131 これから…
とはいえ…。
ユキってやつがまだこの世界にいるってのは救いだな…。
もしかしたら生き返らせる方法があるかもしんねぇ…。
そんとき…俺はもう必要なくなるかもだけど…。
「…そっか…俺のこと…ユキのこと…教えてもらったんだな…」
「うむ…」
…。
うぅ…なんか気まずい空気が流れてるな…。
そりゃそうか…。
クリスからすりゃ赤の他人と話してんだし…。
「…そうなると…結婚は…なし…になるのか?」
俺は恐る恐る…クリスの様子を見ながら尋ねてみる…。
いくらなんでも…こんな状況じゃあ…。
クリスを心配させないために、今までユキを演じてきたけど…バレた以上無理に結婚するのは…。
「む…なんだ?お前はそんなことで諦めるつもりなのか?」
「…えっ?」
「私にあんな告白をして…キスまでして…正体がバレたから身を引く…。それは身勝手すぎるのではないか?」
「いや…でも…」
俺はしどろもどろになりながら言葉を紡ぎ出すが、クリスははっきりした口調で語りかける。
「ユキは…私にとって大事なやつだ…。そのユキが…お前を信じてくれと言った以上…私は裏切るつもりはない」
「クリス…」
「ユキはこうも言っていたぞ…。『あいつはお前のことをすっげぇ愛してる…。死んじまった俺のことは気にせず…あいつを受け入れてくれよ!』とな…」
ユキのやつ…自分のことよりクリスの…そして俺の今後を気にするなんて…。
なんか背中を押されたような気がするぜ…。
クリスは鋭い目線で俺を見つめている…。
俺がどう答えるのか…気にしてるようだ…。
答え方次第で…クリスの生き方を左右するからな…。
…もう決まっている!
「…俺は…あのときの告白から…何も変わってねぇ…。クリスと一緒に…生きたい…」