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東方戦争記  作者: 紅き蠍
第四章 スキマ妖怪の苦悩
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第十八話 私の大切な友達


【推奨BGM 魅せる時】



《貴様!何故ここにいる!ここへはお前はこれない筈だ!》



突然奴が騒ぎ出す。



『お前は消去される、同志を実験台にするとは何事か』



《そんなことはいい!制圧部隊、奴を殺せ!》



そう言って壁から敵の武装部隊が出現する。



「蓮子!お前はメリーを頼む!橙は蓮子の前進を援護しろ!」



「了解!」



二人から返事が聞こえ、メリーまでの道を橙が弾幕で作る。



蓮子がメリーに取り付く。が、すぐに振りほどされてしまう。



「蓮子!目を塞げ!フラッシュバン行くぞ!」



蓮子とメリーの間にフラッシュバンを投げる。メリーはよろめき、蓮子はひるんだが、すぐに復活した。



蓮子はすぐにメリーの胸元を探り、見つけた。



「あった!でもしっかり体にくっついて取れない!」



何らかの力が働いているため、簡単に外れない。



「蓮子!すぐに行くぞ!」



目の前の敵に数発撃ち込み、蹴り飛ばした。



「蓮子はメリーを抑えろ!」



メリーと機械の間にナイフを差し込み、そのまま横に倒し、その部分から引っ張る。



「一部分だけはがれた!」



そのまま蓮子とはがれた部分を引っ張る。そしてついに



その機械ははがれた。

そのまま地面に叩き落とし、踏み潰す。



メリーを肩に担いで、土嚢の影まで走る。



ついた後、蓮子が脈と心音を聞く。



「脈はある、心音も聞こえる、作戦は成功よ!」



ちょうどその頃、サソリも最後の一人を倒し、場に静粛が訪れた。



しかし、その静粛は奴の拍手で打ち破られた。



《いやいや素晴らしい!まさか本当に助けてしまうとはね、だが、君たちにはここで果ててもらうよ、奴を出せ!》



そう言って、壁の一部が開き、暗がりから二人の人が現れた。



俺はどちらも知っている奴だ。



顔が現れた、紫と幽香だ。



「紫さま!」



橙が叫ぶ、紫は所謂お婆さんのような立場だ、心配はするだろう。

それよりも、俺たちは別の事で心配しているのだが。



「ねぇ、あれってかなりやばくない…?」



「最初来た時に行った大勉強会が役に立つとはな」



風見幽香。危険度SSS(接触禁止)。畑を荒らす者を地面のシミにする程のサディスティックな実力者。



こちらを見るなり、二人とも大量の弾幕を放ってきた。



「総員退避!総員退避だ!逃げろ!」



入ってきた扉から外に出る、そうしている間にも後ろからどんどん撃たれている。



弾幕が横に飛んできて壁が弾けた。



どんどん弾幕が飛んできて壁や扉を破壊する。



「その角を右に曲がれ!」



角を右に曲がり、弾幕を避ける。



「この先には医務室がある!そこへ逃げ込むぞ!」



大急ぎで医務室に入り込み、全員が部屋に入った事を確認し、扉を閉める。



扉の外から足音が聞こえてくる、その足音は近づいて扉の前で止まり、しばらくした後離れて行った。



その後、サソリは別にやる事があると部屋を出て行った。


「もう、大丈夫そうだな、メリーを下ろすぞ」



肩に担いでいたメリーを下ろし、ベッドに寝かせる。



「確か薬を量産するために仮の妖怪化薬を投与して、その血を使っていたんだよな?」



「はい、そうです、その血をろ過して使っていました、ただ、マエリベリーさんの体質は独特で…」



「どうした?何かあるのか?」



橙が言葉につまる、まるでこの話をしてはいけないと思っているように。



「…彼女は仮の妖怪化薬の効果が切れると死んでしまう恐れがあるんです…」



「何だって?!」



「はい、マエリベリーさんは元々妖怪に近い体質で、今まででは妖怪の力、妖力が足りないため、普通の人間として生きていけましたが、今は違います、仮薬のせいで妖怪になるための妖力を超えてしまいました。


もう妖力が切れてしまえば死んでしまうます、完成品を打ち込めば何とかなるかもしれませんが…」



その話が本当ならば、もうメリーには妖怪になるしかないようだ。



完成品はここにあるが……



「蓮子……いいか?覚悟はできているか?」



「いいわよ、それでメリーが助かるなら!」



「OK、それじゃ、打つぞ!」



カバンから完成品が入った注射器を取り出し、メリーの首元に刺して注射する。



紅い液体がメリーの体内へ入って行く。



全て体内に注射し終わった後、しばらくすると動き出した。しかし、唸って起き出さない。



「何だ?うなされだしたぞ?」



「きっと妖力が足りないのでしょう、私の血を……」


「待って!何か言ってる!」



蓮子が橙が指を切って血を飲ませようとするのを制止した。



囁くような小さな声でこう言った。



〈蓮子〉と。



その言葉を聞いた俺の後の行動は。



「蓮子、メリーのことは任せた、俺は外を警戒している、橙とやら、行くぞ」



そっと部屋から出た。



















Viewpoint change 蓮子


「えっちょ、ちょっと!」



私が制止する前に部屋から出てしまい、医務室には私とメリーだけが残された。



妖力が足りないと言っていた、だが、私の血には魔力しかないはず、それでどうしろというのだろう。



もしかして、私の血でも大丈夫?エネルギーがあれば何でもいい訳?



医務室に置いてある採血機械が突然起動した。

とりあえず、機械に腕を通す、肩に痛みを感じたが、すぐに引いた。



横に取り付けてあった注射器を取り外し、メリーの側まで持っていく。



「メリー…いくよ…?」



私の血が入った注射器をメリーの首元に刺す。ピストンを押して、血を体内に入れる。



すると、メリーの目が覚めた。



「蓮子……ごめんなさい……あなたを心配させたみたいで……」



「いいの……メリーが無事だったことが私にとって一番嬉しい……!」



「でも……もう私、妖怪よ…?それでも友達でいてくれるの?」



何故私はこんなことをしているのだろう?そう言うメリーの口元に私の口をつける。キスをした。



「もちろんよ……!あなたが妖怪だろうと神様になろうと悪魔になろうと、私はあなたの友達よ……!」



顔から火が出るほど恥ずかしい……!



「蓮子、顔が真っ赤よ?それよりも蓮子……」



「何?メリー?」



「まだ体に力が入らないの、もしかしたらまだ妖力が足りないのかもしれない、だから、もっとちょうだい?」



それを聞いて私はまた採血機械に腕を通そうとした。



「あっ、待って、蓮子、これ以上あなたの血を抜くとあなたが倒れてしまうわ、もっと他の方法があるの」



「何よ、その方法?」



そう言った瞬間、私はなぜか下に落ちて、次の瞬間はメリーのベッドに乗っていた。



「えっ、ちょっと、何するの?」



「エネルギーは生命の関わりに強いほど強いの、だから、その……」



「いや、その前にあなたどうやって私をここに?」



「紫さんのようなスキマ?みたいなものを作れるのよ」



なるほど、どうやら紫さんにも何らかの関わりがあるようだ。答えがわかったところで、私は彼女の言うことを理解した。



「始めてだから……ダメだったら言ってね?」



「私は大丈夫、行くわよ……」



そうして、私たちはまたキスをした。

















少女回復中……








(作者にエロが書けると思うか?無理だね!※そもそも書けません)






























Viewpoint change 真


廊下にでてしばらく警戒していると、扉が開いた。



「ごめんなさい…迷惑かけてしまったみたいね…」



メリーが起きたようだ、先ほどとは違い、手術着ではなく、今まで着ていた服を着ていた。



「さて、どうやって紫達を解放するか……?」



圧倒的弾幕と、高い耐久力があるため、持久戦は不利になる、かといって一気に攻撃するには威力が足りない。



一応、暴走しているだけなので、精神安定剤を投与すれば良い、だがそのためには大量の弾幕を消すか、しのぐしかない。どうすれば……



そこへ、蓮子が口を開いた。



「ねぇ、その前に真、その背負ってるミニガンは飾り?」



……その手があったか!



「まさか今まで忘れてた訳じゃないよね?そんな重いものをずっと背負ってる訳だし」



「そ、そそそそんなことないですよ?確かにミニガンを使えば威力はなんとかなりそうだな!うん!」



やべぇ、図星。



だがこの作戦にはまだ問題点がある、扉を開けた瞬間に出てくる大量の弾幕をどうするかだ、そもそもミニガンは非常に重い、のこのこ出て行って撃ち出せば格好の的だろう。



「あ、それならメリーのスキマを使えばいいんじゃない?」



上の疑問を全員に聞いたところ、蓮子が答えた。



「メリー、できるか?」



「ぶっつけ本番は少し無理があるけど…できるかと言われたらやる、と答えるわ」



「いい答えだ、早速練習していくぞ」



その後、しばらく練習し、サソリとも合流、ついに紫達と直接対決することになった。




扉を開けたらすぐに殺人的な弾幕が押し寄せる、これはわかる、だがこちらが対処できない訳が無い。



その方法は……




こちらも圧倒的な弾幕で制圧する。




扉を開き、M134を持ったまま部屋に入る、銃口以外はメリーのスキマに守られているが、前が見えないため、弾幕がとんでくる音だけを頼りに銃口を向け、後は引き金を離さない事だけを考える。



後ろからは、メリーのスキマの反対側になり、弾幕が壁に当たり壁が弾ける音が聞こえる。



何十発と撃ち込み、ついに幽香が片膝をついた。



続いて紫も片膝をついた。



そこへ蓮子と橙が駆け寄り、睡眠薬と精神安定剤を混合した特殊な薬を注射した。

そのまま二人とも床に倒れこんだ。



「戦闘終了、後は脱出するだけだ、紫は俺が持つが……幽香は誰が?」



「私のスキマに二人ともいれちゃえば?」



「それでいい、行くぞ、今度は足を探さないと」



そう言い、紫と幽香をスキマの中に入れ、入ってきた扉の向かいにある扉に入った。











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