第三十一話 初めに死を振り撒き、やがて死ぬ
Viewpoint change 真
紅魔館の屋上にパイプ椅子を置き、双眼鏡を使って”ハゲワシ“を探す。
隣は紫が日傘を持って立っている。
「紫、本当に召喚したのか?」
「本当よ、もうすぐ来る筈よ」
「おー来たきた」
双眼鏡の覗く先にはバランスを崩し回っている5機の輸送ヘリを確認した。
「なんで回ってるんだ?紫、あっちで何をした?」
「爆弾を爆発させただけよ?」
「ならいい」
立て直したのを確認し、カンプピストルを上空に構え、撃った。
新NATO同盟軍の共通信号、緑の着陸地点の指示を出す。
しばらく迷う様な動きを見せた後、すぐにこちらに向かってくる。
「よし、伝わったみたいだな、受け入れの用意をしてくれ」
屋上から飛び降り、中庭に三点着地した後、ライトスティックを召喚し、ヘリの到着を待つ。
そのうち一台がやってきて、中庭上空で待機する。
ライトスティックで着陸の指示を出す。
続く同様にあと二台のヘリも誘導する。
全てのヘリが着陸し終わった時、最初の一台から人が出てくる。
…………あのブーニーハット、どこかで見覚えが……あっ!
「ジョン!プライス少佐!」
「おぉ!真?!なんでここにいるんだ?!」
「こっちが聞きたいぞプライス!それより、タスクフォース140はどうなったんだ?」
俺は最後の戦闘の時、仲間一人と共にどこかへいって作戦をしていた。
その後はすぐに本国に戻るよう言われて結局タスクフォース140はどうなったか聞いていない。
「タスクフォース140は消えた、その代わりタスクフォース180が代わりにできた」
「ゴーストは?ローチは?ユーリは?」
「みんな生きてるさ、別のヘリに乗ってる……それよりも真、探してたんだぞ、こんなところにいたのか」
「すまない、さあ、中に入ってくれ、あったかい紅茶を用意してある、今ここはとんでもない問題にぶち当たってるんだ、協力して欲しい」
Missions briefing
約四ヶ月前、ここはフランを助ける為の作戦会議として使われていた食堂。
今ではタスクフォース180の各小隊長が集合している
第一小隊隊長 ジョン・プライス少佐
第二小隊隊長 ジョンソン・ソープ・マック中尉
第三小隊隊長 ゲイリー・ローチ・アンダーソン少尉
第四小隊隊長 ライアン・ゴースト准尉
第五小隊隊長 ライアン・フォーリー軍曹
第十五戦車班班長 スティッキー・マクナイト軍曹
第二飛行隊隊長 小林真一郎軍曹
AC-130機長 ジョン・ヘンリー中尉
輸送隊隊長 ニコラス中尉
彼らはみなRUJ同盟軍にて結成したエリート中のエリートがここに集まった。
「全員揃ってるな、それでは始める。
まず、昨日配った資料には目を通してくれただろう、我が幻想郷側は重要人物である博麗霊夢を攫われた、このまま放置すれば博麗の力を利用し、強力な兵器を作成する恐れがある。
これが奴らの基地だ、対空兵器に囲まれ、地上戦力も非常に豊富だ、そこでタスクフォース180の力を借りたい。
まず第二飛行隊が対空兵器を破壊する、後に輸送機で歩兵の投入、到着次第戦車による前進も開始する。
輸送機は戦車投下後帰還、同時に飛行隊も護衛として帰還、飛行隊は燃料、弾薬を補給し、AC-130を護衛。
AC-130は到着後、地上部隊の援護を、後の地上部隊は各自自由だ。
恐らく、この基地は月面の首都に繋がっていると思われる。
月面の様子は完全に分かっていない。向こうに着いたら各自奇襲に警戒せよ。
作戦開始は一週間後だ。
[2501:03.27:18:52 紅魔館]
「準備はできたか?」
手元にある銃のチャージングハンドルの動作をを確認する。
「ああ、大丈夫だ」
「こっちも大丈夫だぜ!」
「よし、行くぞ」
銃のグリップを持ち、肩に乗せて歩き始める。
正面玄関から現れたのはブルーイーグル隊ではあるが、霊夢の姿はない。
十何台も停めてあるヘリコプターの一つに向かう、
他のヘリコプターにはアメリカ人や日本人、ロシア人もいればイギリス人だっている。
皆ブルーイーグル隊を見ると敬礼する、一部を除いては。
「総員乗り込め!これよりFDFは博麗霊夢の救出と敵の首都への攻撃、及び敵重要拠点の破壊を開始する!一刻を争う、移動を開始せよ!」
同時にヘリが三機あがり、さらにその奥から大型輸送機が飛び立った。
Day of judgment
3月27日、19:25
白神真
ブルーイーグル分隊
幻想郷、南の端
【推奨BGM Rex Tremendae Megalith - Agnus Dei -】
《こちらディアボロ2、ライフル!(空対地ミサイル発射コール)》
近くにいる戦闘機が対地ミサイルを発射し、対空兵器を破壊する。
《対空兵器クリア、着陸可能、上空の制空権を確保する》
「行くぞ、我々の目標は管制室の占拠だ!」
ヘリからロープで降りて着陸地点の敵を排除する。
他の輸送ヘリからも大量の味方が降下する。
幻想郷側の味方はヘリに乗らずそのまま降下する。
《敵の戦車だ!対戦車戦闘用意!》
味方の一人がジャベリンを取り出し、ロックオンして発射した。
そのミサイルは一回上昇して敵の目標に向かって一気に降下する。
《司令部!戦車はまだか?!》
「上を見ろ!騎兵隊の到着だ!」
頭上を低空飛行で飛び去っていくC-130の後部ハッチから、M1エイブラムスが降下する。
滑走路に着陸した戦車はすぐに敵の戦車に砲撃し、撃破した。
「派手にやれ諸君!」
戦車の進軍と共に敵の兵舎に突撃する。
「第二小隊は兵舎を!俺たちは管制塔に向かう!」
《こちらスプーキー、現場に到着、ターゲットに対して攻撃を開始》
AC-130も来た、この調子であれば数分後には完全に制圧できる。
「管制室を制圧する!ブルーイーグル隊ついてこい!」
管制室までの廊下を敵を倒しながら前へ進む。
管制室の扉まで到着した。
「これで最後だ、派手に行こう」
管制室の扉に指向性爆薬を取り付け、仲間の顔を確認し、爆破した。
ノルンのシステムを使わずに精神を集中させ、室内にいる敵を全て倒す。
《真!倉庫に整備中だが使えそうなドローンがある!管制室で制御できないか?》
「プライス、待ってろ!すぐにやる!」
右腕に内蔵された専用のUSB端子をドローン制御装置のコネクターに繋げ、ノルンと接続する。
【ノルンと接続中…ドローン制御ユニット、味方識別装置書き換え完了、クローラー型ドローン操作可能、5番9番16番操作可能】
「プライス!そのドローンはなんばんだ?!」
《5番だ!もう終わったのか?今専用のアームが武装を付けてる!》
【ドローンの操作権を譲渡】
コンソールを握り、倉庫から出た後、画面を見ながらガトリングガンを乱射、火炎放射器やグレネードランチャーを撃ちまくる。
多少被弾しても画面にノイズが走るだけ、攻撃を無視して突撃する。
《倉庫クリア!》
ドローンをAI操作に切り替え、プライスについていかせる。
《こちらスプーキー、多数の敵航空機に狙われて居る、なんとかできないか?》
地下に隠されていた対空ミサイルを機械操作で地上に出し、コントロールを掌握する。
「スプーキー、そのまま待機!対空ミサイルで援護する!発砲注意!」
敵の航空機が赤色でマーキングされ、ロックオンされる、そのままトリガーを引くと、敵に向かってミサイルが放たれ、着弾と同時に爆散した。
よく見るとヘリも狙われている、周辺の敵機を撃墜する。
《スプーキーより、空域クリア》
《ライノより、地上クリア》
「総員、フェーズ2に移行する、総員そのまま待機せよ」




