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灼熱の大地 (1)


南アフリカ郊外・某空港格納庫―――


現地時間 18:00


「特機6より特機1へ。レーダーに反応、自衛隊のC‐2輸送機を捕らえました。その後に政府専用機続いてます!」


「やっと到着か、俺達がどれだけ待ったと思ってやがる」


「そう言うなこれでも以前の日本に比べれば、かなり対応が早くなっているんだぞ」


「3号機、4号機、私語は慎め!特機6、こちら1号機。邦人らの乗った車列を確認!約5分でそちらに到着する・・・ 各機警戒を厳にせよ!」



『「了解!」』  




周辺は思いの他静かだった・・・時折、首都方面から砲声や爆発音が聞こえてくるものの情報のような襲撃の気配は無く、このまま無事済むものだと誰でもが思っていた。



≪ピッ!≫


「こちら特機6、西方普連 空港に展開中!これより邦人の収容に入る模様」


「1号了解。引き続き警戒監視せよ」





その時だった。



≪ビィー!ビィー!≫


不意に3号機のコックピット内にけたたましい警告音が響き渡る。


「こちら3号機!対砲迫レーダーに反応!」


 飛来数10!着弾予想地域・・・空港です!」


それを確認した3号機・工藤が叫んだ。


「イージスシステム起動!4号機迎撃頼む!」


「4号機了解!システムリンク確認、撃ち落とす」


4号機は直ぐに飛来方向に機体を向け120mmライフル砲から弾倉を外すと、他の弾倉に交換しすぐに上空に向け発砲した。




砲口から放たれる無数の砲弾。


次の瞬間、星の見え始めた夜空が紅蓮の炎に包まれた。


4号機から発射された砲弾の信管はVT(近接)信管であり、飛来する敵の全ての砲弾を叩き落したのだ。


「何事だ!」


突然起きた空中ショーに混乱する邦人と自衛隊員


そこへ6号機から通信が入る。


「西普連指揮官、応答願います!


 西普連指揮官、応答願います!」


「隊長!何者からか通信入ってます」


西普連通信隊員は自分が呼ばれている事に気付き指揮官へと報告する。


「こちら陸上自衛隊・西方普連1中隊長、梶原3佐。何が起きている?なぜ我々の部隊だと知っている?貴様何者だ!」


「詳しくは申上げれません。ですが同じ自衛隊員です。事は急を要します!速やかに邦人を収容し、この場を離脱して下さい。後は我々が!」



梶原3佐はこの時、ある噂を思い出していた・・・



隊の幹部達の冗談話しとしか思っていなかった・・・まだ公表されていない秘密の部隊があると言う噂を・・・


梶原は大きく息を吸い込むと、無線のプレストークを握り締めた。


「了解した・・・後は任せる!


 各小隊!収容作業急げ!速やかに離脱するぞ」


「協力感謝します」


「こちらこそ、支援感謝する」


言い終えると、空港の自衛隊員達は収容作業を急いだ。







その頃・・・


「こちら3号機、砲弾全弾誘爆確認!


 弾種判明。155mmHE(榴弾)!発射地点南西5km!座標4251‐3210、2号機の近くです」


「1号了解!2号機、重砲部隊を潰してくれ。5号機は2号機の地点を援護!


 4号機は敵FO(観測者)を探し出せ!近くにいるはずだ。残りは警戒を厳にせよ、来るぞ!」


そう言い終えると各機のHUDヘッドアップディスプレイに無数の光点が映し出されていた。




巨大な二足歩行の機体が土煙を上げ大地を疾走する。


遠藤は3号機が弾き出した発射地点が自分の近くだと確認した瞬間から、最大速度でその発射地点を目指していた。


特戦群時代の隊長を思い出し伊達ならそうすると確信していたからだ。


「こちら2号機、熱源感知!砲兵陣地確認。G6自走榴弾砲5両を確認!」


HUDに映し出された自走砲に瞬時にマーカーが付けられ、ロックオンした事を告げる電子音が鳴ったのを確認した遠藤は、躊躇う事無くトリガーを引いた。



≪ドン!ドン!ドン!≫


轟音と共に発射された120mm砲弾は見事に目標を捕らえ、暴音を響かせ重砲陣地は沈黙する。


4号機は先程撃ち終わったマガジンを交換すると、同じ3号機か送られ来た敵FO(前進観測者)が居ると思われる予想地点へ向っていた。


「こちら4号、敵FOと思われる熱源感知!距離1200m。


 70mmロケット照準よし!」



そう言いながら左肩に装備されたロケットポッドが火を噴き熱源は瞬時に消え去った。



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