飽きるほど見た漫才とプロローグ②
ガラガラガラ
と教室のドアが開いて入ってきた3人の中の一人、成瀬美奈〈なるせみな〉が今、現在進行形で絡まれている神原春樹の所に、駆け寄ってくる。
この神原春樹にとって、とても困っている人物、成瀬美奈は、この学校で、美少女ランキング1位とも言われているぐらい美少女で、肩に掛かる位で少し茶髪の艶やかな髪を切り揃え、優しげがある垂れ目がちな目をしている。
その美少女な彼女が今、絡まれている彼の所に行くと、僕を抜いてクラスほとんどの男子から、もちろん蓮も含めて、神原春樹に殺気をとばす。
しかし、天然美少女、成瀬美奈は、気づいているのかわからないがそんな殺気、知らないとばかりに神原春樹に、話かける。
流石に、入ってきた3人の中の2人、成績優秀、イケメン顔の現副会長こと、久我勇輝〈くがゆうき〉と、髪を短く刈上げて、部活でラグビー部に入っており身長が確か190センチメートルを越えている。スポーツ男こと、櫻木陸〈さくらぎりく〉が止めに入っていく。すると、丁度、学校のチャイムが鳴り、担当の桐山一葉〈きりやまかずは〉が教室に入ってきて
「ほら、みんな、チャイムが鳴ったよ。席に座った、座った」
そう言うと、みんな自分の席に座っていく、そして、飽きるほど見てきたやり取りが終わり、授業が始まる。
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昼休憩になると、蓮が椅子を僕の席の方に向けて、僕の机の上に、弁当を置いて
「磔斗、お前は、朝の成瀬ちゃんを見てどうも思わないのか!?」
と、どうも思わないことを唐突に、更に、真顔で真剣な顔で聞いてくる。
「どうと、言われても困るが、答えるとしたらどうとも思わないな」
「な!俺の・・」
蓮が、続きを話そうとすると、教室にいる男子から殺気がとんでくる。
「お、俺たちの成瀬ちゃんをどうとも思わないだと!!」
「そんなこと、言われても、どうも言えないよ」
「そんなことって・・なんだ、お前は、あの碓氷零の方なのか?」
碓氷零〈うすいれい〉、美しい黒髪を腰まで伸ばしており、雑誌に載っているようなモデル体型をしで、美少女というよりは、美女という感じの人物である。そして、生徒会風紀員である。
「どっちでもないな、もし、どちらか片方に恋をして、それが僕に続くと思うか」
と、僕は、自分の弁当を鞄から出して食べながら言う。
「あ~なんだ、確かに、お前だと無理だな」
と蓮が、僕の唐揚げを勝手に奪いながら、納得した感じで言ってくる。
「そう言うことだ」
「そう言うことだったんだな、ってそれは、俺のハンバーグ」
「いや、お前さっき僕の唐揚げとっただろ、お愛想だお愛想、公平だフェアだ」
「全然、フェアじゃないぞ!そのハンバーグは、中にチーズが入っているだから、お前の唐揚げ、もう1つくれ!」
「な!それだと・・・」
飽きるほどやって来たことだが悪くないと思っていたことが、この日に、終わるなんて思いもしなかった。
ずっと無視していたが他の所では、成瀬美奈が神原春樹と話していて、いつものことのように、いろんな人と、漫才をしていた。




