1 人間の罪悪感
「…『げぇむ』…ですか…?」
「あぁ…信じられねぇと思うけど…俺たちの世界ではそうなってる…」
「…信じられませんね…」
あの結婚式から数日後…。
俺は魔王城で忙しい日々を過ごしていた…。
クリスとの生活と平行して仕事も頑張ってるわけだ。
…まぁ…いつも足を引っぱっちまうけどな…。
さすがに魔王軍で働くのは大変だわ…。
んで…今は休憩時間…。
お昼頃に俺はメーラ…そしてクリスと一緒に、俺の世界のことを話していた…。
いつもはこういった話はメーラだけにしてたが…。
俺の存在…そしてユキの死がバレた以上…今回からはクリスも同伴だ。
「…『わんだーすらむうぉーかー』…その『げぇむ』の舞台が私たちが生きているこの世界で…作られた存在…。クリス様はどう思われますか?」
「…不思議な話だな…。どう言えばいいのか…」
やっぱり…こういった話は難しいよな…。
俺だってこんな話されたら驚くね…。
誰だってワケわからん状態だ…。
…いや…その前に…二人には言うべきことがあるな…。
「その…すまねぇ…」
「?どうして謝るのですか?愚民様?」
「そうだぞ…突然どうした?」
メーラもクリスもよくわからない…という表情で疑問を口にした…。
俺は…嘘偽りなく説明することに…。
「…この世界が作られたものってことは…皆の思い出も…存在も…作られたってことになるだろ?なんか…残酷な気がすんだよ…」
「…」
「…」
「それに…俺からすりゃ…この世界は遊びの舞台だったんだ…。でも実際はこうやってみんな生きてる…。すごい…罪悪感があるんだ…。だから…申し訳ねぇ…」
俺はその場で二人に頭を下げた…。
ワンスラを楽しんでいた俺は…ワンスラの世界の皆を侮辱していたんだ…。
そう思うと…いかに自分がバカなのか…。
気がついていなかったとはいえ…許されないことだよな…。