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24.子鬼出現。


目が覚めた。

体を起こす。

ボーッとする。


『今日は元気が無いのじゃの?疲れておるのか?』

クロちゃんが心配そうに顔を覗き込んだ。


「そういう訳では無いんだけど、夢を見て…。」

珍しく夢の内容を全て覚えている。


『夢?どんな夢じゃ?』


「オババ様とお父さんとお母さんが出てきたの。それから、オババ様が私に危機が迫ってるって言って、お母さんが抱きしめてくれたの。」


クロちゃんが顎に手を当て、考え込む。


『恐らく其れは唯の夢では無いのじゃ。託宣の様なものであろう。静には吾の加護が付いておるからの。』


「オババ様が伝えてくれて、お母さんも夢じゃなくて本物?」


『いや、夢ではある。夢ではあるが意識だけ飛ばしたのじゃろう。』


「じゃあ、とりあえずお母さんは生きてて、意識を飛ばしてくれたんだね!」


『そうじゃの。瑶子は玉藻の事が聞きたいかの…?』

クロちゃんが難しい顔をしている。


「んー。聞きたいと言えば聞きたいけど、聞かない。」


『何故じゃ?』


「お父さんも、クロちゃん私の事を考えてくれて話したく無いんじゃないかなって思って。お父さん嘘付くの下手なのに嘘まで付いてるんだよ?それにお母さんにはいつか会える気がするの。その時に色々とお話しするよ!」


『瑶子は凄いのう…。』


ふわりと抱きしめられ、頭を撫でられる。


「えへへ。夢の中のお母さんと一緒だ。」


『そうかの。』


しばらくはそのままで。



「隣村までどれ位掛かるの?」


「五里はあるから普通に歩けば半日位だな。」


「往復で1日か…。急ぐとどれ位?」


「そうだな…。俺と村長の足なら往復で1時間位だな。」


一里が4kmくらいだから…。

時速40kmくらい。すっごく速いな。


「念のため八咫烏(ヤタっち)連れて行ってほしいんだけどいいかな?」


「全然構わんが、何かあるのか?」


「危機が訪れるっていうお告げがあったんだよ。どういう危機か分からないけど、村で何かあったら八咫烏(ヤタっち)経由で報せるから、急いで戻ってきてほしい。本当はコウちゃん達が村にいると安心なんだけど、隣村全滅の理由が分からないのも困るだろうし…。」


「お告げかー。だから珍しく二人が真面目な顔してたんだな。しかし、隣に神様がいるのにお告げが降りて来るんだな。」

コウちゃんがおかしそうに笑っている。信じてはくれているみたいだから、問題はなさそうだ。


『吾ではないが、実質吾のお告げの様なものじゃ。加護を与えた巫女経由なのじゃ。』

クロちゃんの信者が1人多い謎が解けた。信者番号1番はオババ様だ!


「何かあったら全力で帰ってきてやるから安心しとけ。」

ぽんぽんと頭を触られる。


やだイケメン。

それはイケメンがやらないとセクハラよ。

このイケメンめが。


「ありがとうございます。よろしくお願いします。」


『村に何かあった時は村人同士はどうやって危機を知るのじゃ?』


「村の出口各所と広場に鐘がある。夕方前に鳴ってたやつだ。緊急時はそれを全力で鳴らす。どこの村でも似たような危機管理をしてるな。」


『では、吾等が危機になるか、それが鳴るかすれば報せれば良いな。合図だけ決めて置けば良いじゃろう。』


「じゃあ、その時は八咫烏(ヤタっち)を八の字に飛ばすね。今日は遠くてもちゃんと思った通り動いてくれるか試してみるよ。」


『取り敢えず隣村の方向に五里程飛ばしてみれば、良いのでは無いかの?』


「クロちゃん流石!それがいいね。」


「視界も共有出来たら、俺らが確認に行かなくても良いんだかな…。」


「そうだねー。感覚は何となく分かるのにねー。」

鳥の視点とか楽しそうだな。


『もう少し近ければ、吾の権能で視れるのにのう…。』


「あ、平田さん発見。」

平田さんは村の出口付近に立っていた。今日はウロウロも座り込んでもいない。


平田 六郎

年齢:30歳位?

魂力:2

種族:人間

職業:隣村の村人

状態:不良


「大分状態が良くなってるかも。ちょっと話し掛けてくるねー。」

平田さんに近付いていく、呟いてはいないが、やはり少し俯いている。


「平田さん。こんにちは。」


「うう。う。」


微妙に反応してくれているような気がする。


「少し落ち着いてきました?」


「あ、う。」

平田さんは少し顔を上げた。初めて目が合った様な気がする。


「村の外、毎日廻ってますけど、豆鬼しかいないから大丈夫だと思いますよ。」


「あ、あ、あ。逃げた方が良い、ここから逃げた方がいい。危ない危ない、ああああああぁぁぁぁ。」


いつもの怖がっているだけとは違い、私に注意を促してくれたように感じる。


「オババ様のお告げと何か関係があるのかな?」


『断定は出来ぬがそうかも知れぬのう。戻る時に村長に伝えた方が良いの。』


「今日会いに行く予定だから、伝えておいても良いぞ。それとも一緒に来るか?」


『そうじゃの。念の為一緒に行くのじゃ。』


「おう。じゃあ、一緒に行くか。」


「今日は八咫烏(ヤタっち)が危険を報せられるか、確認出来次第切り上げよっか。ついでに桃太郎(ももちゃん)達も自由に動いてもらったらどうなるかも試してみるよ。」

何が危機への備えになるのかを考える。準備出来る事は他に無いだろうか?


『後はそうじゃのう…。少しでも強くなっておくことかの。』


「確かに!じゃあ、帰るのは強くなり次第がいいね。とりあえず急いで豆鬼倒そう!」

桃太郎(ももちゃん)服部半蔵(ハットリくん)八咫烏(ヤタっち)出て来て。急急如律令きゅうきゅうにょりつりょう


まだ、何も命令していないため、その場で留まっている。

心の中で念じてみる。


(その場でクルクル回って。)


すぐに八咫烏(ヤタっち)がクルクル回り出す。

数秒後に桃太郎(ももちゃん)服部半蔵(ハットリくん)がクルクル回る。

ズレはあるが、皆考えている事が伝わる様だ。


桃太郎(ももちゃん)服部半蔵(ハットリくん)は自由に豆鬼を倒して、夕方頃戻ってきて。八咫烏(ヤタっち)は…。あ、コウちゃん、隣村の方角ってどっち?」

一足先に桃太郎(ももちゃん)服部半蔵(ハットリくん)が走って行った。


「北東だ。」


「北東に五里飛んで行って、着いたら報せて。」


バッ

八咫烏(ヤタっち)が飛び去った。


八咫烏(ヤタっち)はそんなに変わらなかったけど、桃太郎(ももちゃん)達は声での命令の方が反応が早かったな。


『式神よ、前方に潜んでいる豆鬼を穿て。急急如律令きゅうきゅうにょりつりょう


ザシュ



20分程したら八咫烏(ヤタっち)が五里先に着いた様だ。

(八の字に飛んで。)

うん。大丈夫な様だ。


(戻ってきて。何か異常があったら教えて。)



何事もなく八咫烏(ヤタっち)は戻ってきた。

往復で40分だから、時速60㎞くらいで飛べるようだ。


八咫烏(ヤタっち)は引き続き、異常が無いか周辺を飛んで確認してて。」

再び飛び立った。


……


しばらく倒し続けると、魂力が上がった。


黒乃

年齢:200万歳位?

魂力:6

種族:上位神

職業:神、巫女

状態:良

権能:占い、千里眼、(過去視)、(未来視)

能力:陰陽術、読心

加護:瑶子

信者:52人


土御門 瑶子 

年齢:30歳位?

魂力:6

種族:人間?

職業:巫女

状態:良

式神:桃太郎(上位式神)、服部半蔵(上位式神)、八咫烏(上位式神)

能力:看破の魔眼、護身術、式神

加護:黒乃、不動明王、(薬師如来)

信者:51人


村人の中では強い位までなった。多恵子さんとか三平太さん達は別格みたい。そのクラスの強さの人は村の中では珍しい。


「よし!強くなったし急いで帰ろっか!」

桃太郎(ももちゃん)服部半蔵(ハットリくん)八咫烏(ヤタっち)早いけど、戻ってきて。)


『うむ。戻るのじゃ。』


早足で帰る。

村の入り口の近くまで戻ってくると、見慣れない影が見えてきた。豆鬼みたいに小さくない。身長は女性くらい、横はボディビルダーのようにゴツイ。色は緑色。豆鬼より少し濃い緑色である。

あれは…?


「あれは子鬼だな…。」


子鬼

年齢:?

魂力:6

種族:下位鬼


『茂みに隠れてもう一体おるのじゃ。気を付けよ!』


茂みからももう一体少し小さめの子鬼が躍り出てきた。


「グルルルルルゥ。コロ……ス。」

人語に近い言葉を少し喋っている。


子鬼

年齢:?

魂力:4

種族:下位鬼


「攻撃を受けそうになったら、すぐ倒してやるから、どれ位のものか試してみると良い。」


「分かった!式神よ、子鬼を足止めせよ!急急如律令きゅうきゅうにょりつりょう八咫烏(ヤタっち)子鬼の死角から攻撃して!」


まだ、桃太郎(ももちゃん)達は戻ってきていない。

桃太郎(ももちゃん)服部半蔵(ハットリくん)、戻り次第子鬼を攻撃して。)


『式神よ、足を切り裂け!急急如律令きゅうきゅうにょりつりょう。』


私の式神が子鬼達の足に絡まり付き、クロちゃんの式神がその上を切り裂いて行く。


ザシュザシュザシュッ


ダメージは与えているが、瞬殺とは行かない。

体の大きな個体が拘束を引き千切って走ってくる。

子鬼は棍棒を持っている。振り上げながら走っているため、速度はそこまで速くない。


「コロ…ス。コロ………す。」


殺意しか感じないのを怖く感じる。

初めて猪狩りをさせられた時を思い出す。


深呼吸をする。

「すーはー。すーはー。」

よし、大丈夫。


「クロちゃん援護お願い。」


『分かったのじゃ。式神よ、子鬼の足に絡まれ!急急如律令きゅうきゅうにょりつりょう。』


走ってきた子鬼は動きを阻害され困惑している。


「ありがと!」


その隙を逃さず、白檀の棒を振りかぶる。右から殴る、左から殴る、下から突き上げ、上から殴る。最後に胸を全力で突いた。

一体目の子鬼は消えていき、豆鬼より大きめな石がコロリと落ちた。

小さめの子鬼はまだ拘束が解けていない、急いで近付き同じように連撃を決めた。

子鬼は消え去り、同じように石を落とした。

石はコウちゃんが拾い、クロちゃんに渡していた。


「倒せたー!良かったー!豆鬼と比べて大きすぎだよー。」


「ついこの間まで、豆鬼に殺されかけてた奴らとは思えねーな。」


『豆鬼以外も出て来たのじゃ。やはり警戒をせねばならぬな。』


「村長の所に急いで行こう!」


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