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あなたと、季節
「あなたが思い描く夏に
私はいますか?
当たり前なんて思っていない
隣のあなたはあまりにも自然過ぎるから
信じるものなんていくつもない
たったひとつだけ
あなたといっしょにいたいだけ
他に何もいらない
私は急ぎ過ぎていますか?
私は恐れています
失うことを
あたなと
あなたと過ごす時間を
夜は長くて長くて
涙が出ちゃう
ふとした瞬間
想っていること
それはいつもあなたのこと
どうか独りだと思わないで
あなたの隣にわたしはいます
いつも
これからもずっと
喧嘩もしたよね
離れたふたりの心
いつの間にくっついたのかな
そんなの覚えてない
わたしたちの夏
どうか夢がかなえられますように
夢は見るものだけじゃない
叶えるもの
あなたと一緒に」
おハルは閉じていた瞳を静かに開け、京之介と見た遠い空を見上げた。
その眼差しには、柔らかだが力強い光がある。
もう一度深呼吸をする。
ゆっくりと気持ちの整理をするように。
季節の変わり目に吹く風。
その一陣がおハルの下ろした長い黒髪を撫でつける。
その風にはいろいろなものが複雑に混ざり合っていた。




