姉さんって・・・
屋敷に引き摺られるように入ると、そりゃもう立派な玄関ホール。
左右に階段のある踊り場とかなんなの。
格差!!!!
俺のアパート、ここの玄関ポーチほどの広さもなかったぞ。
母さんと暮らしたコーポだって2DKじゃ!
夢でも見てるんちゃう?
思わずほっぺをつねってみる。
痛い。
「響子さん、おかー?その子がぁ?」
呆然としていた俺のそばに可愛い声の女の子がいた。
「ん~?蘭さまに似てないですぅ?」
「遺伝子仕事してないんだぁ?」
なぜかいきなり可愛い双子?にディスられてるんですけど!?
「桔梗、菖蒲、似てないが蘭さまの弟の相馬舜さまだ」
ツーテールのメイドな双子に両脇から腕を絡められ、舐めるように見られてる。
「ふーん?匂いは似てるかもですぅ」
「んー、目が似てるかなぁ?」
匂いが似るわけないだろ。一緒に暮らしてたとしても多分赤ん坊の頃だけだし、数回あった記憶しかないぞ。
耳裏とかクンクンするんじゃ無い!!
顔が近い!!!
うら若き青少年の俺の俺がヤバいことになったらどうすんだ!!
「ほら、説明をしなくちゃいけないからお茶の準備をしてきなさい」
「「はーぁい」」
姦しい双子が秘書の言葉を聞いて下がっていった。
「こちらに」
タイトミニでピンヒールな秘書が俺を連れて階段を登っていく。
なんなん!!
俺いきなりAVの撮影に連れ込まれたとかのドッキリとかなの!?
ドS秘書のお尻となんか薄めのストッキングにピンヒールとかエロスの極みじゃん!
ダチに話したらAV見過ぎとか言われるやつよ。
「言っておきますが、この格好は蘭さまの希望です」
振り返ったドS秘書にギロリと睨まれた。
心の声漏れてた!???
んっ!?
姉ぇっっっっっええええええええ!!!
「蘭さまはいろんな趣味が絡み合ったガチのバカですので」
あれ?蘭さまとか言いながら酷い良い草してる。
案内された部屋に入るとまた驚き。
アニメに出てくる司令塔の部屋とかそんなん。
壁一面の液晶、PCエンジンが山盛り。
ゲーミングチェア?なんか高そう。
高級ソファセットまである。
「蘭さまは、投資家でもあります」
たくさんの液晶画面にいろんなグラフの変動が映っている。
「プログラミングである程度は管理してあるので大きな損はありません」
へぇ。へばりついてないとダメとかじゃないのか。恐ろしくてやれんから全く知らんけど。
「えっと、俺は株とか全くできないけど?」
「期待していません。基本的には私がやります」
ズバッと言われた。なんなん!
なんで俺連れてきたの!?
「私はあくまで代行なので各手続きや権利関係は法定相続人である舜さまがいないと困るんです」
法定相続人!?
「先ほどお話しした通り、蘭さまの親族はほとんど縁が切れています。蘭さまは何かあった時には、血縁のある舜さまに託すと遺言を残されています」
なんてこった。
「ただし、蘭さまはまだ亡くなられたわけではありませんし、今すぐ舜さまに財産が渡るわけではありません」
そうだろうね。寄越せとか言う気もない。
「この家には蘭さまが拾ってきた者が十人ほど住んでいます」
は?拾ってきた者!?
「血縁のない者だけがこのような豪邸に住むには色々問題がありますので、舜さまにはここに住んでいただきます」
なぜ確定!?
勝手に了承させられてるん!
「ここは大学遠いみたいだし、別にあんたらにお任せするから家に帰してよ」
ドS秘書怖いし。
双子は可愛かったけど俺のこと気に入ってないやん。
後七人?どんな子たちかわからんけど、姉さんが好きなら俺は嫌われるに決まってる。
「この屋敷に入った時点で拒否は却下です」
なぁ!?
お前、俺を引き摺って入れたよね?
しかも車で薬使ったよね!
何この犯罪者。
拉致監禁じゃん。
「茶ーっす!」
「お茶ですぅ~」
バーンと扉が開いてさっきの双子がお茶運んできた。
「何ごねてるのぉ?」
「蘭さまがぁ戻ってくるの一緒に待つですよぉ~」
またも腕に絡みつかれて一緒に座る羽目に。
「ちょっとこれ見てもらいましょうか」
投資画面映してる画面じゃなくてテーブルにセットされているノートパソコンの画面を見せられた。




