世界の終わり
信号のひかりの裏にうっすらと潜む、 看板標識
車道を走るとき等間隔に後ろへ捲れていくようなライト
樹のかげからカラスが飛んでいく、陸橋
カラスは一斉にどこかへ還る。
きっと、そんな夕方だ。
割るのを失敗してしまった卵の中身はどこへ。
換気扇から漏れる煙はどこへ。
台所微かに残るひとの気配。
あなたは一体どこへ。
世界のなにもかもが、夕方に終わる。
世界のなにもかもが、どこかへ還る。
世界の終わりはたぶんこんな感じ。
今夜はぐっすり眠れるだろうか。
朝起きたら、
いつものようにおどけたようなあなたが、
隣にいるんだろうな。
おやすみなさい、
世界。