恩返しにやってきたのは猫耳幼女!
朝、ふと思いついて書いた。
猫耳幼女とラブラブな話を書きたいと。
これからも思いつきで猫耳幼女と主人公のらぶらぶな話を、書いていくのでよろしくお願いします。
仕事の帰りに車に轢かれそうな猫を助けた。
「にゃあ」
猫は俺にお礼を言うように、一声鳴いて去っていく。
その後ろ姿を見て……ある姿を妄想をして「猫耳幼女萌える」と呟く。
俺の呟きに反応したのか、猫は振り返りもう一度鳴いた。
「に、にゃあ」
俺の気のせいじゃなければ。あの猫、困惑した鳴き声だったような?
そのあと猫は俺の事を一度も振り返る事もなく本当に去っていった。
「ただいま」
俺は家に帰ってくると、誰かが玄関先にバタバタとやってきた。
ピョコピョコ
「お帰りなさいにゃ」
サイズの合わないTシャツを着た猫耳幼女が俺を迎えた。俺は目元を押さえて「ついに俺も幻覚を見るようになったか」と呟かずにはいられない。家に帰ったら猫耳幼女が居たら、誰でも幻覚を疑うはずだ。
ここ最近の仕事のし過ぎかな?
「クロは幻覚じゃないにゃ。お兄ちゃんに恩返しをするために人間に化けたのにゃ。お兄ちゃんの望み通りの姿で喜んでくれたにゃ?」
猫耳をピコピコさせて、クロは俺の服をちょんちょんと引っ張った。
可愛い顔で褒めて褒めてと催促している。
「ありがと」と丁度いい位置に合ったクロの頭をワシャワシャ撫でながらお礼を言った。
俺の手に撫でられて、クロは嬉しそうにしている。
「にゃあ、にゃあ。もっと撫でるといいにゃ。お兄ちゃんの手は気持ち良いにゃあ♪」
その時ぐうとクロのお腹から音する。今まではしゃいでいたクロは恥ずかしそうに顔を赤く染めて俺を上目遣いでみた。
ぐう…ぐう…ぐう…とお腹の音が飯の催促をする。
「……」
「……」
「……」
「……かぷ」
クロは俺の親指をくわえて、何故かざらざらした舌でれろれろと舐め始める。正直…猫耳幼女に指を舐められるのは嬉しいが親指が削られそうで怖い…。それと何だかクロの舌が俺の親指に絡む度に、何か怠くなるけど……どうしたんだろ俺?
「あむあむ……お兄ちゃんの生気は美味しいにゃ♪もっと欲しいにゃあ」
なんとこの猫耳幼女は俺の生気を、食べていたみたいだ。それにしても凄く眠い。花畑が見える……。あそこに居るのは……。
「あむあむ…にゃあ?……にゃあ!?そっちに行っちゃ危ないにゃお兄ちゃん!」
「はっ……!すごく眠いし、疲れも酷い。これが生気を食べられると言う事なのか?」
「ごめんなさいにゃ……。クロは妖怪の猫だから、生き物の生気がご飯なんだにゃ。さっきはお兄ちゃんの生気が美味しすぎて、ついつい食べ過ぎてしまったにゃ」
クロは俺の手に柔らかい頬を擦りつけて、「ごめんだにゃあ、ゆるしてにゃあ~」っとにゃあにゃあ言いながら許して欲しそうにしている。クロの頭が揺れるたびに、腰まで伸びた艶々の黒髪が揺れる。
「まあ、良いよ。俺もまだこうして生きてるし……次からはこう言う事をする前に説明してほしいかな」
「お兄ちゃんありがとにゃあ!」
今度は俺の脚に抱き付いてクロは、嬉しそうに身体を擦りつけている。
「俺もお腹空いたから、そろそろ家に上がっても良いかな?」
「あっ、どうぞですにゃ!」
クロは俺の脚から離れたので、俺は靴を脱いで家に上がった。
それをクロは「人間は不思議にゃ、なんでそんなのを履いてるのにゃあ?」とか頭を傾げながら見ている。そのクロの頭をふと、つんつんと突くと「にゃあ?にゃあぁ~」と何故か目を細めて、ニコニコと笑顔になる。クロの頭を突いてばかりじゃ、お腹が膨れないので帰りに買ってきた弁当を居間のテーブルの上に広げる。
「くん…くん…。この中から美味しそうな匂いがするにゃ♪ごろにゃあ、お兄ちゃん……」
俺が居間の座布団の上に座ると、クロは俺が胡坐をかいたその上にちょこんと座って弁当を興味深そうに匂いを嗅いでいた。そのせいかクロは今度は、弁当を食べてみたそうに俺の顔色を窺う。
そのキラキラとした可愛らしい大きな瞳に見られると、嫌ですとは言えない……。
「しょうがないな……。少しだけだぞ」
「やったー!お兄ちゃんありがとにゃあ♪にゃ、にゃ」
クロは小さな背中を俺の胸にぐしぐしと擦りつけて、喜びを表しているみたい。
俺は割り箸を二つに割って、弁当の蓋を取り。まずはクロが食べやすいようにから揚げを箸で裂いて食べやすいサイズに整える。それを箸で一つ取ってクロの小さな口元に持っていく。
「にゃにゃ!ごろごろにゃあ♪あむっ、うまうまにゃあ」
クロはから揚げが気に入ったみたいで、俺の腕を小さな手で掴んで「もう一個欲しいにゃ~」とせがんできた。俺はまた細かくしたから揚げを一つ箸でつまんで、クロのお口に持っていく。
「美味しいにゃ美味しいにゃ♪お兄ちゃんと一緒に食べるご飯は美味しいにゃ♪あむ、あむ」
それからはクロが俺にせがんでは俺は箸でそれを掴んで口に運ぶの繰り返しだった……。俺はまだ弁当を口にしてないんだけど?
ぴこぴこ
それにしても、俺の目の前で可愛らしい猫耳が動いている……。猫耳幼女好きの俺としてはこれは触らずには居られないな。そう……猫耳幼女が目の前で、猫耳を動かしてたら誰だって触るに決まっている……!
さわさわ
「にゃふふ~♪お兄ちゃん、そこはくすぐったいにゃ~、でも触られてると頭の中がぽかぽかして不思議だにゃあ~。あむあむ」
これは……すごい!生猫耳だ!空腹とかマジで死ぬほど疲れてるとか……そんな事どうでも良い!この夢にまで見た生猫耳を触れるなんて、俺は、俺は!
「お兄ちゃん、はぁはぁしてどうしたにゃ?」
「夢が叶ったんだ……長年の夢が……ね」
俺はこのために生きてきたんだな……きっと。今この瞬間……夢が叶って、まさに天にも昇る気持ち良さ……。これが幸福ってヤツなんだろうか?
「お、お兄ちゃんの魂がまた抜け掛かってるにゃあ!?」
「やあ、またあったね。この花畑はいつも咲いているのかいお嬢さん?」
「それは霊界の案内人だから、ついていっちゃ駄目にゃあ!」
ジト目で俺の事を見つめる銀髪の清楚そうなお嬢さん。その冷たい視線に俺はぞくぞくして新たなる目覚めを感じさせる……。この先に興味を持って俺が奥の方へ進もうとするとお嬢さんは、俺のまえに立って進路を塞いできた。さらに俺のお腹をぐいぐい押して、一生懸命に押し返そうとしている。
「えっ?まだココから先はあなたを通さない?そんな事言わずに通してよ気になる」
「案内人頑張ってにゃ!お兄ちゃんをそこから先に通したら帰ってこれなくなるにゃあ」
クロの焦った声が聞こえるけど……何故か奥の方で誰かが呼んでいるような?
奥の方が気になっていると、俺のお腹を押していたお嬢さんが脚を振りかぶって……まさかそこに蹴りをいれるつもりじゃないよな……。や、やめろー!そこはまだ……あーーーっ!
ごんっ!
「はうっ!?」
銀髪のお嬢さんがニヤリと口元を歪ませて俺の急所を的確にクリーンヒットさせた所で、俺は現世に戻ってきたみたいだ……。清楚そうなのにああ見えて、結構なSだったんだなあのお嬢さん……。
目を開けると猫耳幼女のクロが腹の上で俺の服を掴んで、目を涙で濡らして俺の事を心配そうに見ていた。
「お、お兄ちゃん!?よ、良かったにゃあ……お兄ちゃん帰ってきてくれて良かったにゃ……うぐっ……ぐすっ……にゃあぁああああ!にゃああああ!」
「おうふっ!?」
クロは俺の頬に涙で濡れた頬を擦りつけて、嬉しそうににゃあにゃあ鳴いている。そうか……俺は何時の間にかまた死にかけていたんだな。こんなにも泣いて、クロにも落ち着いたら謝らないと。
それにしても……お腹空いた……またお花畑が。
や、やめろ!リスポーン地点に脚を振りかぶってまってるなんて卑怯だぞ!あーーーっ……。
「ぐすっ……お兄ちゃんがまた魂が抜けそうだから……今はこれくらいにしとくにゃ……。こんどはクロがお兄ちゃんにご飯を食べさせてあげるにゃあ♪」
「あ、ああ。俺も今とても動けそうにないし……お願いしてもいいか?」
「にゃおん♪お兄ちゃんのために頑張るにゃ!」
このあと顔と床がめちゃくちゃ白いご飯とおかずで大変な事になった……クロは頑張って箸で俺にご飯を食べさせようとしたけど。元は猫のクロにとって、箸は初めて使う道具。結果はぷるぷると震える箸で掴んだ白いご飯やおかずは落ちたり飛んだりして、まともに俺の口に入ったご飯は少なかった。
だが、俺は満足してる。
なぜなら……。
「ごめんにゃ……。こんなに汚して綺麗にするにゃ…ぺろぺろ」
クロが俺の顔についたご飯やおかずを舐め取ってくれているからだ。
舐める行為だけじゃ、生気を食べないので大丈夫とクロが言っていた。
「んっ……お兄ちゃんの顔を……ぺろぺろ……綺麗にしないとにゃ」
ざら…ざら…ざら…ざら
なんか顔が削れそうな感触がする……頬も少し痛いでも我慢だ俺!
そう思っているとクロは何時の間にか、舌を止めていて……幼い顔を恥ずかしそうに赤く染めて、お願いするみたいに手を合わせてこう言った。
「お兄ちゃん、今はまだ人間の身体に慣れてないけどにゃ。もっと、もーっと頑張ってお兄ちゃんの役にたてるように頑張るにゃあ!だからお兄ちゃんと一緒に居ても良いかにゃ?」
クロのその質問に俺は当然こう答える。
「うん、一緒に居ようクロ」
ここまで読んでくれてありがとうございます。