閑話5.夢の中で
「オババ様!瑶子に危機が迫ってるですって!?」
オババ様の占いで瑶子の危機が判明した。こちらから助けに行けないのがもどかしい。
「そうじゃ、何とかせねばな。」
「つい先日危機から脱せたばかりなのに…。」
「気落ちしても仕方がない。そういう定めなのじゃろう。」
「分かっていたつもりですが、あまりに理不尽過ぎます!何故あの子がそんな目に合わないといけないのでしょうか?」
本当に何故あの子なんだ。何事も無い幸せな人生を歩ませてあげたかった。力の及ばない自分が恨めしい。
「気持ちは分かるが、言うていても仕方ないじゃろう。今日も玉藻に力は送るのか?」
「もちろんです。玉藻ももうすぐ復活出来るかも知れません。」
「では、儂も一緒に行こう。玉藻を通じて、瑶子へと託宣を届けられるかもしれん。」
「本当ですか!?是非、お願いします!」
…
「では、力を注ぎます。」
一つの岩にに手を置き、感謝と愛情を霊気に込め、流し込む。
オババ様も同じように手を置き、念じながら霊気を流し込む。
視界に映る景色がガラリと変わった。
黒、青、緑、白、色が一定せず揺らめいている空間がそこにはあった。
「オババ様ここは…?」
「瑶子の夢の中じゃ。」
玉藻もそこに立っていた。私達には気付かない。
「玉藻…。」
姿が見えるだけで涙が込み上げてきた。
しゃらん
しゃららん
鈴の音が聞こえてきた。
瑶子の様な影が朧気に映りだした。
しゃらん
しゃららん
瑶子の姿がはっきりしてきた。
目をパチクリとしている。
瑶子…。
久し振りに見た姿に涙が止めどなく溢れてくる。
「瑶子。瑶子よ。」
オババ様が語りかける。
「目を開けるのじゃ。」
瑶子が目を開けた。
目をパチクリさせ、キョロキョロしている。
「瑶子。聞くのじゃ。」
瑶子が首を傾げている。
「危機が迫っておる。備えよ。」
吃驚している。表情がコロコロ変わる。
瑶子だ。
「一心に願うのじゃ。さすれば道は開けよう。」
空間が明るくなってきた。
この夢が終わってしまうのかもしれない。
瑶子が焦った顔をしている。
玉藻がトトトと瑶子の所へと走っていく。
ふわりと抱きしめ、
優しく優しく撫でている。
瑶子の涙が溢れてくる。
「ずっとずっとあなたを愛しているわ。私の愛しい子。」
玉藻も泣いている。
「本当は離したくない。ずっと一緒にいたかったっ!」
私も涙が止まらない。
「瑶子っ!」
絶対に絶対に、また会わせてやる。
「玉藻!瑶子!二人を愛している!!必ず!必ず!!」
………




