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東方戦争記  作者: 紅き蠍
第三章 亡霊の行方
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第十話 日常の一コマ

前回の戦闘から二週間が経過した。



博麗神社までに迫っていた敵の前線は、紅魔館が解放された時に主力部隊が壊滅。



その他の部隊は、体制を立て直す為に前線を下げたか、博麗神社に直接攻撃し、セントリーガン、SAMターレットの犠牲になった。



さらに、各地の実力者達が一斉に反撃を開始。



敵の前線は旧都まで押し下げられた。



しかし、息つく間も無く、新たな作戦が始まる。







第三章 亡霊の行方



"Heroes may not be braver than anyone else. They're just braver five minutes longer." -Ronald Reagan

英雄は、普通の人間にまして勇敢なわけではないが、5分だけ長く勇敢でいられる。――ロナルド・レーガン



俺は博麗神社の縁側でゆっくりを撫でながら、ゆったりしている。

だが、気分は暗い。


理由は二つ。


一つ目は霊夢に何故か人間の里までお使いに行って欲しいと言われた。

なんで?俺がなんで?


二つ目は桜と魔理沙がケンカをしてしまった。

なんでも魔理沙のミニ八卦路を壊されたらしい。

さらに桜もキレてしまったから始末がつかない。あいつあんまり怒らないんだけどなぁ…


「まったく…なんであんなにキレるかねぇ…追加のお使いも増えたし、嫌になるなぁ…」


魔理沙のミニ八卦路が壊れたので、香霖堂に寄って修理の依頼もしなきゃならなくなった。


すると、ゆっ、とゆっくりが言ったのでゆっくりに目を向けると。


「ゆゆ、ゆっゆっくりゆゆゆ(おい、お前霊夢にお使い頼まれてるんだろ、早く行けよ、あとついでにお茶も買って来てくれ)」


…なんかすっげえ嫌味を聞いた気がする…




[2050:6.28:11:00魔法の森上空高度100m]


仕方なしにお使いに行くことにし、人間の里に移動している。なんでも二時間はかかるらしい。


移動中、暇なので、音楽を聴きながら、飛行の確認をする。


まず、ノルンを飛行モードに変える、このモードは飛行する為に必要な速度、高度、目標までの距離といったものが表示される。

それを巡航モードに切り替える。


【初めまして、マスター、飛行モード、巡航システムに変更します】


…は?いまなんて言った?


【マスター、私はノルンの人工AIであります、ノルンとでもお呼びください】


なんで?人工AIなんて組み込んだっけ?


【先月の戦闘、及び今月の戦闘データを確認し、マスターの戦闘のクセや戦い方を確認したため、元々あったAIが進化いたしました】


マジかよ…進化とか聞いてないぞ…。


【お聞きにならなかったので、回答はしておりませんので】


…もういいや。


巡航モード中の姿勢は、何かあった時に対処できるよう、身体を寝かせた状態から少し上げる。

いわゆるガ◯ダム飛行だ。


巡航モードはスピードと安定性が同じくらいで、普通に飛行する為のものだ。

つまり、高速で飛行することはできず、また、接敵して戦闘体制をとるにも少し時間がかかる。

その代わり、他のモードで補う。


【システム、高速モード】


こちらは完全に身体を寝かせ、顔だけを上げる体制だ。

かなり早く飛ぶ事ができ、急行する為にはうってつけだ。

ただ、その分安定性が低く、しょっちゅう揺れる。ヘタしたらそのままバランスを崩して地面とキスだ。


【システム、爆撃モード】


こいつは完全に身体を起こす。

低速になるが、安定性抜群のものだ、いくら攻撃をくらっても、余程の事がない限り落ちる事がない。

なんといっても、爆撃アシストモードとも言えるように、飛行ルートが表示され、攻撃がかなりしやすい。


後、機動やマニューバーの確認をして、移動を再開した。


[2050:6.28:11:30人間の里]


高速モードで来た為、三十分で着いた。

途中、鳥やルーミア?や地面にぶつかりそうになったが、私は元気です。


デカイ門の前でおっさんのチェックを受けた。

霊夢の使いだ、と言ったらすんなり通してくれた。そんなんでいいのか?


中に入り、言われた物をPDAを見ながら、買っていく。途中


「この間の兄ちゃんじゃねえか、こいつはオマケだ」


「あぁ、この間の若造、ちょっと余っちまったんだ、貰ってくれんかね?」


「あ!この間のお兄ちゃんだー!これあげる!」


いろんな人からオマケやらなにやらを貰った。もしかしたら霊夢はこの事を見越しているのかもしれない。

流石異変解決のプロ、考える事が俺の一歩二歩先にいっている。


途中で人間の里に寄って慧音と会って来た。彼女は


「あんた達に着いて行きたいが、私は人間の里を守っているよ」


と言った。こちらとしても守る物が減るから楽だ。


という訳で、全て買い終わり、帰ろうとすると、ある店が目に入った。



「霧雨店…?」


大きな看板にそう書いてあった。

霧雨?魔理沙の家か?いや、違う。

彼女は来た時には家が壊されたと言っていた。防衛戦に来た時もあった。

なら実家か、そう思い、何も用が無いのに扉を開けて中に入った。


「いらっしゃい!何かお探し…あぁ兄ちゃんか、ウチになんの用だ?」


入ると愛想が良さそうなおじさんが出迎えてくれた。


「いや、気になって入っただけです、ここでは何を…?」


「道具だよ、日用品、農作業、釣りといった、様々な道具を取り扱っているんだ」


なるほど、ハサミや熊手、斧に鎌や用途不明な物まで沢山ある。


「もしかして、刀とか売ってますか?」


桜が持っている”霧雨”はここで売っていた物かもしれないと思い、聞いてみた。


「刀?ウチじゃ売ってないなぁ、だけど昔、二十年くらい前かなぁ、その時は売ってたよ、買う人いなかったけど」


「その刀はどこに?」


「それが十五年くらい前にフッと消えちゃってさぁ…同時に娘が一人行方不明になって、そこからは刀を取り扱うのはやめたんだよなぁ」


……予感的中、まだ確信は持てないが。


「すみません、ちょっといいづらいこと聞いちゃって…」


「いいんだよ…それより…ウチの、魔理沙はどんな様子かね?」


やはり魔理沙の実家か、親だから心配なんだな。


「元気に飛び回ってますが…どうかしたのですか?」


「いや、あいつはウチを飛び出してからさぁ、一度も顔を見せにこないんだよ、

俺もさ、あんまり強く後を継げって強く言いすぎちゃった気がするんだ。

だから謝りたいけど、娘は妖怪が沢山いる森の中にいる、って聞いてさ、

こちらから会いにいけないんだ。

余計に心配にもなっちゃって…

…ありがとう、そして娘が危ないことに首を突っ込みそうだったら止めてくれないか?」


どんな家族でも、自分の子は心配なんだな…


「大丈夫です、私がいる限りは、チーム誰一人として死なせはしません。約束します」


「そうか、そのいきだ兄ちゃん、ウチも頑張るから、あんたも頑張るんだよ」


そう励まされ、礼をいって店を出て、神社へ帰った。













































神社に帰ると霊夢が出迎えた。


「あら、思ったよりも早かったわね」


「あんた分かって送っただろ!こっちは沢山貰い過ぎて飛行に支障がでたぞ!」


帰る時、荷物が多く、重量過多で安定性が損なわれた。巡航モードでフラフラしながら帰って来たから酔いそうだった。

あ、もちろん香霖堂にも寄りました。

で、聞いたとたん


『あぁ、そろそろ寿命かな、と思って作っておいたよ、前よりも効率が上がっている、今度は丁寧に扱ってくれ』


と、言われすぐに渡された。

もちろんタダ、なんでも使う人が魔理沙以外いないらしい。


「そうよ、ただでさえウチの家計は火の車なんだから、貰える物は貰っておくべきでしょう?」


まさに正論


貰っておくべきだな。

とりあえず、魚やら野菜やら肉やら米やらを台所に置き、魚、肉をかなり昔の氷で冷やすタイプの冷蔵庫で冷やす。


その後、魔理沙に八卦路を渡す。


「魔理沙、あんたの親が心配していたぞ、顔を見せにいったらどうだ?」


「…だって心配なんだよ、いきなりまた後を継げ、なんて言われたくない、だから家を飛び出したんだ」


「だが、それでも親は子を心配するんだ、いつか顔を見せにいってやれ」


「でも……」


やはり、魔理沙も乙女らしい一面をみせ「マスター…」やめろ!俺の考えを読むな!


結局は、答えは彼女自身が決める事だ。俺が口出しする必要はない。


だが、桜の件は調べないとマズイな…

調査するか。




数日後が楽しみだ。



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