35/44
23.夢の中で。
しゃらん
しゃららん
鈴の音が聞こえる。
しゃらん
しゃららん
何だか懐かしい。
「瑶子。瑶子よ。」
ん
誰?
「目を開けるのじゃ。」
目を開ける?
あー。寝てたんだった。今は夢の中?
ゆっくりと目を開ける。
どこか良く分からない空間にいた。
黒、青、緑、白、色が一定せず揺らめいている。
オババ様?
お父さんも
お母さん!
今までどこに行ってたの!?
あれ?
声が出ない
聞きたいのに
話したいのに
「瑶子。聞くのじゃ。」
何?
「危機が迫っておる。備えよ。」
危機?
何が起きるの?
「一心に願うのじゃ。さすれば道は開けよう。」
分からないよ
空間が明るくなってきた。
覚醒の気配を感じる。
いやだ
まだお母さんとも話せていない
お母さんが目の前にやって来た。
ふわりと抱きしめ、
優しく優しく頭を撫でる。
お母さん…
夢なのに涙があふれてくる。
「ずっとずっとあなたを愛しているわ。私の愛しい子。」
ぽたっぽたっ
お母さんからも涙があふれている。
「本当は離したくない。ずっと一緒にいたかったっ!」
ぎゅっ
抱きしめる力が強くなる。
お母さん
ずっと言いたかった
私も一緒にいたかった
大好きだよ
ありがとう
「瑶子っ!」
この気持ちだけでもお母さんに届けばいいな




