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11 前途多難な理由とお風呂…

さて…こうして俺たちは各々の目的のために、行動してるわけだが…。

やっぱり前途多難だわ…。


まず、レベル上げ。


本来、レベル上げには3つの方法があるとされている。

それが…


1,モンスターの討伐。

2,アイテムを使っての経験値アップ。

3,他プレイヤーとの手合わせ。


さて、この中からフィールを含めた魔物に気づかれることなく、レベルアップするにはどうしたらいいか…。

間違いなく


3,他プレイヤーとの手合わせ


になるだろう…。


モンスターを討伐するにも、アイテムを買うにも見つかる可能性が高い。

3番であれば、目立たないところで思う存分レベル上げに専念できる。


しかも、相手プレイヤーのレベルが高ければ高いほど、得られる経験値が多くなり、そういう意味ではチートステータスのクリスの存在はありがたかった…。


…ただし、このレベル上げにも問題点がある…。


ワンスラが実装された当初、この3番のレベル上げが一番効率がいいとされ、あちこちで手合わせが行われたのだ。


するとどうなるか…。


レベルの高いプレイヤーがリアルマネーを報酬に、手合わせ請け負いを始めてしまったのだ。


まぁ、要するに


『レベル89です!手合わせ請け負います!1時間で3000円!効率のいいレベルアップをしたい方はこちらのアカウントに連絡よろしく!』


…みたいなことを町の掲示板に書き込むのだ…。


おかげでゲーム内のパワーバランス崩壊だけでなく、ゲームそのもののあり方まで問題になったとか…。


この大問題に、運営は手合わせによる経験値の獲得量を95%カットするという、大胆な修正を実行。

また、こうしたレベルアップを頻繁にしたプレイヤーのアカウントを永久停止といった措置までとることに…。


…つまり、3番の手合わせによる方法では得られる経験値が驚くほど少なくなってしまうのだ…。

多分、1番や2番のやり方より非効率だろう…。


それでも、残された方法が3番の手合わせしかないなら…。


仕方ないわけだ…。


俺の予想では、クリスと手合わせを1日14時間ぶっ通しでやって、それを4日間続けた場合、ある程度のところまでレベルを上げることができると睨んでいる。


それも、かなり激しい戦い方をしないと経験値は微々たるものだ…。


それともうひとつ…。

必殺技の修得についても難儀しそうだ…。


必殺技はスキルとは違い、レベルアップによって得られるものじゃない。

それまでの戦い方や経験によって、偶然手に入れることのできるものだ。


必殺技の中には強力なものが多くある。

それこそ、多くのプレイヤーを一撃で仕留めかねないものまで…。


フィール戦ではあくまでも時間稼ぎがメインなため、そこまで強い必殺技を求めてはいないが、できれば使い勝手のいいものが欲しいな…。


多分無理っぽいけど…。


当然、手にいれることができるかは、完全に運任せ…。

この4日間では無理があるかもしれない…。


実は何年と時間をかける必要があるかも…。


はぁぁぁ…。


こんな調子じゃなぁ…。






「…ハァッ…ハァッ…ハァッ…うぐっ…気持ち悪い…」


もうあれから動きっぱなし…。

手を抜いているとはいえ、クリスの指導はスパルタだ…。


俺を強くするためとはいえ、かなりハード…。

下手したら、今すぐに過労で死にそう…。


うぅ…吐く…。


「…ユキ…だっ…大丈夫か?…その…顔が真っ青だが…」


クリス…心配してくれるのは嬉しいけど…一応、原因はクリスにあるからな…。


言わないけど…。


「あっ…あぁ…ちょっと…気持ち悪くて…休憩するわ…」


この手合わせによって、俺のレベルはそこそこ上がった。

まぁ、もとからレベルが高かったから、1つレベルを上げるだけでも苦行だったけどな…。


攻撃力、防御力といったステータスにポイントを振分けて、村人Aから町人Bくらいには…。








…町人Bって…ダメじゃねぇか…。



…フィールとの戦いまでもうちょっと強くならないと…。




…ふぃー…。

やれやれ…。


あれからクリスとの特訓は激しさが増して、レベルも上がった。

町人Bから、商人Cくらいにはなったかな…。


んでだ…。


体が汗でベトベトになった俺は、今風呂に入っている。


正直な話、風呂に入る時間も惜しいのだが、クリスがしつこく風呂に入ることを勧めてきたので、とりあえず入ってるわけだ。


…ん?

クリスは入らないのかって?

まぁ、あいつは入んないんじゃないか?

汗一つかいてなかったぞ?


…まぁ確認しようにも、女湯は覗けねぇからあいつが入るかはわかんないけど…。

…いや、覗かないけど…。


…俺何言ってんだ?


…しっかし…すごいなぁ…。

まさか、地下闘技場の中に浴場まで完備されてるとは…。


しかも、そんじょそこらのやつとはわけがちがう。


ツルツルの大理石で作られた浴室は、ビックリするほど広い…。

多分、イベントで集まる大勢の剣闘士のために、あえて広くしてるんだろうが…。

貸しきり状態だから、なんか落ち着かねぇわ…。


湯に浸かっているときも、気持ちはいいがなんとなく寂しくて、鼻歌を歌ってみたりしたもんだ。


…余計辛かったけど…。


ウルトラ○ウルとか歌ったときは…まぁ…ね…。


危うく祝福ほしさに底無しのペインを迎え入れそうになったわ…。


ん?

ワケわかんないって?


ウルトラ○ウルの歌詞を検索しよう!





…さて…そろそろ体を洗うか…。


サバァァッ!

…ペチャッ…ペチャッ…。


湯からあがった俺は洗い場まで歩き、すぐ体と頭をわしゃわしゃと泡立てた…。

おぉ…けっこういい匂いがするぞ…。

ここのシャンプーと石鹸は高価なものとみた!


っと…シャンプーの泡が顔面に垂れてきたな…。

仕方なく目をつぶったが、これじゃ…シャワーが取れん!


くっそー…めんどくさっ!


何処だ?俺のシャワー…。


「…もしかしてシャワーが欲しいのか?」


「ん?あぁ!泡が目に入りそうでよ…。見えねぇんだわ…。早く洗い流してぇんだけど…」


「よし!なら私が流してやろう…。ちょっと待ってくれ!」


「おう!頼むわ!」


…あれ?

俺ってば誰と話してんだ?


ここには俺しかいないような…。


キュッ…キュッ…ジャァァァァ!!


そんなことを思っていると、勢いよくシャワーが俺の頭、体をきれいに洗い流してくれた。


ふぅ!さっぱりしたぁ!

誰か知らんが、ありがとよ!


俺はすぐに感謝の気持ちを伝えようと、後ろを振り向くと…。






「…!?」


「?どうした?そんな顔して…」





やっぱりクリスかよぉぉ!!




なんとなく予想はしてたよ!

この展開は女の子と一緒に入っちゃう、ムフフなラブコメだってな!


でも、ホントにこんな展開になるなんて…。


どこのエロゲだよ!

R18禁な展開だけはダメだよ!!


「…さて…今度は私の体を洗ってくれ…」


はい!きました!R18禁ギリギリライン!!

なんで俺が女の子の体を洗うんだよ!

おかしいだろ!


とは言えないな…。


しゃーない!

洗ってやるか!


…R18禁ラインは守るけどね!

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