第三十話 歴史は大きく変わる
Viewpoint change レミリア
[2050:03.08:20:25 紅魔館]
あの後、結局真はルーミアに回収され傷の手当てを開始。
終了後、すぐに紫に霊夢が攫われたことが報告された。
紫は直ちに奪還すべきと言ったが、周辺の敵の拠点が多い為、真は危険と判断し却下。
今は全員に外出禁止命令を出した、1人で突っ込んで人質にさせないためらしい。
私は夜、全員の見回りをするよう紫に頼まれた。
これから確認する時間だ、執務室を出て客室がある廊下へ向かう。
そこへ、フランがやってきた。
あれから私とフランは一ヶ月かけて話し合った、最初は私が閉じ込めていた気まずさから面と向かって何も言えなかったが、霊夢が
『いつまでうじうじしてるのよ、真だったら無理矢理仲良くしてるところよ、私であることに感謝することね』
と、言われてしまい、最初は今日あったことだけを話していたが、そのうち閉じ込めていたことを謝って、これから外へ出すことを言ったら、とても感謝された。
単に外へ出す、そのことだけでこんなことにはならなかったのかもしれない。
「お姉様、フランね、真に謝りたいの」
どうやらフランはあの事件で傷つけたことを気にしているらしい。
許可して二人で廊下を歩く。
もうすぐ真のいる部屋だ。真の部屋は三階にある。
彼は霊夢が攫われてからずっと部屋にいるらしい、相当ショックだったのだろう、食事をいつも咲夜が持って行っている。
「真、居るかしら?」
ドアをノックし、呼ぶ、しばらくしても中から返事がない。
「真お兄様いないの?」
「フラン、攻撃出来るように準備して」
マスターキーで鍵を開け、中に入る。
中は幻想郷の地図や、上空から撮った写真のようなものホワイトボードに何枚も貼り付けられてある。
幾つかの写真と地図の一部には赤いバツ印が書かれている
ベッドの上には幾つもの銃弾がばら撒かれてある、壁には腕をくくりつけた跡や血痕、銃弾の当たった跡が残っている。
真の姿は無い。
椅子が温かい、まだ遠くには行っていない筈。一階は先に調べた、二階は誰か通ればわかる。上に行ったかも。
「フラン急いで、もしかしたらまた彼1人で潰してるかも」
「やっぱりここにいたのね」
屋上にやはり真はいた。ライフルを右手に持ち、完全武装の状態で奴らの前線基地の方を見ていた。
「止めるなレミリア、これは俺の戦いなんだ」
左目は義眼を埋めていると聞いた、その左目は紅く光っている、戦闘態勢のようだ。
「それでもね、あなたを外に出すと私もいろいろマズイのよ」
「もうすぐで奴らの前線を崩壊させられる、あと少しなんだ」
「やめてよ真お兄様、もうお兄様が傷つくことなんて誰が望んでるの?!」
フランが大声で叫ぶ。
「静かにしていろ、フラン、すまない、俺はあの後、考えたんだ、この状況を打開できるのは俺しかいない、他の誰かに任せることは出来ないんだ」
「ならブルーイーグル隊で…」
言い切る前に真は反論を始めた。
「今誰もが戦争終結は絶望的と感じている、これは俺しか出来ない、俺以外はみんな死んでしまう」
「そう、なら……フラン、行くわよ、結局屋上には誰もいなかったわ、真の部屋は問題無し」
「感謝する、この恩は必ず返す」
両目が紅く染まり、屋上の端で背中から落ちていった。
落ちた地面を急いで見に行ったが、もう誰もいない。
数時間後、森の方が明るくなっていた。
Viewpoint change 真
「紫、これを見てくれ」
朝の朝食に出て紫に相談する、紫はこちらを見て驚いていたが。
「今日朝早くに無人機から撮影した写真だ、こっちがあの時の写真だ、こことここを見てくれ」
新しい写真と古い写真を渡し、見る場所を支持する。
「敵の拠点が無いわね、どうしたのかしら」
「続いてこっちも、これはこの偵察写真を元に作成した地図、こっちはついさっき作った地図だ」
「殆どの拠点が潰れて居るわね」
「どうやら最近ゲリラ組織が奴らの拠点を破壊して回っているらしい、名前はゴーストとか言ったか?」
「それで貴方はどうしたいわけ?」
ここで俺ははっきりと今回の要請を言う。
「特殊作戦発動、コード『青い鷲は目覚めた、次はハゲワシの番だ』」
「了解、すぐに開始するわ」
「ついでに聞くが、ハゲワシは今どこにいる?」
「中国の……北京よ」
ハゲワシ現る
3月11日、16:29
アレックス・ダナン伍長
タスクフォース180
中国、北京
「ダナン、撤収だ、着陸地点を確保するぞ」
俺たちはようやく北京の調査を終え、これから帰還するところだ。
俺はダナン、タスクフォース180に去年入隊した。
かつてタスクフォース180の元であるタスクフォース140はアフリカ代理テロ戦争時に首謀者を殺害したことでも有名だ。
俺に声を掛けたのはこのタスクフォース180の隊長であるプライス少佐だ。
彼はタスクフォース140時代から隊長をしているエリートだ。
「敵の反応が多数あります、着陸地点を変更した方がいいのでは?」
ブライアン曹長が衛星からの通信を受けながら発言する、彼は元デルタフォース(アメリカの特殊部隊)だ、彼らの部隊も代理テロ戦争時に活躍したが、あと一歩のところで彼を除いてMIA(作戦行動中行方不明)になった。遺体は見つかってない。
「それもそうだな、よし、ニコラス、聞け、この着陸地点は放棄する、第二地点に向かってくれ」
ニコラスはプライス少佐の親友で元SAS(イギリスの特殊部隊)の工作員。
《了解した友よ、後で会おう》
「RPG!!」
突如建物の影からRPGが発射されニコラスが乗ったヘリが狙われた。
弾頭はヘリを掠めていった。
「ニコラス!急いでこの場を離脱しろ!」
《クソッ、前もこんなことあったよな?!》
エリアを制圧してから第二着陸地点に向かう。
途中までは敵がいない、気味が悪い。
第二着陸地点に到着した。
5機の輸送ヘリに中隊員全員を乗せ、現場から飛び立つ。
「……まだ見つかってないんですか?」
ブライアン曹長がプライス少佐に話す。
「……あぁ、見つかってないどころか、あいつらそんな奴は名簿に無いの一点張りだ、何が楽しくて門前払いしてるんだ?」
“見つかってない”のは白神真のことである。
つい先日、プライス少佐が日本の米軍基地に、北京の調査の為の宿舎として訪れた際、連絡を入れたが全く返事が返ってこないのを不思議に思い、学園都市に調査連絡をしたのが始まりだ。
学園都市側は知らない、分からないの連発で、プライス少佐も相当頭にきているそうだ。
プライス少佐が懐からタバコを取り出して吸い始めた。
真に言われて辞めたと聞いたが?
「それより、タバコはもう辞めたんじゃないんですか?」
「あぁ、あいつにいわれてな、だが、近くにいないからいいだろ?」
深くため息をつく。
そこへ第十五戦車班から帰還の通信が入る、あそこは確か十台の戦車と中隊程度の歩兵が配備されていた筈だ。
彼らは元北京首都国際空港からC-130で帰還すると連絡だった。
さらに第二飛行隊からも連絡だ、あいつらは5機のF-15戦闘機で構成されている。帰還するとのことだ。
同時にスプーキーワンから到着
の連絡だ、AC-130までこの調査に来るのは異様ではあるが……
「おかしくないですか?ただの調査に攻撃機や戦車、戦闘機まで動員するって、正気を疑いますよ」
「これは全部上からのお達しだ、あいつらはあのフジヤマ事件を警戒しているんだろ」
「ミサイル接近!!」
後部ハッチを覗くとキノコ雲が見えた。
「衝撃波だ!掴まってろ!」
すぐに床の突起に掴まり、振り落とされないように力をいれる。
「こちらホーク01!墜落する!…………なんだここは?!」
突然ハッチの景色が焦げた大地では無く、一面緑の森が広がった。
「ちくしょう!耐えてくれ!」
次第に機体のバランスが戻り、通常通りの挙動になってから、大尉が指示を出す。
「ニコラス、通信機はどうだ?」
「ダメだ、壊れてやがる、このオンボロめ!!」
何と無く外を見て居ると。
「プライス!外を!信号弾だ!」
「なんだありゃ?着陸地点の連絡……一体誰が……?」
「プライス!燃料がもう持たない!」
「仕方ない、ニコラス!信号弾の元に向かえ!他のヘリにも通信して誘導しろ!」
???「お前はステルスとは無縁だな、こいつを使え」つギリースーツ
※ご指摘にあったとおり少しステルスしてみた




