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第二話~初めての高校体育~

五時限目体育。女子は女子更衣室。男子は教室で着替えるらしい。制服を脱いで体操服に着替える。今日はグラウンドで軽く走って、そのあとドッジボールをするようだ。

小学生じゃあるまいし、なぜドッジボールだろうか?

まあ、初めての体育の授業だし、先生は面白そうな事をしてみたかったんだろう。きっと。

下駄箱へ行き、靴を変える。外へ出ると4月とはいえまだ肌寒い。

「お~いこっちに整列しろ」

やたら体格の良い若い男性教師が、皆にこっちへ来いと手招きしている。

先生の前に行き、皆出席番号順で整列をする。

先生は怪我しないようにだの、トイレ行きたくなったら言えだの色々説明してくれた。

もうそろそろだな。

「よ~し。んじゃ軽く準備運動するか。そうだな男女混合だから、隣のやつとペア組むわけにはいかんし…

よし、好きなやつと組め!」

きました。恒例の好きなやつと組め。はぁ~。どうしようかな。

俺が悩んでいるといつの間にか皆は二人組を作っていた。

俺と天然パーマのあの娘を除いて。

「お、ちょうどだな。よし、そこの君と、田原、ペアを組め」

ほう、どうやらあの娘、田原というらしい。しかし、先生よく知っていたな。次は俺の名前も覚えてください。

「よ、よろしくお願いします…」

「あ、あぁ。よ、よれしく…」

いきなり声をかけてきたから、まともに返事できなかった。

しかし、女子と整理運動するのは結構気まずい。自分で言うのもなんだが、俺は結構女の子を大切に扱うタイプだ。座って股関節を伸ばすストレッチの時、俺は相手の背中を押さなければならない。

男が相手なら結構雑にやる。何なら足で押すぐらいだ。

だが相手が女の子なら、話は別だ。

痛い何て言われたら、死ねるレベル。

最善の注意を払おう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

無事に整理運動とランニングを終えて俺達はドッジボールを始めようとしていた。幸いチームは先生があらかじめ決めといてくれたようだ。

ピーと笛の音が鳴った。試合開始の合図だ。ボールは俺らチームからだ。一人の女子生徒がボールを持っている。その人は「えい!」と言いながら、ボールを上に向かって軽く投げた。ボールはふらふらと上にあがり、ぽたんと相手陣地に落ちた。

「きゃはは、何それ~」「っぷ。どこ狙ってんのよ?」

クラス中の皆が笑いながら突っ込みをいれている。その後も皆はふざけながら軽い感じでドッジボールを続けていた。

まあ、高校生にもなって真剣にドッジボールする方がおかしいわな。

俺はそう思っていたが、どうやら先生の方はそうでもないらしい。

「一回やめい!!」

瞬間、皆の笑い声は止み、先生の方へ注目した。

「ふざけてやるなら帰れ!!気を抜いていると本当に怪我するぞ!」

先生はかなり怒っているようだ。

「おい、お前!名前はなんだ?」

先生は俺の方を向いてきた。

俺かな?と回りを見渡すと誰もいなかったので、どうやら俺に言っているみたいだ。

「や、矢澤一人です」

「矢澤か。お前が一番やる気がなさそうに見えたが、俺の授業に不満でもあるのか?」

「いや…」

「なら、真剣にやれ!!」

かちーん。久々に怒ったよ。

だいたい俺がやる気無さそうに見えたのは誰も俺にボールを当てようとしないからだろう。そうなると必然手持ちぶさたになって突っ立てるしかないだろうが。

だが、まあ、いい。見とけよ。本気だしてやる。

「んじゃあ、またはじめるぞ。今度こそ真剣にやれ」

先生は俺にボールを渡して再び笛をならした。

試合開始だ。

何でもそうだが、相手にもっとも効率的に勝つ方法は、まず、雑魚から潰す。

雑魚すなわち女だ。

特にあの太ったやつからやった方が良さそうだな。

「うっりゃあ!!」

俺は体のすべての力を込めて、ボールを放った。

ボールは風をきって恐ろしいスピードで太った女の腹に直撃した。爆裂音が響いた。幸いボールは跳ね返ってコロコロと俺の足元に転がってきた。ボールを拾う。よし、次は逆にあの痩せぼそった女を狙うか。

また、全力でボールを放つ。ボールが痩せぼそった女の顔に直撃した。

その女の子は痛さから涙を流し始めた。

ヤバい!!






顔はセーフだ。

ボールが足元に転がる。今度こそ!俺はまた、全力でボールを投げる。嫌な音と共にまた、女の子の顔面にボールが直撃する。

まだまだ!

跳ね返って来たボールを拾って全力投球。今度はみぞおちに入った。

「ぐふっ!」

痩せぼそった女が腹を抱えて苦しむ。

よし、アウトだ!

次は…。

ってあれ?女どもはどこに行った?

気が付けば目の前には女が消えていた。

後ろを振り向く。なるほど、自主的にアウトになったのか。ちょっと残念だが、都合がいい。

残るは男五人。その中にはなんと新島がいた。

これはラッキー。俺の大事な花をちぎった仕打ちができる。

いきなりだが、ドッジボールの時、皆は大抵足を狙うと思う。だが、俺は更に当たりやすい所を見つけた。

急所だ。足にボールを投げても、相手がジャンプをすればかわすことができる。ただし、急所を狙えば、たとえ、相手がジャンプをしようが、足にはあたる計算になる。

それを実践してみよう。まずは、あのいかにもオタクっぽいやつを狙ってみよう。

俺は急所めがけて、ボールを投げた。

すると、その男はジャンプをして交わそうと思ったが足に当たってしまった。

計算どおり。

俺はその理屈で残りの三人にボールを当ててみせた。勿論、新島ただ一人を残して。

「新島頑張れ!」「私達の仇をとってぇ」「矢澤何てやっちまえ!!」

まわりから新島への声援が聞こえる。

よし、仕打ち開始。

俺は新島の少し前にめがけてボールを放った。

「どこ投げてんだ。へたく…がぁっ!」

ボールは見事にバウンドして、新島の股間に直撃した。

新島がしゃがみこむ。よし、チャンスだ!

俺は外野の方へ行ったボールを仲間から貰うと、再び新島の前の方にボールを放った。

ボールはバウンドして、今度は新島の顔面をとらえた。

新島の顔から鼻血が出てきた。

まだ許さんぞ。花の罪は重い。

俺がまたボールを貰って投げる体制に入ると、先生が急いで俺を止めに入った。

「や、矢澤!もういい。お前が本気なのは、十分にわかったから。もうやめてくれ。すまなかった」

先生が頭を下げてきた。

なんだこれ。俺はただドッジボールを真剣にやっただけなのに。

まるで俺が悪人見たいじゃないか。












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