134 素晴らしいご褒美!
モゾモゾ…ゴソゴソ…。
ほぉぉぉ…。
あったけぇぇぇ…。
いざクリスのベッドに入ると気持ちよさに震えちまいそうだ…。
クリスのベッドはビックリするほどのビッグサイズ…普通に3人で寝ることもできそうな大きさだ…。
真っ白なシーツ…ほどよい心地のマットレス…ふかふかなおふとぅん…。
何もかもがパーフェクツ…。
俺はなんて幸せもんなんだ…。
クリスの私室は意外と整理整頓がしっかりしている…。
散らかっているような感じはしねぇな…。
部屋の飾り付けも豪華…というほどではないが、おしゃれな雰囲気…。
どこぞのヨーロッパを彷彿させるぜ…。
「…ユキ…とりあえず…暗くするぞ?」
「おぅ…」
フッ…。
部屋の天井にぶら下がっていたシャンデリアの火が消えた…。
これって…魔法か何かかな…。
火を消す魔法があっても不思議じゃねぇし…。
…さて。
…目の前が暗くなったことだし…
よし!
寝るぞ!
…
―
…って!
寝れるかぁぁぁぁ!!
横に女の子魔王さまがいる状態で寝れねぇよ…。
むちゃくちゃドキドキだよ…。
こんなシチュエーション…どうしろってんだよ…。
もう2時間ぐらいたったけど…どうすっかなぁ…。
「ユキ…寝れないのか?」
「!…クリス…」
…クリスも寝れねぇのか…。
まぁ、しょうがねぇな…。
こんな状況じゃあ…。
「あぁ…もう…ダメだわ…。睡眠不足になりそう…」
「うむ…私もだ…」
ちなみに…俺は背中を向けながら寝転んでる状態だ…。
なんか…クリスの姿を見るのがスゲー怖くて…。
…チェリーボーイとか言うなよ?
「こんなんじゃあ先が思いやられるよなぁ…ぐっすり眠りたいけど…」
そんな風に俺は一人でブーたれちまった…。
クリスもいんのに…なにしてんだか…。
と思っていると…
「…ユキ…」
「ん…?どしt…」
クリスからの何気ない呼び掛け…。
俺はどうしたのか尋ねようとした瞬間…
ギュッ…ムニュ…。
…ん…?
なんだ?
なんか俺の体が温かい何かに包まれたような…抱き締められたような…はぇ?
「…地下闘技場の風呂では抱き締められたからな…そのお返しだ…」
なっ…ななななななな!!?
これはっ!?
間違いねぇ!
背中に伝わる感触…そして後ろから回された腕の温かさ…。
俺…クリスに後ろから抱き締められてる!?