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東方戦争記  作者: 紅き蠍
第三章 亡霊の行方
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第十三話 Counterattack start

そうだ!



「桜!魔理沙!こっちへ来い!」



作戦を思いついた。



「なに!何かいい作戦を思いついたの?!」



「いいか!まず魔理沙の箒に桜を乗せ、奴の上空まで急速に向かう!

その後、桜の能力で結界を斬る!

そこへ魔理沙の八卦路のマスパをぶち込む!」



「なるほど、斬る程度の能力で結界をきるのね!」



「ただ…チャンスは一回だけだ…

失敗すれば壁は無い、結界もすぐに修復されるだろう」



「魔理沙…やれる?」



「やってやろうじゃないか!」



「援護はする、一回で決めてみせろ!!」



「でもどうやって?」



「さっきからスキャンしていたが…どうやら食欲旺盛のようだ、肉でも投げれば止まるじゃないか?」



曖昧な言い方で魔理沙と桜がこける。



「準備しろ、こちらの合図で動け」



携帯食糧を準備し、魔理沙の箒に桜が乗ったのを確認する。



「3…2…1…今だ!」



声と同時に携帯食糧を投げる、攻撃が止み、魔理沙の箒は西行妖の上空まで飛んで行った。



「ここね!」



奴の真上で桜は飛び降り、結界を簡単に切り裂いた。



「魔理沙!頼むわ!」



「OKだ!いくぜ!魔砲…」



と、同時に奴が攻撃しようとした。



「「ファイナルマスタースパーク」!!」



魔理沙の叫び声の後、視界は真っ白になった。






























光が消え、視界が元に戻った。



「まだ生きているのか?!」



目の前には花が全て落ちた巨木がいた。



「待て、攻撃するな」



健吾が攻撃しようとした為、静止させる。

しばらくの静寂の後、突然木の皮が剥がれ落ちだした。

少しずつ崩れていき、中から最初に警告した西行寺幽々子が現れ、その場に崩れ落ちた。



すぐさま駆け寄り、脈、呼吸、瞳孔を確認するバイタルチェックを行う。



「脈確認、呼吸有り、瞳孔閉じている、意識も有りそうだ、生きてる」



「成功したのか?」



健吾が確認する。



「あぁ、完全勝利だ」



それを聞くなり魔理沙と桜はハイタッチをした。何だ、仲良いじゃないか。

全員が安堵のため息を吐いた。



「お~い、生きているか?」



ここでようやくカルロと仲間十人程が合流。



「あぁ、ちょっと呼ぶのに時間がかかった、だがヘリを準備して来た、ここから離れよう」


俺はその意見に同意し、健吾に部屋にいた妖夢を連れてきてもらった。



【複数の敵性反応接近中】



突如PDAからノルンの声が流れる。



「…!全員、戦闘体制!」



【予想侵攻ルートを送信、到着まで後三十秒】



「防衛陣形を取れ!」



「真!俺はヘリを取ってくる!クレイモアを使え!沢山ある!」



カルロは地面にクレイモアの束を置きながら叫んで、元来た道を戻って行った。

乱雑に積まれたクレイモアを手に取り、侵攻ルートを塞ぐように設置した。



只<よう兄弟また会ったな



!?幻聴か?もう一個設置する



只<俺の出番だな!



やはり気のせいではないようだ。



只<さて、仕事の時間か



サクッと無視して防衛準備をする。

ヘビーマシンガンを準備し、幽々子と妖夢を安全な後ろに下げる。

そして近くの土嚢の裏にある物をしかける。完了。


【まもなく到着です、ご健闘を】



「月面の機械化部隊だ!」



カルロが連れてきた部隊の一人が叫ぶ。



「血が出るなら殺せるはずだ!」



「血なんてでないけどな」



健吾がボケを殺してくる。



只<足元注意だ。



クレイモアからの声が聞こえてくる。



《こちらヤンキー6-2、待機中、指示をくれ》



俺たちの上空を一機の攻撃ヘリが飛んでいた。

緑のスモークグレネードを敵陣の中に投げ込む。



「ヤンキー6-2、攻撃要請をする、緑のスモークを起点にせよ」



《Rog(了解)、攻撃開始》



ヘリのロケット、バルカンが発射され、機械化部隊に直撃する。

直撃したマシンは腕、脚、頭が吹き飛び、車両型のマシンは吹き飛ぶ。

バルカンを撃たれたマシンは穴だらけになり、パーツが吹き飛ぶ。



《ヤンキー6-2、攻撃完了、反転を開始する》



ヘリの攻撃が止み、再攻撃するために一度旋回して戻って行く。



「真!ヘビーマシンガンを使え!」



素早く固定銃座に貼り付く。

オーバーヒートしないように射撃する。

しかし、もうすでに誰かが使っていたようで、オーバーヒートしてしまい、銃身が焼け付き、曲がってしまう。

するととたんに命中力が下がる。

素早く新しい銃身を取り出し、本体を取り外し、銃身を交換する。



只<正義は勝つ、お前は負ける。



クレイモアからかっこいい発言が聞こえる。



《こちらヤンキー6-2、攻撃準備完了、座標を指示せよ》



ヘリの攻撃準備が完了したので、座標を再び示す。



《ヤンキー6-2、座標確認、至近弾に注意》



再び敵の真ん中に銃撃がぶちこまれバラバラになる。

ふと上を見ると魔理沙と桜が一緒の箒に乗っていた。



「行け!桜!」



「オーケー、任せなさい!」



どうやら先ほどの攻撃を再びおこなっているらしい。

桜が攻撃した後に魔理沙が桜が倒せなかった敵を吹き飛ばし、そのまま箒に桜をのせ離脱という戦法のようだ。



《こちらヤンキー6-2、燃料残りわずかのため最後の一回となる》



「よし、ヤンキー6-2、派手にやれ!」



座標を指示する。



《座標確認、攻撃開始》



《攻撃完了、先に交戦区域を離脱する、幸運を祈る》



ヘリはすぐにどこかへ飛んで行った。



《よし青鷲!早く乗り込め!》



後ろを見るとCH-47が飛んでいた。



「お前らが先に乗れ!撤退の援護をする!」



叫び、ヘビーマシンガンで攻撃する。

最後の一人が俺の肩を叩く。

それを受けて銃座から離れ、ヘリに急ぐ。



只<ここは俺に任せて先に行け!



後ろからかなり撃ってきているが、走り続ける。



「こっちだ!早く!」



健吾が援護をしている。

敵の攻撃が止んでいる間に後部ハッチに飛び込む。



「乗った!行け!」



機内に入り、ライトマシンガンで敵を牽制する。



数発RPGが飛んできたが、はずれ、無事に戦闘区域から脱出した。



只<またな、相棒。



区域から離れて数分後に例の装置を作動させた。



すると上空にかなりの大きさの火球が現れた。

ノルンには[EMPシステムオンライン、効果範囲は霊界全体]と表示される。



「あんたも派手にやるなぁ…」



人数を確認し、全員いることを確認する。



「ヤンキー6-2、合流地点を指定する……」



カルロに月面側の地図を確認する。



「合流地点はA(アルファ)G(ゴルフ)0 0 6 9、十分後にまた会おう」



「この日が幻想郷と月面の一部が手を組んだ記念日になるな」



そう健吾が言うのを聞きながら、光が消えた冥界の方を眺め続けた。




【目標達成】














































[2050:7.05:15:30 博麗神社]



無事に博麗神社に到着した。



「ようこそ博麗神社へ」



月面の部隊に声をかける。

その時、霊夢に小声で怒鳴られる。



「ちょっと!あんた人間の里を襲った奴らを中に入れるわけ?!」



「正確に言えばこの部隊が襲った訳ではない、それに部隊の人数が増えるんだ、これからかなり動きやすくなる。

それに、だ…」



一呼吸おいてから話し出す。



「直感で感じた、今回の戦争には裏がある。こいつらは影から踊らされていたのかもしれん」



そう言って月面のやつらに近づいた。



「今は住む場所は無いが、神社の一室を使ってくれ、あ、もちろんだが武装は取り上げな」



かれらは俺の要求を文句一つ言わずに頷いた。



「それとカルロ、あんたに聞きたいことがある」



全員に見えない所まで移動する。



「何か月面で変わったことはあるか?」



「そういえば、週一回に女王様が公衆の前に現れてたが戦争が始まってから見かけなくなったなぁ…戦争の指揮で大変なんだろうが」



なるほど、なんらかの理由があるかもしれないが、まだ情報が少ない。決めつけることはできない。



健吾に月面の部隊に目を離すなと言っておき、魔理沙と桜に近づく。



「よし、お前ら、覚悟は決まっているな?」



































[2050:7.05:19:30 人間の里霧雨店前]



俺と魔理沙、桜は霧雨店の前に立っていた。



「よし、行ってこい、時間は気にするな、迎えは気にするな」



二人の肩を叩き、店の中に入れる。

入り、扉を閉めたことを確認し、路地裏に入り、カバンからジンジャーエールを取り出す。

(タバコとか出すと思った?お酒とタバコは二十歳になってから)



手元には紫に頼んでおいた桜のDNA鑑定の結果(作戦終了後、カバンの中に頼まれていた物だ、という藍さんからのメモが挟まっていた)



【推奨BGM ダンガンロンパより Climax Return 】



まず、このDNA鑑定の結果からだ、

桜と魔理沙のDNAが99.4%の確率で一致、この値は桜と魔理沙が姉妹でないと出ない数値だ。



次に霧雨店の親父の証言



『刀?ウチじゃ売ってないなぁ、だけど昔、二十年くらい前かなぁ、その時は売ってたよ、買う人いなかったけど』



『その刀はどこに?』



『それが十五年くらい前にフッと消えちゃってさぁ…同時に娘が一人行方不明になって、そこからは刀を取り扱うのはやめたんだよなぁ』



二十年くらい前に取り扱っていた刀、刀をこちらのノルンで調べ、刀の劣化具合を調べた所、二十年前の物だった、つまり、桜が今持っている刀がその可能性が高い。後に親父に刀には【霧雨】の刻印が彫られていることも確認済みだ。桜の刀にも彫られている。



次に十五年前に行方不明になったという事件の事だ。

慧音から阿求という方を紹介してもらい、人間の里の人口の変動表を見せてもらった。

十五年前の行方不明者リストには



【霧雨 桜】



どうやら読みは当たっていたようだ。



ちなみに、魔理沙の年齢が18歳ということを親父さんから聞いている。

誕生日が十月十六日と一致していることから双子だ。



三歳までの記憶が桜には無い。これが決定的な証拠だ。



さらに掘り下げる。

孤児院院長によると、刀を持っていただけでなく、喉を切られた痕があったらしい。

今では傷痕を消す技術や、声帯を復元する技術が発達されているため俺と初対面の時は普通にしゃべり、傷痕も無かった。

昔には双子は忌み子として扱われる風習があると聞いた。

おそらく、桜が忌み子として扱われ、喉を切られた。

その傷痕だろう。



ここで、カバンから桜と魔理沙の関係性の調査資料をまとめた立体長方形のライトブルーをした記憶媒体を取り出し、上へ放り投げ、キャッチする。



ここから完全な妄想になるが、おそらく桜のここから逃げ出したいという気持ちが外へ出したのではないか?

そして喉を切られたというショックが、刀と結びついたのではないか?



これで忌み子と言い出した奴らを突き止め、何らかの罰を与えればよい。

同時に持っていた媒体を握り潰す。



これが全ての真実だ




【Q.E.D】





















Chapter3 Fin



状況:突如訪れた冬を払い除け、白玉楼を防衛した

報酬:月面の実験部隊が合流した
















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