3 何やら…あやしいですぞ!?
ジーンときた思いを胸に抱きながら…涙を流していると…
「さて…そろそろですね…」
…メーラはそう口にすると、何やらたくらんでいるかのような表情を浮かべる…。
…つっても表情にはあんま変化ないけどな。
なんかそんな感じがした…。
俺もメーラの感情がわかってきたのかなあ…。
それよりも…何がそろそろなんだ?
…とりあえず…涙を拭いて俺は尋ねてみた。
「ほぁ?何が?」
「いえいえ…そんなに大したことではないですよ…。実はこれから魔王軍の皆を集めて会議をするものでして…。せっかくなのでお二人も出席していただきたいのですが…」
むっ!?
あやしい!
こやつ…嘘を言っているな!?
そんな突然会議ができるわけねぇだろ!
…とは言わなかった…。
どうせメーラ達の考えた粋なサプライズでもやるんだろう…。
たぶんクリスとの結婚一週記念日パーティーとか…。
そんなフラグがぷんぷんするぞ…。
「そっ…そーなのか?いっ…いきなりだなー…。ユキ!さっそく行くぞ!」
むっ!?
このクリスの棒読み感…。
クリスも何か知ってるようだ…。
俺に対するサプライズをするときはしっかりしてくれよ!
バレバレだぞ!
…まぁ、こんなとこでサプライズをぶち壊すようなことをしちゃ悪いよな…。
お城の大広間でお菓子やら何やらを用意して
『クリス様!ユキ様!結婚おめでとうございます!』
って…待機してた皆で挨拶すんだろうな…。
そんで…むちゃくちゃ驚いた俺を見てにんまりするわけだ…。
よし!
ちょっと俺も驚いた振りしてやるか!
俺…ジェントルマン!