第五話 ありふれた日常
月面の宣戦布告から一ヶ月が過ぎた。
奴らは宣戦布告した瞬間から侵攻を開始。
一ヶ月だけで旧地獄、永遠亭、冥界、迷いの森、そして一番近い紅魔館まで前線を押し上げた。
一方の幻想郷は、組織的な抵抗が不可能なため、
大群で押し寄せてきた月面の部隊によって孤立、または占拠されており、
中、小程度の力を持った妖怪が、ゲリラ活動を行う程度しか抵抗ができなかった。
一方の博麗、アルファチームは紫の命令により、博麗神社で訓練を行うことしかできなかった。
しかし、五月二十五日九時に大きな動きがあった。
"Mankind must put an end to war, or war will put an end to mankind."
-JohnF.Kennedy
我々が戦争を終わらせなければ、戦争が我々を終わらせるだろう。――ジョン・F・ケネディ
「しっかし…霊夢は対大群は難しいか…」
俺はつぶやく、縁側に腰掛けて訓練の様子を見る。
「異変…幻想郷の勢力のバランスを保つ為に時々力を持つ者が奇怪な事件を起こす…」
紫にもらった資料を見ながら、また訓練の様子を見る。
「おい!敵の攻撃を見極めようとするな!別の敵に攻撃されるぞ!」
多数のセントリーガンを相手にしてやろうか?全く…
「まだ戦士としては未熟か…そう思うだろ…ゆっくりもな…」
そう言ってゆっくりを撫でる。
ゆっ、と言って気持ち良さそうにする。
ゆっくり可愛いわ、できればずっと撫でていたいが、そういう訳にもいかない。
紫から幻想郷を守ってくれと依頼されたが、命令により、指示があるまで作戦禁止された。
よって俺たちは訓練をし続けている。
最初、訓練を始めた頃は魔理沙はともかく、霊夢が完全な対一戦闘で大丈夫かと思ったが、今ではある程度戦闘に慣れてきたか。
□□
[2050:5.02:11:00幻想郷博麗神社最初のシーンから二週間前]
「さて…博麗神社は無防備だな、ちょっと防衛システムを設置しよう」
「なによそれ、言っとくけど変な物を置いたら容赦しないから」
「安心しろ、確実にヤバイ物だから」
健吾がなにか言うが安定のスルー
いつものカバンからある設置型自動射撃機関銃を取り出す。
「なんだそれ?六本の棒がくっついているぜ」
魔理沙に聞かれる。
「ふっふっふ…これは自動射撃システム搭載、セントリーガンだ!自動で敵を感知して自動で射撃する物だ、ちょっと見てみろ」
カバンから野戦用パソコンを取り出し、前にある木に撃つように操作する。
「前を開けてくれ、死ぬぞ」
全員が射線を空けたことを確認して、
スマホ型端末で始動の操作する。
キュィィィィィィィヴオオォォォォォォン!
轟音を立てて弾丸を吐き出す、
十秒も立たずに木は倒れてしまった、
幻想郷側ドン引き。
「うわぁ…なんだよその威力」
「一応聞くが…元の機銃は何だ」
健吾に聞かれる、そうだった、あっちじゃ基本的にM134だっけ。
「GAU-8アヴェンジャー」
マジか…とつぶやき、黙り込む。
「それで、それをどれぐらい置くわけ?」
霊夢に聞かれる。
「神社の回りに五十個ぐらい」
「…それって人間がくらったらどうなるんだ?」
「かすっただけで多分ミンチ」
「……………」
急に黙り込んでしまう、どうしたのだろうか。
ここで襖が開く音がして、振り向く。
そういえば、まだシャムが起きていなかったな、起きてきたか。
「やあ、シャム、よく眠れた…か…?」
「うん、お陰で目ぱっちりだよ」
「おお、そうか、なら顔を洗ってこい」
「うん、そうだね、そうするよ」
そういい、襖の奥に戻っていき、しばらくすると、叫び声が聞こえた。
「な…な…なんじゃこりゃぁ!」
シャムの身になにが起こった?
シャムの状態が…
髪の毛が黒から銀髪になった
全員の気が動転する、それは霊夢と魔理沙も同じ。
「な、なによあの子、地毛あんな色なの?」
「いや、違う、黒だ、あとあいつあぁ見えても俺たちと同じ年齢で男だからな、本人の前で言うなよ」
健吾はまだ冷静さを保っているらしい。
「一応聞くが…誰も染色剤なんて持ってないよな…」
「そんなの持ってないわよ!メリーもね?」
「うん、私達、迷い込んだ時は任務中だったから余計な物なんて持っていけないわ」
蓮子とメリーが反論する。
そりゃそうだ、俺たちは任務中だったんだ、持ち込める訳がない。
と、言ってる間にシャムが戻ってくる。
「何これどういうこと?急に髪の色が激変したんだけど?!」
「落ち着けシャム、まずはまずはこいつを使え」
そういい、カバンから脱色剤を取り出し投げつけた。
彼は納得したように部屋の中へ戻って行った。
だが、俺の予想では…
数分後
「やっぱり落ちない~」
「ダメか…もしかして地毛なのか?俺達が知らなかったのか?」
「とにかく、何の情報がないならそのままにするしかないわね…」
桜が言ったとおり、情報が無い、無理に動くと命に関わるかもしれない。
「と、いうことだシャム、しばらくそのままでいろ、戦争が終わったら黒の染色剤を買ってやる」
うぅ~、と言いながらしょぼくれる、仕方ないのだ。
「お前しかも目が赤くなってるじゃねーか」
「え!ちょっと桜ちゃん、鏡貸して!」
桜が無言で鏡を貸す。
目を見るなりワナワナと震えだす。
「………一体……僕の体はどうなってるの?!」
「安心しろ、皆能力を持っている時点で普通の人間じゃないから、だよな?霊夢?」
「ええ、"普通の人間"には能力は無いわ」
「皆人外なのさ、体に異変が起こったぐらいで騒ぐな」
そう言い放ち、また新しい機械を取り出す。
「ナチュラルに新しく出してるけどそれは何だぜ?」
「こいつは対空自動発射装置SAMターレットだ」
「どんな物だ?」
「空を飛んでいる敵ヘリや航空機を発見し、自動でミサイルを発射、追尾する」
「威力は?どうせあんたが改造したんだからヤバイ物だろな?」
健吾が聞いてきたので答える。
「撃てないがVIII号戦車マウスを木っ端微塵にできる」
再び健吾が黙り込む。
「これを何個置くんだ?」
「神社の境内に二十個くらい」
「大変だぜ霊夢!神社が要塞になっちまう!」
魔理沙が叫ぶ。
「一応、言っておくが、ここは幻想郷の最終防衛線だ、
ここを奪われたら幻想郷は終わりだ、
なんとしてもここは守らなくてはならない、
他が全滅しようとな…」
「「「「「「「………」」」」」」」
「こいつは戦争だ、
いつかはここも攻められる、
その時に勝てるかはその時までに起こなった訓練や、実戦、準備で決まる、その時までに訓練をやるぞ、誰であろうと、な」
「やるぞ」
ここからはダイジェストでお送りします
「まずは神社五週」
「これなら簡単だぜ」
「…を一分以内に」
「死んでしまいます」
「セントリーガンを避けろ」
「死んでしまいます」
「腹筋を百回」
「死んでしま(ry」
「戦術は時としていかなる非道も許される、状況に応じて考えろ」
「つまりぶっとばせばいいのね」
「…………」
「仲間の存在は重要だ、連携を取ることもできるし、自分が受ける弾を味方が受けてくれる」
「味方が倒れたら助けに行ってやれ」
「よし、今日の訓練はここまでにしよう、少し休め、明日もやるぞ」
「ハア……ハア……厳し過ぎるわ……何とかならない訳?」
「諦めな、ああなったらもう止まらない」
明日はどんなメニューにしようか迷っていた。
そういえば、まだ能力を確かめていなかったな、試してみるか。
【システム、ノルン通常モード起動】
と頭の中で念じる、すると。
【システム、通常モード起動します】
と頭の中で合成音声が聞こえた。
試しに戦闘モードを起動させる。
【システム、戦闘モード】
目の前の中心にクロスサイトが表れ、右下に持っている武器の残弾、
その上に自分のバイタルデータ、
左下に地図、
その上に味方のバイタルデータ、
左上に目標が表示された。
事前に意識で作ったものが完全に反映されている。
次にもう一つのシステムを起動する
【システム、スキャンモード】
すると、視界が薄い青色になり、右下に周辺のエネルギー残量が表示された。
このモードは、敵の情報を盗む為のものだ、
ただし、この状態だと、攻撃に関する物までスキャンにまわすので、攻撃する時、システムの恩恵が得られなくなってしまった。
もう一つ試してみる。
【システム、ナイトビジョンモード】
そのまま、暗視ゴーグルの映像が見られる。
他は戦闘モードと一緒だ。
【システム、サーマルモード】
サーマルビジョン…熱線映像装置の映像を見られる。
後はもういいかな。
元の通常モードに戻し、他の考え方をしていると突如、警告音が鳴る。
【警告、高速でこちらに向かってくる生命反応あり】
その時だった。
「大変大変大変大変霊夢~!」
二人の背中から羽のようなものが生えた少女が飛んで来た。
…コース的にこっちにくる?
【コース計測…直撃します、速度からして回避不能】
あ…終わった
ズガシャァァァァァァァン!
「シィィィィィィィン!」