第一話 真の実力者は追放される
氷山の一角である冒険者ギルドにてSランクパーティー【人狼の牙】のリーダーでギルド長に就任したアスベル・ガイナックスに呼び出された俺の名前はフィル・プラント、荷物持ちのポーターをしている。
「フィル・プラントお前を今日限りで解放する!!」
「そんな! 俺今までパーティーに貢献して来たじゃないか!」
「貢献だあ? 荷物しか持たずに戦えない奴にこれ以上うちのギルドには要らねーんだよ分かったなら出てけ!!」
アスベルの迫力に推された俺は仕方なくギルドから出ると遠くの方から悲鳴が聴こえてきた。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
「悲鳴!? 森の方からだ!!」
森の方角を見ると生息している筈の無いでっかいドラゴンが地面を見下ろし、この国の姫君レイラ・クロセットが襲われていた。
「へっへっへ、でっかいドラゴンを手懐けるのは苦労したぜ。」
「なあ姫様、俺達の娯楽として楽しませてくれや満足したら追放してやっからよ?」
どうやれでっかいドラゴンは盗賊二人組が従えレイラ姫を脅し私服を肥やそうとしている様だ。
「辞めろ!」
「あ? 何だ?」
「良いところだったのに邪魔してんじゃねーよ殺されてーのかでっかいドラゴンに?」
「フィル様! 来てくれと信じてました♡」
するとでっかいドラゴンは盗賊二人を尻尾で叩き潰すと満足したのか森の奥へと帰って行った。
「フィル様のおかげで助かりましたわ♡」
「大したことはしてないよ、よっと。」
俺はレイラにお姫様抱っこされながら城へと案内され国王様に感謝感激雨霰状態の祝福を受け豪勢な料理を振る舞われ国王様からあーんをさせてもらい食事をする。
「どうじゃフィル美味いか?」
「美味いぞ、レイラに食べさせてもらった方がもっと美味しくなるかな?」
「それもそうじゃな!」
「ふふ、お上手ね♡」
レイラにあーんさせてもらい食べ物が口に運ばれる際に大きな胸部が腕にミニュッと当たる。
「国王様! 大変です魔王が復活したとの情報が!!」
「何じゃと! フィル早速魔王を倒して来てはくれぬか!?」
「もう殺ったよ、ほら魔王の心臓と首だろこれ?」
魔王が復活する情報を予め知っていた俺は復活した瞬間に即死技をかけて速攻で返り討ちにし倒していた証拠として首と心臓を持ち歩いていた。
「流石フィル様♡ 仕事が早いわ♡」
「だろ?」
「フィル! 此処に居たのね冒険者ギルドから追い出されたって聴いて心配したわよ!!」
そこへ幼馴染みでパーティーメンバーの魔法使いルネ・クルスが入室してくる。
「どうして此処に?」
「どうしても何もあの馬鹿アスベルがフィルを追放したって言うから慌ててダンジョンアタックを抜け出して探しに来たんじゃない!」
「そっか、それでパーティーはどうするんだ?」
「あんなパーティー居れる訳無いでしょ! アスベルは毎日の様にあたしの身体を舐め回すように見てくるし気持ち悪いったら無いわ!」
「なら俺とパーティー組むか? さっきもレイラと冒険者パーティーを組む話ししてたしさ。」
「勿論、宜しくねレイラさん。」
「こちらこそ宜しくお願いしますわルネさん。」
一方ダンジョンアタック中の人狼の牙はキマイラに苦戦していた。
「クソ、何でだ!? フィルが居た時にはあっさり倒せてた雑魚モンスターに何でこんな苦戦するんだ!?」
「り、リーダー逃げましょうよ! 1000万人居た部下達も半分以下どころか数十人まで減らされてますよ!!」
「チッ、どいつもこいつも……倒せないモンスターじゃねーんだてめーら一斉にかかれ! 俺様が戻って来る頃には倒してるんだぞ?」
「リーダーどこへ?」
「決まってんだろ、俺様はギルド長だぞ? もしもの事があれば一大事だ。」
「に、逃げるのですか!!」
「当然だ、足止め怠るんじゃねーぞ?」
「そんな!?」
アスベルは部下をダンジョンに残し自分だけ助かり冒険者ギルドのギルド長の椅子に腰掛けるとそこへ国の兵士が一枚の羊皮紙を広げアスベルへ見せる。
「あ? 何だそれは?」
「本日を以ってアスベル・ガイナックス貴様をギルド長の座から降ろさせてもらう!」
「なっ! 何だと!? 何が問題なんだ!?」
(おかしい、まだ横領がバレた訳でも無いのに何故冒険者ギルドの座から降ろされなければならないんだ?)
「貴様次期冒険者ギルドマスターであられるフィル様をギルドから追放したな? よって斬首刑と処す!!」
「何言ってる! そんな意味不明な理由で処されてたまるか!!」
「何を! 眩しい!!」
アスベルは閃光弾を投げて兵士の目眩ましに成功するとその場から離れ有りっ丈の金を持ち去り指名手配される。
(クソ、何故俺様がこんな目に遭わなきゃならないんだ全部フィルのせいに決まってる! 息の根が有る内に見かけたら殺してやる!!)
その頃、俺はクロセット城の大浴場にてレイラとルネの二人と混浴していた。
「フィル様は美少女二人に囲まれて幸せですか?」
「そうだな、もっとくっ付いてくれるともっと幸せかな?」
「もうフィルのエッチ、これで良い? ぎゅう♡」
二人の胸部が左右から当たり押しくら饅頭みたいになり、逆上せそうになり風呂から上がると三人で一つの部屋に泊まり俺の下にはレイラ上にはルネが乗った状態で睡眠を摂る。
翌朝寝相のせいか体制が崩れたのかレイラとルネと俺の服がベッドの下に落ちており昼ドラでよく見るあのシーンみたいになっていた。
「二人共可愛い顔で寝息立ててるな。」
俺はレイラとルネを抱き寄せ二度寝する事にした。
星