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14 かつてあったこと


 クローディアは、巡回運行されている路面馬車から降りた。

 車道と歩道がきちんと整備された石畳を、履き慣らした靴で踏みしめる。


 彼女の他にも二名の乗客を降ろし、それから三名の男女を車内に乗せると、馬車はターミナルを出て、敷設されるレールの上を再び走り出して行く。


 どう見ても二頭の馬では引けるはずのない大きな箱型の馬車は、家馬の牽引馬(ハクニー)車掌(コンダクター)も含め、馬車を本性(ほんせい)にした人工精霊、『永久公僕』で運行されている。


 ただ、こうした路面馬車や精霊憑きの建造物のほとんどは、動力となるエネルギーを地脈回路から直接得る構造をしているため、利用料金などは基本的に無用である。


 便利だな、と思いながら、小さなターミナルを出て、クローディアは歩き出した。


 視界に広がっているのは、一般住宅街である東地区の一角。


 広い車道の両脇には、焼きたてのパンや焼き菓子を売るベーカリー、加工された肉や燻製品などを提供する店、チーズやバターの乳製品、鮮魚店や酒問屋、青果店や生花店など、各種の専門店が店を構え、それらを抱え込むように建っているのは四、五階建ての集合住宅(アパートメント)である。


 この国で、市民階級とされる人々の多くが、生活の拠り所としている地域だった。


 そして、もう少し街の中心へと歩けば、王都の中央行政区をようする『千人広場』へと繋がっている。


 会期中、血縁貴族から成る上院と、地縁貴族から成る下院が、毎日のように登院する議事堂を基点に、各官庁府や司法機関、中央銀行、公文書館なども配置されており、永久公僕もまた必然とそこへ集中することになる。


 他にも軍警察である憲兵詰所の本所も置かれ、もちろん各詰所にも永久公僕はおり、クローディアは時折、街を巡回中の彼らを見かけることもあった。


 さらに、南地区には公営の中央病院や消防本部、孤児院や養老院、公益質屋などの福祉施設も設けられているが、反対に中心からやや離れた北地区には、円形劇場や競技場、催事場、賭博場などの遊興施設が開かれている。


 ただ、こうして街まで出てきたとはいえ、クローディアにはこれといった目的はない。

 気の赴くまま居住区の歩道を行くが、とはいえ、全く目的がないわけでもなかった。


 クローディアは自分が根っからの世間知らずで、一人で街中を歩き回ることすら不案内だったことをつい最近になって思い知った。


 事の発端は、ノエルとの何気ない会話になる。

 彼が言うには、旧家で育った『家系の子』は、貴族のお坊ちゃまやお嬢様と大差ないらしい。


 屋敷私僕が、ほとんど何でもやってくれるため、極端なところだと自分で買い物をしたことすら無い場合もあるのだとか。


 それに対し、クローディアは買い物くらいなら自分は出来ると答えた。昔、一度だけならしたことがあると。


 しかし、ノエルはクローディアの言い分を信じず、ばかりか、なら証明して見せろと、ノエルからお使いの指令が出されたのである。


 馬車や屋敷私僕を連れず、一人で羽ペンとインクを買ってこいと言い渡された。


 次の日、付き添いを何度も願い出る侍女(ローナ)をどうにか押し止め、せめて女主人の指輪を絶対に外さないでくださいと強く念を押されてから、街の喧騒へと足を踏み入れた。


 いつもは家の馬車に乗っていれば、それだけで目的地に到着していたが、一人で外へ出て間近にした街並みは、馬車の中から見ていた光景とはまるで違い、何がどこにあるのか全く分からないという状況にすぐさま陥った。


 それでも、めげずにあちこちをうろついた。かつて、名前だけを覚えていた孤児院へと行き着いた実績があったせいもあるだろう。しかし、最終的に右も左も分からない迷子になってしまい、指輪を使ってローナに助けを求めるという結果で終わった。


 ノエルに失笑され、それから幾度となく再挑戦を試みることになる。

 当然、次からは道に迷ったら誰かに聞けばいいという、対人スキルを身につけて。


 そうして紆余曲折を経て、現在は王都の中央行政区と東地区にある街並みなら、ある程度頭の中に入っている。


 ただ、油断していると頭の中の地図を忘れそうになるため、気が向いた時にはこうして時おり街へと赴き、地図の再確認や範囲の拡大を試みていた。


 クローディアは、自分がいつか働く職場になるかもしれない『魔法道具屋』にも寄ってみたことがある。


 同じ東地区にいくつかある、職人通りとも呼ばれるアーケード。


 アーチ状の天井を連ねた、錬鉄とガラス張りのアーケード内には、たくさんの魔法道具屋が軒を連ねている。


 国によって認可されている、模式(テンプレート)の導体構成図を組み込んだ魔法道具を扱う店で、照明器具や金庫、『ウォードの箱』といった生活の補助をする物がほとんどになる。


 ウォードの箱というのは、その昔ウォードという人が開発した観葉植物や生鮮食品などの長期保存を可能にする箱で、旧リッテンバーグ邸の厨房にも、大きなものが何台か置いてあるほどポピュラーなものだった。


 ただし、そうした魔法道具の安全と品質を保つため、そこで働く人間には、『一級回路技師』という国家資格が必須となり、それは、特殊な訓練によって『回路の作成』と『導体の修復』という二つの技能を修得した者のみに与えられている。


 そして、資格の修得者は、一級資格が発行される場所と同じ、魔力訓練所から仕事の斡旋を受けることが出来た。


 というより、訓練所からの紹介状がなければ、店側も雇用を許されていないらしい。

 クローディアも、いずれ訓練所からの斡旋を受けるつもりでいる。


 これまで賃金を得るような仕事に就いたことがないため、きちんと振る舞えるかははなはだ不安だが、『魔法道具屋』はどうやら常に人材不足らしい。


 そもそも働ける人間が多くないのだとか。


 最低条件である一級資格を得るには、まず何より一定以上の魔力の導体値という壁があるため、どうしても生まれつきの力量で左右されてしまうという。


 だから、対人能力に多少の問題があったとしても、すぐに解雇されることはないだろと訓練所の人が教えてくれていた。


 どこのアーケードに派遣されるかは、訓練所の意向しだいだが、できれば『緑の園』の近くがいいなと、ぼんやり思いながらクローディアは足が向くままに歩いていく。


 新聞や雑貨、駄菓子などが売られているキオスクや、数区画ごとに番をしている帽子をかぶった家犬を横目にしながら当てもなく進んでいたら、商店と商店の壁面に貼られたポスターが目に入った。演劇や催し物の宣伝、商品カタログや古物買取の広告が美しい版画調のイラストで描かれている。


 そのひとつに水道公園からのお報せがあった。噴水広場の工事完了と一般開放のお報せで、そういえば、以前赴いた時には入れなかった事をクローディアは思い出す。目的地のなかった散策に、おのずと行き先ができた。


 けっこうな距離を歩いて水道公園につくと、前にも見た公園のシンボルである給水塔の尖塔が、周囲の管理館や街路樹の背丈を超えて高くそびえ立っているのが視界に入る。


 噴水広場は、水道公園の南側にあった。名の通り、水を天に噴き上げて流れる様と音で人々を楽しませる噴水を中心に、木のベンチが取り囲むように設置され、糖蜜ワッフルやホットサンドといった軽食、瓶入り果汁などの屋台が引くワゴン車も軒を並べていた。


 まばらな人気の中、クローディアは休憩がてらに空いていたベンチに腰かける。

 ふと噴水近くにちょこんと座り込んでいるものが視界に入った。


 家犬だった。制帽のみの制服を颯爽と着こなしており、かなり大型のシェパード犬で、お座りの姿でも、人間の大人の腰元に届くほどだった。


 きっと近くの管理館から派遣された、家犬――使役犬の警備犬だろう。

 見た目も中身もイヌそのものだが、彼も立派な人工精霊であり永久公僕である。


 路地や公園など人々が多く集まる場所でよく見る姿だが、クローディが何とはなしにぴんと伸ばされた背筋と見ていると、彼の長い耳がぴくりと動いた。


 さっと腰を上げて歩き出し、屋台のワゴン車まで軽快な足取りで出向いていく。


 どうやら揉め事があったようで、聞きつけた警備犬が間に入るように注視すれば、クレームをつけていたらしい客の二人はばつの悪そうな顔をして帰っていく。


 店員からお礼の言葉がかすかに聞こえてきた。さらに首筋を撫でられ、感謝の気持ちをだいぶ念入りに示されたあと、彼は自分の定位置に戻っていた。


 任務を遂行するように、きりりとした顔で広場の植樹林から目を離さない公僕を、しばらく眺めていたが、今日は天気も気候も良い。このまま日向ぼっこをして過ごすのも悪くないかと思い、クローディアは空を見上げる。


 穏やかな風が頬を撫でていく。小鳥の鳴き声も聞こえた。公園で憩う人々の声も。とても心地良く耳に触れてくる。


 どれだけそうしていたか、次第にゆるやかな眠気に襲われて、うとうとと目蓋が何度も落ちかける。不意に声が聞こえてきた。


 「お兄ちゃん、いぬがいる。ボウシしてる」

 「帽子があるなら、本物じゃないよ。じんこーこうぼく…? だよ」


 クローディアの目がぱちりと開く。幼い子供の声だった。

 聞こえてきた方に首を回せば、中央の噴水に小さな男の子と女の子がいた。


 兄妹だろうか、ちらも十歳に届いてないよく似た二人は警備犬に興味を抱いたようで、自分の背丈ほどあるシェパードに駆け寄るなり触りはじめた。


 微笑ましい光景に、クローディアも微笑まずにはいられない。

 眠気も綺麗さっぱりと覚めて、小さな子のあどけない一挙一動をじっと見守った。


 正直なところを言えば、一も二もなく孤児院で働きたかった。


 しかし、リグナム王国内にある孤児院は全て国の管理下にあり、子供達の世話も含めた業務は、永久公僕のみで取り仕切られているため、人間を雇うことはないのである。


 全ての公営施設がそうではないが、子供たちの安全を第一にするなら、致し方ない措置だとクローディアも理解していた。


 「あ、名前がある。アルノーだって」


 首輪を見つけた少年が言う。


 警備犬のアルノーは、耳をくすぐられたり、しっぽを掴まれたり、お口の中を見られたりして、さすがにちょっと困っている風に見えたが、決して拒絶したりはしない。


 ひと通り撫で回して満足したのか、少女の方が噴水に興味を示した。

 光が跳ねてきらきらとする噴水に近づこうとした時、アルノーが動いた。少女の前に回り込み、体を張って進行方向を妨げる。


 少女は、アルノーを避けてさらに近づこうとしたので、アルノーも再び彼女の前に体躯を差し込んだ。少年がはっと気づいて、少女の手を掴む。


 「あぶないからダメって、お母さん言ってたでしょ」


 少女はむすっとほおを膨らませたが、彼女の興味はまたすぐに変わり、屋台のひとつに目がいったようだった。


 「お兄ちゃん、わっふる食べたい」

 「えー。お金持ってないからダメだよ」


 食べたいと、つないだ手をゆすっては何度もねだるので、クローディアは、それならばと、ベンチから立ち上がった。







 クローディア・ヘインズの左手中指に嵌められた、『旧リッテンバーグ邸女主人の指輪』により、彼女の所在地はローレンスに筒抜けだった。


 王都の東地区、一般住宅地、水道公園にて、ようやくその姿を取らえる。


 彼女は、最近はやっているという、コルセットスカートにブラウスを合わせ、タイツと編み上げブーツを履き、サテンのリボンで飾られてたつばの広いキャプリーヌ帽を被っていた。


 周囲から浮くことなく簡素にまとめられいるが、既婚済みの夫人というよりは、街遊びに出てきた、良家の子女という印象だった。


 侍女(レディースメイド)であるローナの仕事は昨今の流行りをいち早く取り入れ、女主人を飾り立てることだが、その女主人に服飾に対するこだわりがない事をいいことに、ローナの趣味があますことなく反映されている彼女は、噴水前のベンチに座って空を見上げていた。


 何をするでもなく、心ここにあらずといった様子で、亜麻色の髪を風に揺らしている。


 そんな彼女の横顔を見守るローレンスは、主人と共に広場中央の噴水からやや離れた植樹林の陰に潜んでいた。


 主人たるセドリック・ヘインズは、魔導士用の外套を身に纏い、フードを目深に被っており、ローレンスの方は、いつものようにフェレットの姿でフードの中に潜り込んでいる。


 魔導士のローブは、もれなく魔法道具である。見かけよりはるかに高い防護性能の他、衆目から注意を逸らすという隠蔽機能なども組み込まれている。


 よって、昼間から特定の相手を監視するという、逆に衆目を集めそうな行動を取っていても、気にかける人はまず居ない。居ないが、気にかけるイヌはいた。


 噴水の傍らに腰を下ろした永久公僕の警備犬が、少し前からずっと植樹林に視線を向けたまま外さないのだ。


 どうやら我が家の男主人に気づいているようだったが、指にある男主人の指輪、ひいては家令(スチュワード)のローレンスにも気づいているのだろう。警戒はしても、警告まではいかないようで、持ち場から離れずじっとしていた。


 公僕のぶしつけな視線を受けながら、ローレンスはここに来るまでの間、真剣になって頭を働かせていた。


 もしかしたらこれは、大変な事態に発展する前段階ではないのかと推察する。

 そして、我が家の女主人であるクローディアがその渦中にいるのではないかと。


 主人が自分たちに話したがらなかった理由も、それなら納得できるとローレンスは思った。


 ローレンスの主人が携わっている仕事で、彼の妻に累が及ぶことは無かったはずだが、何事にも不測の事態はある。


 彼女にも火の粉が降りかかってしまったか、もしくは全くの別件で事件に関わっている可能性もある。何にせよ、今こうして彼女を監視しているからには、おとりにされている状況も有り得た。


 ならば、ローレンスが最優先にすべきことは、夫妻の安全確保に他ならない。


 家内の屋敷私僕たちに緊急報知をし、担当する業務の手を止めさせ、男主人と女主人の指輪からいつでも人工精霊たちを強制出現させられるよう待機させる。


 屋敷私僕の勤めは、家人の護衛も含まれる。今のところ我が家の男主人からは何の指示も受けていないため、なおのことローレンスは主人たちの防衛に執心した。


 一進も一退もせぬまま、かなりの時間が経ち、やがてクローディアがうとうととしはじめる。


 眠られたら一瞬の対応に遅れてしまうため、ローレンスはもどかしい思いで彼女の動向を休まず見守った。


 セドリックもまた、彼女の横顔をじっと見ていた。

 姿を捉えてから一言も発さず、クローディアをひたすら注視してる。


 彼はいま体調が万全ではないため、このまま長期戦になることにローレンスがだんだんと危惧を覚えはじめていると、クローディアに動きがあった。


 噴水近くで遊んでいた男女の子供たちを気に入ったのか、珍しく微笑みを浮かべ、見入るように眺めはじめた。


 不意に、クローディアがベンチから立ち上がる。


 どこに行くのかと、ローレンスが思ったように、セドリックも身動ぎするが、彼女は近くの屋台で糖蜜ワッフルを買っていた。


 店頭に並ぶ、包み紙にくるまれた糖蜜ワッフルを二つ手に持って、次に子供たちへと近づいていく。


 彼女は、子供たちの前に膝をついて糖蜜ワッフルを差し出した。

 女の子の方は、差し出された糖蜜ワッフルを受け取ろうとしたが、おそらく年上だろう男の子がそれを止めた。


 彼はクローディアに向かって首を横に振った。心なしか、やけに必死に。

 何事かを話しているようにも見えるが、彼らの会話はここまで聞こえてこない。


 男の子はもう一度首を横に振ると、つないでいた女の子の手を引っ張る。

 彼の行動は、あたかも目前に迫った危機から逃げだそうとしているように見えた。


 女の子は糖蜜ワッフルに未練を見せたが、すぐに男の子の従って歩き出すと、見るまにも駆け足になってクローディアから離れていく。


 一人置いていかれた彼女は、子供たちが去っていった方向を静かに見つめている。両手に残された二つの糖蜜ワッフルを持ったまま。


 「…………」


 ローレンスは、何とも言い難い気持ちに襲われた。

 どう見ても、我が家の大切な女主人が、子供たちから不審人物扱いされたようにしか見えない。


 事の顛末を見ていた傍らの警備犬にクローディアが顔を向けると、彼はそっと視線を外し何事もなかったかのように自らの任務に戻る。


 公僕にすら匙を投げられたこの状況を、どう解決すべきか迷うローレンスの真横から、笑い声が聞こえてくる。


 小さく抑えられた声。けれど、出もとを辿っていかずとも、我が家の男主人から漏れていることは明らかだった。


 身を潜めるのに使っていた立木の幹に、手と額をついて肩を揺らしている。


 不審人物扱いされてしまった彼女を笑っているなら、あまり褒められた態度ではないのだが、ローレンスはどうしてか、彼の笑い方に妙な引っかかりを覚えた。


 口角は確かに上がっているし、声も聞こえている。

 ただ、目元は隠れて見えなかった。


 あえて隠しているようにも見えて、そのせいで本当に笑っているのか確認できず、不自然な笑い方になってしまっている。


 やがて笑い声は収まるが、彼はしばらく立木に寄り掛かったままだった。


 そうして中々顔を上げない主人も心配だが、もう一人の主人であるクローディアの安否も心配で、ローレンスはフードから顔を出す。


 こちらの心配をよそに、彼女はベンチに戻って糖蜜ワッフルを食べていた。


 しかし、何かが起こるかもしれないと、まだ疑念を拭えていないローレンスは、男主人の代わりに近辺を警戒していたが、ほとなくして伏せっていた顔が上げられた。


 主人は再び自分の妻に視線を戻す。


 ただ、彼の視線はほんの数秒間、彼女の横顔にとどまっただけで、振り切るように視線が外されると、その場から離れ出してしまう。


 ローレンスが慌てて目的地を尋ねれば、家に戻るという予想外の答えが返ってきた。

 奥方はいいのかと続けて問えば、それに関しては答えが返らない。


 結局、今日の出来事は何だったのか、ほとんど分からないまま家路に就くことになったが、何の成果も得られなかったわけではなかった。


 その日から、主人の不養生に改善の余地が見られるようになったのだ。


 食欲は相変わらずないようでも、なるべく口にしているし、ままならない睡眠は、自作の道具を作って強制的に取るようになった。


 けっして健やかな状態とは言えないし、解けていない疑問も残ったままだが、ローレンスは、ひとまずはそれで良しとすることにした。






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