14.豆鬼再戦。
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是非に
とうとうこの日がやって来た。
宿敵豆鬼と戦う日。
はい。再び見て下さい。先生の登場です。
渡辺 綱太郎
年齢:20代前半
魂力:35
種族:人間
職業:武士?
頼もしすぎる助っ人。負ける気がしません。
ピンチになるまでは手は出さないそうですが、安全が確保されていると気が大きくなります。
「豆鬼なぞ、何匹かかってきても同じよ。ふっ。」
『瑶子よ。阿呆な事やっておらずに行くのじゃ。二匹以上で来られたら、勝てぬのですぐ綱太郎に代わってもらうのじゃ。』
「そうだよね。言ってみただけ。」
「あんたら本当にいつも楽しそうだな。」
「コウちゃん何事も楽しまなきゃ損よ。人生楽しい事より辛い事の方が多いんだから。」
「うお。何だか闇が深そうだな。」
コウちゃんが私のハイライトの失った目を見て狼狽えている。
「クロちゃん、今更だけどさ。今って夏だよね?」
『夏じゃな。』
「こっちに来るまで、秋だったんだ。ここが夏なのは理解してきたんだけど、どうして森全体が緑じゃなくて、真っ赤や黄色に紅葉してるの?綺麗だけど違和感がすごい。」
『吾にも分からぬが、そんなものじゃと思った方がいいじゃろうな。赤、黄以外にも青や紫の森すらあるのじゃ。のう、綱太郎よ。』
「ああ。俺の感覚では森はカラフルなのが当然だぞ。やっぱり瑶子は箱入りなんだな。」
「ん~。そうでもないんだけどなー。そういえばコウちゃん刀と槍を持ってるけど、どう使うの?二刀流?」
「これは刀じゃなくて、太刀な。太刀は接近戦で、槍は短槍だから投擲で使っている。本当は長槍を使いたいんだが、旅には邪魔だからな。」
刀と太刀はどう違うんだろう?まあ、そんなに興味はないからいいか。何となく覚えておこう。
男の子は刀とか好きだよね。いくつになっても少年だ。
「どうして俺を生暖かい目で見ているんだ。」
『気にしなくて良いぞ。仕様もない事を考えているだけじゃ。』
「ちょっと槍を借りても良い?武士の魂だから人には貸せないとかある?」
「武士の魂だったら、投げんだろう…。別に今回は使わんだろうから良いが。使えるのか?生兵法は大怪我のもとだぞ。」
注意をしながら背中から槍を取り、手渡してくれる。
「大丈夫だと思う。お父さんに護身術で使い方を教えてもらってるから。」
「護身術?槍を使う護身術は聞いた事がないな。」
久しぶりだからウォーミングアップも兼ねて、振り回してみる。
うん。大丈夫そう。鈍ってはいなさそう。
「えらい堂に入ってるな。それだけで豆鬼くらい余裕で倒せるんじゃねーか?」
「ふふふ。備え有れば憂い無しだね。」
村の出口まで近づいて来た。
挙動不審な男の人が出口付近でウロウロしている。
平田 六郎
年齢:30歳位?
魂力:2
種族:人間
職業:隣村の村人
そうそう平田さん。何してるんだろう?
やっぱり勘(?)は嫌な感じがする。
平田さんの方を見ないようにしながら、横を通り過ぎた。
「鬼が来る鬼が来る鬼が来る死にたくない死にたくない死にたくないどうしてどうしてどうしてどうしてどうして嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
こわっ。
めちゃ怖い。
経験した事を考えるとノイローゼになっていてもおかしくはないとは思う。でもやっぱりあれは怖い。
離れてチラリと平田さんの方を見てみる。
ずっと呟き続けているみたいだ。
「あれは怖いね。」
『そうじゃな。近寄り難いものがあるの。』
「昨日もあんな感じだったみたいだぜ。村長もまともな聞き取りが出来なかったらしい。死にたくない、いつ隣村に行ってくれるのか、鬼が来るっていうのを何度も言ってたそうだ。」
「鬼が来るのが怖くて、村の出口を見張ってるのかな?」
『そうかも知れぬのう。恐怖で一杯で心も読めぬのじゃ。』
「あれだけ弱けりゃ見張ってても何も出来ねーだろうがな。」
「見ただけで強さが分かるの?」
「まあ大体はなー。動きとか纏ってる空気とかで分かるんだよ。あれは3歳児並だな。」
あ、当たってる。すごい。
「私達はどう?」
「あんたらは…。良く分からん、というかチグハグな印象だ。纏ってる空気はどう見ても弱い。だが、陰陽術は操れるわ、一流の槍術使いの動きをするわ、普通なら有り得ん。」
「クロちゃん私一流だって。」
ドヤァ
『調子に乗っていると躓くから、気を付けるのじゃぞ。』
止めて、フラグを立てないで。
『早速来たみたいじゃぞ。少し先の茂みにいるのじゃ。』
え!?もう?
ベチャッ
驚いてこけてしまった。
「どうしてそこで転けられるんだ?段差無いぞ。」
豆鬼が来る前にフラグを回収してしまった。結果オーライだ。
「段差が無い所でもこけることってあるよね?」
『そうじゃの。』
「いや、ねーよ。」
少し離れた所で豆鬼が転び出てきた。
「グギャぎぎゃぐぎゃぎgrrrr」
豆鬼
年齢:?
魂力:1
種族:下位鬼
相変わらず気持ち悪い叫び声を上げている。
前回と違って気持ちには余裕がある。こけたけど。
助っ人がいる、陰陽術がある、武器がある、練習もした。
負けるはずがない。
桃太郎と服部半蔵を召喚する。
「ももちゃん、ハットリくん豆鬼を倒して。急急如律令」
二体を投げると見事な着地。
よし!見事な戦いをお見せしよう。
「ガギャグラグルぐががるrrrry」
更に離れた茂みからもう一体の豆鬼が転び出てきた。
「助っ人お願いします!一体すぐに倒して下さい。イヤーー。」
後ろを見るとクロちゃんもこけている。
「だからどうしてそこで転けられるんだ?」
後ろで待機していた助っ人が動きだす。
「よっと。」
一瞬で手前の豆鬼まで跳び、蹴りを入れる。豆鬼は宙に浮き、木へとぶつかり消えていった。
『気を取り直して、行くぞ。』
転けたことなど無かったかのように澄まし顔をしている。ブーメランになってしまうから、触れずにいよう。
「うん。任せて!ももちゃん、ハットリくんお願い!」
同じく澄まし顔で返す。
桃太郎と服部半蔵が豆鬼に襲いかかる。
『式神よ豆鬼を穿て!急急如律令』
形代を投げながら唱える。豆鬼へと式神が飛んで行き、突き刺さっていく。
「式神達豆鬼の足に巻き付いて!急急如律令」
式神がにょろにょろと蛇のように豆鬼の元に忍び寄る。
桃太郎と服部半蔵が翻弄し、クロちゃんの式神が豆鬼を突き刺す。
あっさりと豆鬼は捕まり、後はただひたすらボコボコにされていく。
「何だかえげつねーな。」
「ふふふふふ。勝てば良いのだよ、勝てば。名付けて遠くから安全にフルボッコ作戦だよ!」
「そのまんまだな。」
そうこう言っている内に、豆鬼を倒したようだ。
「やったー!初勝利ー!いえーい!」
『やったのじゃ!』
クロちゃんと二人で両手万歳し、ハイタッチする。
黒乃
年齢:200万歳位?
魂力:1
種族:上位神
職業:神
権能:占い、千里眼、(過去視)、(未来視)
能力:陰陽術、読心
加護:瑶子
土御門 瑶子
年齢:30歳位?
魂力:1
種族:人間?
職業:巫女
式神:桃太郎(上位式神)、服部半蔵(上位式神)
能力:看破の魔眼、護身術、式神
加護:黒乃、不動明王
ふむ。一体倒すだけだと変化はないか。やっぱり年齢には物申したい。私はまだ29歳だ。
「あんたらやっぱり面白いな。何だかほっこりした気分になるぞ。」
コウちゃんが暖かい目で見てくる。
「言っておきますが、コウちゃんが一番年下なんだからね。私達の方がお姉さんなんです。」
笑っている。
「どう見ても二人の方が年下だろう?俺は今年で22になるぞ。」
「ほらやっぱり私達の方がお姉さん。」
「え?いくつなんだ?」
「女性に年を聞くなんてマナー違反よ。でも、仕方ないので教えてあげましょう。私は29歳よ。」
びっくりした顔をしている。
『吾は二百万歳超えじゃ。正確には分からぬ。』
「は?」
フリーズした。
「流石にそれは嘘だよな。大人を揶揄うもんじゃないぞ。」
再起動した。
嘘だと思ったようだ。
『嘘ではないぞ。瑶子は中つ国、別の世界から来ておるし、吾は八百年程前に中つ国より渡って来た太古の神じゃ。綱太郎よ、其方の先祖も此の眼で見ておるよ。』
「俺のご先祖様を直接見ている…?俄には信じがたいが、興味深いな。知っている事を話してみてくれ。それで信じるか判断しよう。」
『ふふふ。其方の一族に伝わっている話より詳しく知っておるからな。取り敢えず触りの部分だけ話すとするか。』
昨日、「信用出来そうだし、全部話してみようぜ。何とか仲間に引き込もうぜ。」って話にはなったけど、クロちゃんはコウちゃんのご先祖様のことまで知ってるんだね。
流石黒乃神様だ。
『偉大な先祖の名前は渡辺綱。武蔵国當光寺で生まれ、源頼光に仕える。頼光四天王の筆頭として様々な活躍し、其の中でも特に注目すべきは、仲間と共に大江山の酒呑童子と其の一味を退治したことじゃな。一条戻り橋では茨木童子を単独での撃退もしておったの。彼奴はあまりにも強かったのじゃ。』
コウちゃんの顔が徐々に真剣なものになり、最後には驚きのあまり目を見開いている。
「それは本当の話なのか……?」
『嘘を付いて如何するのじゃ?吾等に何の得も無かろう?』
仲間に引き込もうぜ作戦があるから、お得狙いだけど、口を挟まない。お口にチャック。
本当の事だろうから、きっとセーフだ。
「そうか…。ご先祖様は無事酒呑童子を討ち果たせていたのか…。」
私には何がコウちゃんの琴線に触れたのか分からないが、深く感動しているように見える。
「黒乃から見て、俺とご先祖様とどちらが強く見える?」
『其方も相当強いが、全く話にならんのじゃ。蟻と象位の差はあるの。彼は化け物中の化け物。太刀のみで神すら殺し得るのじゃ。』
「そうか。そうか…。そうだよな!」
何が嬉しいのか分からないが、凄く嬉しそうだ。
『まだまだ面白い話はあるが、豆鬼退治に戻るかの。また話をしてやるのじゃ。』
「おう!楽しみにしてるぜ!」
そんな事を話していると豆鬼が3体同時に転び出てきた。
「助っ人出番です!2体お願いします!」
「了解。」
一瞬で豆鬼の所に跳び、蹴り一発で2体が消え去った。
この人が蟻でご先祖様が象?
ご先祖様ヤバ過ぎるな。私達なんてミジンコ以下?
ミジンコ瑶子は爆誕させたくない。
その後も順調に豆鬼を退治し、合計10体を倒した所で魂力が2になった。
黒乃
年齢:200万歳位?
魂力:2
種族:上位神
職業:神
権能:占い、千里眼、(過去視)、(未来視)
能力:陰陽術、読心
加護:瑶子
土御門 瑶子
年齢:30歳位?
魂力:2
種族:人間?
職業:巫女
能力:看破の魔眼、護身術、式神
加護:黒乃、不動明王
3歳児の強さに追い付いたとさ。
☆☆☆☆☆※※※※※※※※※☆☆☆☆☆
ストーリー外メモ
ストーリー内で綱太郎は太刀ではなく刀であると言っていますが、太刀も日本刀なので、刀と言えば刀です。刀と言うと打刀を指すことが多いので、綱太郎の話しているような表現になります。
打刀と太刀の違いですが、持ち歩く時の向きや展示の向きが特に違います。拵え等も違うようですが、混じっていて、その点に関しては正確な違いは無いのかもしれません。
打刀は刃が上に向くように腰に指します。抜刀する際は刃が上や斜め上になる訳ですね。展示をする際にも刃を上にして飾ります。新選組が使っている日本刀はコレですね。
太刀は打刀よりも長く、刃が下に向くように腰に佩きます。抜刀する際は刃が下から抜く訳ですね。展示の際も刃が下にして展示をします。
源平合戦の時代劇などを見るとちゃんと下を向いてます。
美術館等で見る時に見比べると非常に面白いですね。




