フィアの思い 前編
朝。
いつものように起きたが、外は、あいにくの曇りだ。これもすべて戦争のせいであり、そのせいで、天候が不安定になっているらしい。これはレニア情報だけども。
まあとにかく今は一刻を争う時。いつ攻撃されてもおかしくはない。だから、急いで準備して、王城にナナとレニアを連れて行かなければならない。
ナナはもう起きているはずだ。レニアはどうなのかは知らんけど、寝てたら、起こしてあげよう。
自分は、昨日に着替えてはいる。あとは飯食って、持ち物持って、王城へ。これもう完璧。百点満点だ。
■
「レニア~起きてるか~」
「ん……。起きてる」
おお、起きてましたか。えらいな。
そう思ってると、ふと目に留まるものがあった。
「奥のあれはなに?」
「あれは、レオのために作った」
「一日で?」
「そう」
何のためなんだろう。
「俺が使うとしても、どう使うんだ?」
「腕にはめて、魔力を流せば、勝手に動く」
「なるほど。なんの効果があるんだ?」
「人間には対処しきれない、予想できない攻撃や速さに反応してくれて、レオを危険から守ってくれるように作った」
なんかわからんけど、つけとけばいいのかな。
「そっか。ありがと」
「うん」
おっと、俺はこんな話をするために来たんじゃない。行くよって伝えるために来たんだっけな。
「レニア。もうそろそろ行くから、準備してね」
「わかった」
あとは、フィアに留守番を頼めばいいかな。
俺は地下室から出て、フィアの元へ。
「フィア」
「姉貴!今日、気を付けて!」
「ああ。留守番頼むよ」
「うん!」
よし、完璧。話が早くて助かるな。やっぱりフィアは優秀だ。
「姉貴!」
「どうした?」
「ごはん!頑張って作ったから、食べてって!」
「お!ありがと」
一口。
普通においしい。多少焦げて苦いところもあるけど、フィアにしてはよくできたほうだ。
「フィア。おいしいぞ。ありがとな」
そう言った。フィアの表情が変わったが、気のせいだろう。
「行ってらっしゃい。姉貴!」
「ああ」
「フィアちゃん!行ってきま~す!」
「フィアさん。行ってきますね」
そう言い、ナナとレニアも俺に続いて出て行った。
■【フィア視点】
私はフィア。姉貴の妹。私はいつも寂しい思いをしている。
いつも、何かあると、私は留守番だ、とか、危ないから、家に居ろとか。今まで、姉貴と一緒にどこかへ行ったりした記憶はあまりない。
確かに、私には力がないかもしれない、迷惑かもしれない。だけど、何か一つでも役に立ちたい。そう思った。
だから朝、私は姉貴にご飯を作った。おいしいと言ってくれた。だけど……それだけだった。
私は他に何かを求めていたんだ。今思うと、撫でてほしかったんだと思う。でも、今の姉貴……いや、兄貴はしてくれない。
わがままだって言われるかもしれないけど、撫でてほしい。
それと私も、とある能力を使えるようになった。
『心を読む』能力を。でも言い出せてない。怖いから。言い出せるまで、勇気が足りない。でも、いつかは言う。言いたい。できれば早めに。
そんな時だった。ドアがたたかれた。
私の名前を呼んだ。
開けてはならないとわかっていたんだ。だけど、開けてしまった。
だけどその人はいい人?だと思う。だって、質問に答えろとしか、言われなかったから。ほかに何かするようなこともない。心を読んでも、何も感じ取れないから。大丈夫だと思った。
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