしたときの部屋だ!
円卓会議室として使われていたよな…。
あのときはフィールとメーラと俺で話し合ってたわけだが…。
まさかこの部屋を使うとは…。
「…この奥で会議とやらをすんのか?」
「はい…重要な話し合いですので…失礼のないように…。愚民様からお先にどうぞ…」
「…はいよ…」
まぁ…そーなるわな…。
俺へのドッキリサプライズなんだから、俺が先に入んねぇと…。
クリスは…
「…」
ウズウズ…ソワソワ…
まったく…あんまりにもあやしいじゃねぇか…。
そんなに俺を見つめたってなんもないから!
もうちょい普通にしろ!
…っと…色々突っ込んでる暇ねぇな…。
さて…ビックリさせてもらいましょうか…。
ガチャッ…ギィィィィィ…。
重々しい扉を開け、その先にあった光景は…
―
「「クリス様!ユキ様!ご結婚おめでとうございます!!」」
パーン…!
陽気なクラッカーの音…俺たちを祝福する大歓声…。
俺の予想通りの展開…のはずだった…。
「ふおぉぉぉぉぉぉ!!?」
だが…間抜けな声を出して俺はひっくり返っちまった…。
なんでって…当たり前じゃねぇか!!
そこにあった光景は…
満点の星が瞬く夜空…
肌を撫でるほどよい風…
そして…
見るものを圧倒する美しいオーロラ…
…えっ…どゆこと?
「さすがの愚民様も…こんなサプライズは予想できなかったようですね?」
俺の後ろから聞こえるメーラの声…。
やれやれといった思いが感じ取れる…。
俺はひっくり返ったまま…メーラの方に向き直りながら言葉を投げ掛ける。
「ちょっ…これ…メラ○もん!これって…どこ○もド○!?」
「それが何かはわかりませんが…あの扉に大がかりな転移魔法をかけました…。ここまでするのに大変な労力と期間が必要だったのですよ?」
マジかよ…俺やクリスのために…ここまでやってくれるなんて…。