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第三話~期間間近の約束~

もぐもぐ。うん、この冷凍唐揚げ、良い感じにチンされている。うまい。

よし、次はニンジンに挑戦だ。

中々とれない。やっぱり乱切りにされた野菜は取りにくいな。

…………ダメだ。気まずい。一緒に飯を食うまでは良いが、そのあとの事を考えていなかった。俺たちは一言も会話のないまま、精密機械顔負けにご飯を口の中へと運んでいる。このままじゃダメだな。俺が誘ったんだから、俺が会話を弾まなきゃ。でもこんな時何て話せば良いんだろう。はっきり言って、今、緊張していて、頭の中真っ白だ。俺は家族以外の人と話しかけようとすると、いつもこの状態になる。よし、まずは深呼吸だ。俺は田原にばれないように、下を向いて深呼吸をした。

OK。落ち着いた。

こう言うときは多分、あたりざわりのない話をするんだと思う。例えば趣味はなにかとか。よし、これでいこう。

「しゅ…」いや、ちょっと待てよ。

そう言えば、どっかで質問をする前に、自分の情報を少し入れてから質問ををした方が良いと聞いたことがある。例えば、[俺の趣味はピアノを引くことだが、何か趣味持ってる?]ってな感じで。これでいきたいが、あいにく俺にはそんな素敵な趣味を持ち合わせていない。何なら、趣味何てひとつもない。なら、違うやつでいこう。

「お、俺の日課は親父の歯ブラシで便器を磨く事だ「キーンコーンカーンコーン♪カーンコーンキーンコーン♪」

が、田原さんは何か毎日やってることある?って聞こうとしたら、学校の昼休み終了を知らせるチャイムが鳴りやがった。

「そ、そうなんだ…。が、頑張ってね」

田原さんはそう言うと、苦笑いのまま自分の席に向かった。

終わった。

すまん、龍神、妹よ。やっぱり俺には無理だったみたいだ。時計を見てから、聞けばよかった。あれじゃあ、俺が親父の事が嫌いな、クズにしか聞こえない。もう、二度と話すこともないだろうな。まあ、良い勉強にはなった。やっぱり、俺が人に話しかけても、ろくな結果にならない。なら、一層のこともう二度と誰にも「あ、あの…」

声のした方へ目をやる。



「…ま、また、お昼誘ってくれますか?」




驚いた。

「あ、ああ…」

そう言うと、田原さんは今度は苦笑いなどではなく、心底嬉しそうに自分の席に戻った。

…にしても、あれだな。こんなことを言った手前だけど、なんかだるいな。また誘うの。はっきり言って、結構きつい。しんどい。誘うとき、顔は赤くなるわ、心臓はバクバクするわでもう、気分悪い事この上ない。

明日が憂鬱だ…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「うちの学校では、部活動は強制参加になっとる。だから、お前達には何らかの部に入ってもらう」

帰りのHRで奥地先生がなんかほざいている。

そうか、すっかり忘れていた。部活何てあったんだったな。でもいきなり、どっかに入れって言われてもなあ。

「いきなり入れとは言わん」

…そうかい。

「来週から一週間、部活の体験入部を行う。そのなかで、自分にあった部活を見つけると良い。自分に似合ったやつをな!」

見ろよ。あいつのドヤ顔。やってやったぞ!!と言わんばかりの顔だ。

言うまでもないが、教室中は今、雪でも降るんじゃないかと言うぐらいに、冷めきっている。

「おい、誰だ?教壇の上に洋梨ジュースを置いたやつは。そんなやつは、用無しだぞ!」

そんなジュースはどこにも置いてないだろう?なあ?もう、

やめて…

「コホン。まあ、そう言うことだから、しっかり決めるように、以上」

流石に空気を察したのか、奥地先生は一回咳払いをしてから、話を切り上げた。

来週からか。因みに今日は木曜日。あまり好きな曜日ではないが、月、火、水、よりかはましだと思う。特にやはり月曜日が厄介である。休み明けだけあって寝坊する確率が90%以上だ。非常に恐ろしい。

そんなことを思っていると、山口さんが俺のほうに近づいてきた。

「あのね、矢澤くん。今日も仕事あるみたい」

「う、うん…」

「今日も頑張ろうね!」

マジか…

またあのめんどくさい作業をするのか…

はぁ…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あのさ…」

作業もあと少しで終わる所で山口さんが俺に話しかけてきた。

「ん?」

この返しなら、噛みようがない。

「矢澤くんってさ、田原さんと仲良いの?」

「いや、何で?」

「今日、田原さんとご飯食べていたから。仲良いのかなって」

なるほど、そう言うことか。だが困ったな。何て返せば良いんだ?実は田原さんの弟のために何とか仲良くなろうとしている。って言えれば良いんだけど。俺はコミュ癖。間違いなく言えない。なら、略すか。

「半強制的に…」

「えっ、それって罰ゲームで仲良くしてるってこと?」

何でそうなる?

いや、言い方が悪かったな。やっぱり、略さずに話すか。

「ち、違う。実は、た、田原さんの弟と、な、仲良くなるために…」

ん?

「なるほど、田原さんの弟と仲良くなりたいんだね」

おかしいことになった。

「ち、違う。実は付き合ってるんだ。俺「えっ!矢澤くんって、男の子と付き合ってるの!?」

最後まで聞け。付き合ってるのは俺の妹だ。

糞っ。どんどん悪い方向へ向かっているぞ。何とかしなければ。

…そうだ、一層のこと、話題を変えてこの話を忘れさせよう。素敵素敵、そうしよう。

「部、部活何にする?」

山口さんはぽかーんとしている。

いきなり過ぎたか…

「え、えっと。また決まってないんだ。矢澤くんは決まった?」

ここで、まだ決まってない、何て言ったら、間違いなく白ける。無理にでもなんか答えなければ。

「陸上部かな…」

よし、無難な選択だな。

「えっ、すご~い。なんでなんで?」

何でだと?適当に言ったからな。理由まで考えていなかった。これ以上会話を続けたらまた、ボロがでそうだ。終わらせるか。



「じ、女子のユニフォームがエロいから…」


「………。あはははぁ……」

乾ききった笑い声だった。だが、まあ、いい。これでボロが出ずに済んだ。

でも、本当に部活決めなきゃダメなんだよな…

何にしよう。まあ、運動系はあり得んな。



絶対。





















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