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東方戦争記  作者: 紅き蠍
第七章 紅き月と蒼き鷲
32/42

第二十八話 絶対に生きて帰す

Viewpoint change 真


【体内に不明なユニットが侵入しました、精神に深刻な障害が発生しています、直ちにユニットを排出してください】



ノイズ混じりのノルンの音声。



「右腕に光が……」



霊夢の呟きの通り、右腕があったところに紅い光の粒子が集まり、一つの物を作り上げていく。



【右腕、左目にunknown接続中】



ノルンがunknownが接続された事を示す警告を出す。



「起動パス、目覚めよ、紅き鷲」



あるモードを起動させるためのパスワードを呟く。



【右腕、左目、unknown接続完了、

起動パス確認、システム、スペクターモード、起動】



その音声と共に右腕と左目に纏っていた光の粒子が弾け、最初に右腕が現れ、

左目を開けば、紅い景色が映る。



自分でもわかるほどの紅い光が左目から放たれている。


【視界安定完了、右腕関節可動可能、戦闘行動を許可します】



「行くぞフラン、これが俺の本気だ」



「そう!そうじゃなきゃ!もっともっと遊びましょう?秘弾「そして誰もいなくなるのか?」



フランの姿が消え、こちらを狙う青い大きな弾幕が飛んでくる、その通った後は小さな弾幕が線のように連なる。



それを壁を蹴って飛び上がって回避し、後からくる弾幕を右手で構え直したサブマシンガンで撃ち落とす。



時間が経ち、フランが現れる。



「神符「神の見えざる手」



それだけ言ってリボルバーの引き金を引く。



すると銃口から三本の紅いレーザーが出る、そこから目に見えない弾幕が飛び出し、そのあとを追うように弾幕が放射線状に飛び出す。



「神符「悪魔の閃手」



時間切れになったらすぐに別のスペルカードを起動。


光の弾丸が真っ直ぐ進み、有る程度進んだ先で三つに拡散、その拡散した光弾は壁で反射する。


フランが壁に反射した弾丸が当たった。



「神符「大天使の兵隊」



次々とスペルカードを起動する。

空から三人と天使が降りて来て共に戦う。

すぐに時間切れになる。



「神符「神の裁き」



地上に青いレーザーが照射され、すぐに赤い槍が降る。



「神符「逃れられぬ運命」


半円状に並んだ細かい弾幕がゆっくりとフランに迫る、

一つを回避してもすぐに次がくる。

そして、フランは被弾した。




「アハハハハハハハハハハハ!!最高に楽しいわ、さあ、最後、行くわよ!」


「行くぞフラン、あんたに定められた運命、俺が破壊する!」



「さあ、これをよけきればあなたの勝ちよ!QED「495年の波紋」



「俺からもだ、真実「人が歩むべき道」



すると、フランから波紋のように弾幕が現れると同時に、フランの前に六つの弾幕の道ができる。



一つは天道、寿命に苦しめられることも無く、苦しみも無い、それこそ天国のような場所。

しかし、そこから進化はできない。



一つは人間道、苦しみも多いが、それに対して楽しみもある、唯一自力で進化できる道。



一つは修羅道、争いが絶えず起こり、苦しみや怒りが絶えない、憎しみの世界。



一つは畜生道、本能の赴くままに動き続ける、救いの無い世界。



一つは餓鬼道、強欲な死者がはこびる苦しみの世界、飢えや渇きから決して満たされることは無い。



一つは地獄道、罪を犯した者が堕ちる罪を償うための世界。



俺たちはこの六つを選ぶことができる、

だが、同時に俺たちはどれかを選ばなければならない。



俺たちが進む道はどれだろうか、俺は沢山の人間を殺した、地獄にいくのは決まりだろう。そうなっても文句は言えない程に犯して来た。



しかし、フランや他の全員ならまだ間に合う、これからは自分達が進化する番だ。



フランから伸びた六本の道から大量の弾幕が張られる。



「例え俺が地獄に堕ちようとも、お前達だけは生きて帰すんだ!」



弾幕をかいくぐりながらフランの元へ少し少し進む。



だが、あと少しというところで回避不可能な弾幕が横から迫る。



その弾幕を霊夢が撃ち落とした。



後ろは見ない、ひたすら前をみる。



あと少し、腰あたりから【真実】を引き抜き、フランの腰あたりを斬りつける。ワザと気絶させるためにテーザーが組み込まれている。



フランは一瞬だけ跳ねたあと、崩れ落ちた。



その首元に精神治療薬を注射する。



「これで終わりだ……チェックメイトだ」



即効性のあるこの治療薬は、治療が完了すれば目を覚ます。


数十秒もしないうちにフランは目を覚ました。



「大丈夫か?フラン、どこかおかしいところはないか?」



「大丈夫だけど」



「よし、みんなの元に帰るぞ」



フランの腕を肩に乗せて歩く。

扉の近くでは霊夢が待っている。




【スペクターモード起動限界、Unknown強制切断】



右腕が光の粒子と共に指から消えていく。

左目は痛みを伴って消える。



【出血再開、致死レベルまであと10秒、バイタルが危険な状態です、直ちに対処してください】



マズイ、意識が薄れてきた。



床に倒れると同時に目の前が真っ暗になった。




















































Viewpoint change 霊夢


「真!」



慌てて真の元へ駆け寄る。

フランは肩を借りていたので、真の下敷きになり同様に倒れてもがいている。



腕から大量の血が流れている、恐らく失血による気絶か?



真の腕に絞めているサラシをもう一度きつく絞め上げて止血。



フランを起こして無事か確認する。



「大丈夫かしら?フラン」



「大丈夫だけど……真が…!」



「大丈夫、いま手当てした、早く全員がいる場所へ戻りましょ、歩ける?」



丁度その時、部屋の隅に捨てられた通信機を見つけた。



「誰か聞こえてるかしら?フランは無事よ、真が大怪我して大量出血してる、すぐに治療の準備と搬送の手配をしてくれる?私はフランと一緒に行くから」



すぐに永琳がやってきて担架で運ばれた。



フランと一緒に地下から出ようとしたが、フランが立ち止まって動かない、仕方が無いので腕を掴んで無理やり連れて行く。



「どうして……私は真を壊したのになんで?」



「だから何なのよ、きっと真はこう言うに決まってるわ


『仲間や友を助けるのは当たり前だろ?』」









































[2050:12.08:09:52 紅魔館 執務室前]



手術開始から五時間が経過した。



「前開けて開けてください!患者が通ります!」



鈴仙が真を載せたベッドを押して出てくる、永琳も一緒だ。



「真は大丈夫なわけ?」



永琳を捕まえて問いただす。



「明日が峠と言ったところよ、出血はね、失血性ショックで気絶してたわ、あなたがもっと早く教えてくれなかったら間に合わなかったかもね」



「出血は?どういうことよ」



「何でそんなに知りたがるのかしら、あなたにしては珍しいわね……もしかして、彼の事が気になるんじゃないかしら?」



「そそそそんなこと無いわよ!それよりも早く教えてなさいよ!」



「……これを聞いてショックを受けないでね、よく聞きなさい、彼は、


人間と妖怪のどちらでもない、半人半妖になってしまったわ」


Chapter7Fin


状況:フランドール・スカーレットの精神状態の回復

白神真……昏睡状態、意識回復まで時間がかかる模様




次章で最後です、昏睡状態の真はどうなるのか、この戦争に終止符が打たれるのか、ご期待せずに待っていてください。



(何故かこの間五千突破しましたと言ったばかりなのに、もう六千行きそうです、ここではそんなの日常茶飯事なんですかね?)

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