第5話 ワタシ!見つける!アガシ!!
スシローに案内されて、私は廃墟となったチマチョゴリを奥へ進んだ。
かつては華やかな街並みであったであろうかな廃墟に、寂しくそびえ立つ水の流れなくなった噴水台を横目に、バラの咲いていない華のアーチをくぐり抜ける。
その先に、二体のガーゴイルに見守られる城と、大きな門。
まわりの廃墟とは対照的に、非常に手入れされ鮮やかな赤と、金細工で彩られたその門は華やかさとは裏腹に不気味ささえ醸し出していた。
スシローが門を開く。軋むような音も、錆びつくような様子もない。立派な門であるのだ。街は、廃墟同然であるのに。
門と同様、城の中もきちんと手入れされている。
赤い絨毯がのび、その先に、すこしの階段と、玉座の間。
すこしパーマがかった、ロングヘアーの少女が、堂々たる佇まいで座っている。
「グレース様。この街へ迷い込んだ者を連れてまいりました」
「うん」
スシローが傅き、少女に私を見せる。どうやら、この少女が彼らの主君であるようだ。
「苦しゅうない。迷い人よ、私がこのチマチョゴリを治める、グレース・ライトゴールドである」
彼女、グレースが自分の名前を私に告げる。
「グレース殿、わざわざ君主たる貴女からご挨拶賜り光栄であります。
私の名前は、イクソンガンと申す者。しがない、商人でございます」
実家は、キムチ屋。商人と名乗っても問題はあるまい。
「ソンガンよ。商人たる貴殿が、その、ぜ、ぜん・・・おほん。そのような姿でこの街に迷い込むとは余程の困りごとがあったのであろう。まずはこの城にて鋭気を養うが良い。私は同志たる貴殿に協力は惜しまぬつもりだ」
なんと!なんとも寛大な少女であろうか!
このようなナリの私を疑うどころか、助けてくれるというのか!
「グレース様! ありがたきお言葉に感謝いたします!
このご恩は、忘れませ・・・ん?」
恩?グレース? 英語は得意だったが、確か、グレイスは恩? ライト、ゴールド・・・金??
!?
恩、ライト、金・・・!!?
もしや!?
はっと少女の顔編み上げる。
華麗な瞳、ほっそりとした輪郭に、はっきりとした鼻筋。
艶のあるパーマがかったロングヘアーの美少女である。
サイドヘアーはしっかり刈り上げている美少女だった。




