第二十四話 生き残るためには
ついに敵の主力兵器を破壊した。
これにより、敵の前線は崩れ去り、こちらが攻め込む隙ができた。
ついに幻想郷側の反撃が始まる。
第六章 Revealed the Truth
"In taking revenge, a man is but even with his enemy; but in passing it over, he is superior." - Francis Bacon
復讐を思い止まる者は、それを望む敵よりも優れている。 ―― フランシス・ベーコン (16世紀の英国のキリスト教神学者・哲学者)
Revealed the Truth
11月01日、09:19:46
白神真
ブルーイーグル隊
旧都入り口 検問所前
「よし、これで敵の目を誤魔化せるだろう」
巡回に出るため森に入った敵を始末し、敵の服を奪う。
「これで大丈夫だろうな?」
「大丈夫だ、少なくともこの検問所は通過できる、ただ中に入ったら妖怪に襲われないよう脱ぐけどな、さぁ行くぞ」
敵が乗ってきた車のヘッドランプを壊し、少し凸になっている所へ移動する。
「監視塔に二人居るな」「小屋に一人、二人、合計三人いるわ」「東側の屋上に三人」「道路に一人いるぞ」
順に俺、メリー、霊夢、健吾が敵の存在位置を確認する。
「よし、まずは監視塔の奴からだ、霊夢、右を殺れ、お前に合わせる……」
サプレッサーをつけた狙撃銃を霊夢が発砲すると同時に自分も発砲する。
「ターゲット排除、次は小屋の三人だな」
隣で観測している健吾が排除したことを確認し、次のターゲットを指示する。
「霊夢は真ん中、俺は左、メリーは右だ、タイミングを合わせろ…3、2、1、今!」
今度はカウントし、同時に排除した。
「よし、後はいいだろう、自由に発砲しろ、許可する」
すぐに狙撃銃を持っている味方が各敵を排除する。
「オールクリア、行くぞ」
自分が発砲する前に敵は排除された。
「霊夢、その死体を隠せ、目立ちすぎる、誰か小屋の中を調べろ、後は持ち場に付け」
「敵の車両が接近中」
「装甲車はスルーしろ、カルロ、問題があると言って車を停めろ、落ち着け………」
ゲートの前で車を止め、カルロが俺には聞き取れない言葉で話す。
「霊夢、運転手を殺れ」
すぐにサプレッサー越しの銃声が聞こえてくる、助手席に座っている敵も隣にいたキロチームの一人に撃たれた。
「真、小屋に一人捕虜がいた」
「そうか、車に乗せろ、移動するぞ、全員乗れ!」
俺が運転席に座り、他の全員はトラックの荷台に乗る。
「あんたは?何て名前だ?」
「なんなのあんたたち……いきなり奴らが倒れたと思ったら突然あんたたちが運転手を撃ってる、一体なんなの?」
「まずはあんたの名前から教えてもらおうか?」
「………いいわ、私の名前は水橋パルスィ、旧都の橋姫をしているわ」
「そうか、俺たちはあんたたち旧都の人達を助けにきた、とりあえず途中の街で降ろす、そこで友達とでも合流してくれ」
「わかったわ」
「っと、カルロ達はここで降りろ、ここで情報を仕入れてきてくれ」
「わかった、死ぬなよ」
そう言ってパルスィと降りて行った。
降ろした後、路地の人通りが少ない影に車を止めた。
「よし、お前ら行くぞ」
今まで着ていた敵の制服を脱ぎ、車の中に入れて、路地の奥へ行く。
「キロ、こちらは行動を開始する、何かわかったことはあるか?」
数秒遅れてから返答がくる。
《こちらキロ1、敵の補給基地の入り口が地霊殿の上にあるそうです》
「どういうことだ?」
《そのまんまの意味です、地上と旧都の天井の間に作ったようです、その入り口が地霊殿付近にあるそうです》
「了解した、引き続き収集を続けてくれ」
《了解》
「よし、行くぞ」
建物と建物の間を上に警戒しながら突き進む。
「やけに静かだな……」
「そうか?俺の耳には殴られる音が聞こえているが」
俺が呟くと健吾が言い返す。
「面倒事を起こしたくない、静かについてこい」
どうやら大通りで喧嘩が始まったらしい。
今俺たちが居ることが気づかれれば警戒される、ただでさえ主力戦艦が墜ちたことでかなり警戒されているのに。
屈みながら歩き、なるべく音を立てないように歩く。
「地霊殿の前の通りに出るぞ」
「やはり警備が厳重だな………」
「上に登る、すこし派手な花火をぶちまけるぞ」
そう言って近くの家の壁と壁の間を登り屋根へ出る。登った後スナイパーライフルに持ち変える。
「俺が発砲したら敵が薄いところを突いて地霊殿に入れ、俺は後で行く」
すこし地霊殿から離れて、高台にいる敵に照準を合わせる。
トリガーを引き、敵の頭を吹き飛ばす。
すると味方のチームが地霊殿に向かって走り出す。そのチームを狙っている敵を優先的に倒す。
《目標地点に到達した!早く来い!》
健吾から通信が入る。その通信を皮切りに屋根から飛び降り、アサルトライフルに持ち替え、近距離で倒す。すでにスナイパーライフルを持っている敵は倒した為、遠距離から攻撃は来ない。
《………っ!真!行動を中止しろ!中の安全が確保できていない!》
「無理だ!近すぎる!」
もう既に地上に降りている為、元の屋根には戻れない。
それよりも、健吾が作戦の中止を進言するのは初めてか、何かあったのだろうか、やはり急がなくては。
「これより突入する!発砲注意!」
突入し、部屋の中に入ってから扉を閉め、鉄の板で扉を補強し、物で扉を塞ぐ。
「危険なんてないじゃないか、なんで止めたんだ?お前らしくないじゃないか」
「いや、それがな……」「あなたたちね!私のペット達を攻撃したのは!」
すると突然、奥から淡いピンクの服を着た少女が現れた、声の感じからしてかなり怒っているようだ。左の胸辺りに赤い目のようなものが浮いている。
「あなたたちでしょう!私の大切なお空とお燐に傷をつけて!」
「待て待て待て!それは俺たちじゃない!」
俺たちはたった今入ってきたばかりだ、そもそもお空とは誰なのか?
「あら、そうなの?「いえ、彼らがお空達を傷つけたのですよ」
突然聞き覚えのある声が聞こえてくる。
「貴様……なぜここにいる!」
「霧谷龍神!」
「彼らがお空達を攻撃していました、私がしっかりこの目で見ています」
「クソ野郎!ここで死ね!」
ハンドガンを奴に向けたと同時に少女が再び怒り出す。
「やはりあなたたちなのね、報いを受けなさい!想起「恐怖催眠術」!」
すると光る弾丸をこちらに放ってきた、回避は簡単だが、霊夢が足を引っ掛けてしまった。
「危ない!霊夢!」
その時点で霊夢は回避が間に合わない、俺は気づいたら霊夢をかばうように飛び込み。
弾丸をまともに喰らった。
Viewpoint change 霊夢
「危ない!霊夢!」
突然、真が私の前に飛び込んだかと思うと、さとりが放った弾幕の一発が当たった。
あのスペルカードはたしか過去のトラウマを掘り起こして思い出させるものだったはず、彼のトラウマとはなんだろうか。
ハンドガンを引き抜き、警戒する。
彼は地に伏したまま動かない。
ゆっくりと起き上がったと同時に、龍神に向かって発砲しだす。
しかし、いつもと様子がおかしい。
何時ものように敵に向かって的確に発砲せず、気が狂ったように発砲し、そのほとんどを外している。
「総員隠れろ!あいつは我を失っている!敵味方構わず攻撃するぞ!」
「奴が逃げるぞ!なんとかしろ!」
「無理よ!真の攻撃が無駄に的確すぎて応戦できない!」
健吾と桜が隠れながら様子を伺いながらなんとか霧谷の足を止めようとするが、逃げられてしまった。
その数十秒後に真は暴走をやめ、再び倒れた。
「ふぅ……なんとかなったな、奴には逃げられたが」
「でもいきなりなんなの?弾に当たっただけで発狂しだしたわよ」
そこへ私がそのスペルカードについて説明した。
「………もしかしたら、もう教えた方がいいのかしら」
「何がだ?」
「…………彼を少し休ませてあげて、ベッドでもソファーでもいいから」
桜はさとりに向かって言うと、さとりは自分で真を抱え、部屋を出て行った。
「大丈夫なの?」
「大丈夫でしょう、あの顔はもう…………いいかしら、これからかなりキツイ話をするわ、
聞きたくないと思ったらすぐに耳を塞いでもらって構わないわ」
「なんのことだ?」
「かつての真の出来事よ」
ここから少し一話分が短くなります、でもやりたいことがあるのでご了承ください




