第十九話 終わり良ければすべて良し?
ノルンにマップを表示したまま車両庫に向かう。
その途中の通路にサソリがいた。
『彼女達は解放したか……そうでなければならないな、さすが青鷲、私の試験はクリアした、今後の君たちの能力に期待している』
その瞬間、アラート鳴り響く。その後、アナウンスが聞こえる。
【警告、自爆装置が作動しました、館内に残っている職員は直ちに脱出してください、この装置は解除できません、爆発まで後五分です、繰り返します………】
「お前何をした!?」
『館内の研究員は全員始末した、後はこの研究所を爆破するのみ、後五分だ、それまでに脱出しろ、また会う日を楽しみにしているぞ、真』
そう言い、天井を破壊し、夜空へと飛びたった。
「おい!待て!何故俺の名前を知っている!?」
《ヒントをやろう、お前の日常にいたはずだ》
日常にいたはず?師匠か?だが、俺がここに来るまでも生きているし、前日に連絡も取れていた、誰だ?
今は考えている暇は無い、すぐに脱出しなければ。
車両庫のシャッターが閉じそうだったが、廊下側の基盤をハッキングして扉を開け、中に入った瞬間だった。
「貴様か……貴様なのか……?!私の研究を台無しにしようとする奴は……?!
奴だ、主任だ。
「素晴らしい研究を……私の革命的な研究を……研究所ごと消してしまう気か……?!」
「少なくとも俺じゃないな、結局的にはお前が地獄に堕ちるのは確実だけどな」
「なら貴様も地獄に道連れだ!青鷲!」
そう言って、リベレーターを向けてきた。その腕をハンドガンで撃ち、両脚を撃ち抜き、奴を倒す。
「……何故頭を撃たない……何故楽に私を殺さない…!!」
右手から銃を奪い、そのまま柱まで引きずる。
「お前みたいな奴は……痛みを感じながらもがき続けながら死ぬといい」
冷たく言い放ち、柱に近くにあったケーブルでくくりつける。
「な、何をする気だ!」
奴の柱にガソリンをぶちまけ、使えそうなハンヴィーの運転席近くまで車両に火が当たらないようにガソリンを撒く。
「橙、メリー、乗ってくれ、蓮子、運転を頼む、誰かターレットに付け」
「わかった」
ターレットに付いていたMk.19グレネードランチャーを外してM134を装着し、弾薬を補充する。
「じゃあな、自分の研究とともに死ね」
俺も乗り込み、乗り込む瞬間にライターでガソリンに火をつけ、そのまま走り去る。
「悪人には、弾丸を…善人には花束を…」
そうつぶやき、健吾に指定したポイントに向かうよう指示した。
「蓮子!無理に避けようとするな!しばらく道なりに走れ!途中で合図するから、メリーは運転席に俺を乗せてくれ!」
「できるだけやってみる!」
「橙は俺が渡したポータブルレーダーを使って指示を頼む!」
「わかりました!前にいます!」
その方向にM134を向け、掃射する、車両のバリケードが作られていたが、吹き飛び、道が開けてしまった。
「後ろから二台!」
後ろに向け、その方向にもM134を掃射、車両が次々と吹き飛ぶ。
「隣から来ます!」
隣から車両が来て、飛び乗ろうとするが、何発も撃ち込まれ、赤い霧になる。
「さらに後ろから二台!」
素早く振り向き、掃射、装甲車は吹き飛ぶ。
「車両バリケードがあります!」
掃射し、爆破させたが、うまく吹き飛ばず、そのまま突破することになった。
「よし蓮子!変われ!メリー!頼む!」
そういった瞬間、落ちる感覚にとらわれ、気づけば運転席に座っていた。
「全員掴まれ!飛ばすぞ!」
アクセルを全開にして、敵を振り切る。横からぶつかってくるが、窓を叩き割り、ハンドガンで運転手を撃つ。
目の前のバリケードはぶつかって破壊した。だが、フロントガラスが割れ、見にくくなったので、落としてしまう。
サイドカーで追ってくる敵をハンドガン片手撃ちで追い払う。
そろそろ目的の地点だ。
「しっかり掴まって口閉じてろ!飛ぶぞ!」
その瞬間、車体が浮いた。
しばらく滞空して、向こう岸の地面に無事着地した。
しばらく走り、目標地点に到着すると、健吾達がCH-47を連れて待っていた。
「無事だったか、真、ヒヤヒヤしたぜ」
「まだそう簡単に死ねん」
すると、今来た方向から光が入ってきた。
蓮子とメリー、そして俺はその方向をみた。どうやら研究所が爆発したようだ。
「短いようで長かったな……」
「そうね……」
「さぁ帰ろう、反省が待ってる」
「反省会するの…めんどくさい……」
「今回はかなり危険だったからな、長引くだろうよ」
その後博麗神社に戻り、何故か霊夢に怒られた後、約一日かけて反省会を決行、結局、全員悪いという結果になった。
[2050:8.13:11:30 博麗神社]
鋭く刺されるような日差しの中、メリーと紫、霊夢は外へ出て訓練をしている。というより、弾幕ごっこの訓練だというらしいが。
俺は縁側に座り、銃の分解整備をしている、スライドを取り外し、銃口の汚れを専用のオイルと器具で洗浄する。
いままで酷使しすぎていたからかなり汚れている。出てくるオイルが真っ黒だ。そこへ、蓮子が声をかけてきた。
「メリーは何をしてるの?」
「妖怪必修科目の弾幕だってさ」
元々メリーは紫が俺たちのいた世界で産んだというらしいが、どうやら連れてくることに失敗、さらにその[境界を見る程度の能力]により、行方が分からなくなった。
その後は蓮子と出会い、そのまま養子として家族になった。
その話を蓮子は先日聞いた、が、気にしてないようだ、昨日は隣の部屋から何故か嬌声が……ウン、ナカヨシダナー。
ハンドガンの分解清掃が終わり、次はライフルを整備する。
「やっぱりすごいわね……紫さん、あんだけ弾幕が張ってあるのに一回も被弾してない」
「妖怪は単独での戦闘能力は人間よりもはるかに高い、だが、その性格のせいで協力することがない、だからあまり組織を作らない」
「だけど、紅魔館の人達や妖怪の山の人達は組織を作ってるよ?」
「それでも下の者は自由にやってるだろ?つまりはそういうことだ」
清掃が終わり、組み立てる。
「ふーん、そうか……ところでさ、ネジがまだ一本残ってるけど」
あ。
Chapter4fin
状況:敵の主要研究所を破壊し、襲撃情報も獲得した。
報酬:無し




