落とし穴に落ちたら
レオ・シーファ。
俺の名前。
ここはダンジョン。『運命』という、名のダンジョンである。
「疲れるな……」
足がしっかりしない。かなり疲れている。
「もうそろそろっ!?」
落とし穴だ。落とし穴に落ちた。
くそ……。
意識が遠のく。
死ぬのか……。
■
目覚めた。
中は光が少し灯っている。
……あれ、目線が低い……。
下を向いた。
「はぁあぁぁ!!??」
なんだこれ!?胸!?しかも髪が伸びている!?
声も高い。
もしや、この落とし穴……TS症を引き起こす穴だったのか!?
TS症は、不治の病。
「あああああ!!」
気が狂いそうなのを抑えて、真面目な思考から、変な思考へ!
「……ふぅ……落ち着こう。てか、俺のモノついてるか……?」
ズボン越しに触る。
「……つるつる?」
なかった。
「俺……まだ童貞だぞ……?童貞のまんま、TS?こんなの嫌に決まってんだろがい!!」
大声で文句を言い、落ち着く。
「おちつけ……落ち着くんだ、俺」
まずは、ここを出ることが最優先。
まず、女になって、どのくらいに力が下がったのかを確かめよう。
ジャンプ力。
「よいっしょ!」
落とし穴から出れた。
「少し、重くなったな。この胸のせいか」
触る。
「こんな感触なんだなって……男のころに経験したかったよ……」
その時……。
「誰かいるんですか」
「ねぇ、あそこ!誰かいるよ!」
「ほんとだ!」
先頭にいるのは背が高い。俺と同じ、二十三歳の金髪の剣士の男だ。
隣には、背が、今の俺と同じくらいで後方支援の金髪の女。
その後ろには背が俺より、少し小さい、魔法師の茶髪の女。
「誰だ」
俺はまっさきに怪しいと思った、先頭にいる、男に問いかけた。
「俺達は、レオ・シーファに憧れ、Sランク冒険者になった、パーティーのワールドオーダーだ!」
「名は聞いたことある」
「ありがとうございます。それで、貴女は……?」
「俺はレオ・シーファだ」
「……へ?」
そうか……俺は男だったからわかんないのか。
「あーうーん。俺は……TSした」
「???」
「お兄〜この人、多分本人だと思うよ〜」
「そ、そうか?」
「うん。同じ覇気が出てるから」
この女子は、いい目をしている。
「皆の名を教えてくれ」
「俺は、リオだ」
「私はハナだよ〜」
「私はユア!」
「そうか。よろしく」
「「「よろしく!」」」
では、このダンジョンを出るとしよう。
「俺は、このダンジョンからでる。またどこかで」
眼の前には大きい壁。俺なら簡単に飛び越えて帰れる。
「よいしょ!」
超えられなかった。
「は……?」
全然とどかない。
最初は大丈夫だったのに……。
まさか!
くそ……。
この体のせいで、俺の男の頃だった力の半分も出せないことがわかった。
ワールドオーダーに助けを求めよう……。
気に入ったら☆☆☆☆☆など、評価よろしくお願いします




