表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
麻布十番物語  作者: 由妃
8/26

ベビーシッター★キララ

恋人でもないアンドレの麻布十番のマンションで、ニートしてる私もついに、仕事をすることに!


って言っても、ご近所の子供の龍君を預かるだけ。


シングルマザーの龍君ママが、夜とか気晴らしに飲んで来たいときに、預かることにして、礼金をもらうことになった。


ベビーシッター☆キララの誕生だ!



龍君は麻布小学校の三年生で、少し変わってる。


めったに口をきかないと思ってたら、テレビのコマーシャルを一字一句間違えずに、リピートする。何が食べたい?って聞くと、何が食べたい?って、こだまのように返ってくる。



すごい偏食で、納豆ご飯しか食べない。外だと、マックのポテトを食べたがる。



信号機があると、柱にひっついて離れない。


何が気に入らなかったのか、突然、火がついたように、泣き出して、はいてた瞬足っていうズックを投げつける。




………もらってる金額じゃあ、割に合わないような大変さだ。でも、このバイト、やめる気にはならないな。



なんだか子供のすさまじい泣き声がよく、聞こえるなあって思ってた。どうやら、マンションの一階からだ。大人の怒鳴り声もする。子育て中の家ってこんなものなのかしら…。



その日も、子供の泣き声がして、なんとなく気になって一階のどの部屋だろ………って、廊下を歩いてたら、ダンッ!!って、ドアになんかぶつかった音が響いた。続いて、火がついたように、泣き叫ぶ子供の声に大人の女の怒鳴り声。


「おまえなんか死ねっ!!」





………ひいい~。いわゆる児童虐待だわ。児童相談所に通報しとこうっと。


*****


通報したら、早速児童相談所の人が来て、事情を聴いてった。すぐに、子供を保護してくれるのかと思ったら、しばらく様子をみてから…とか言ってる。


なんじゃ、そりゃ?すぐに死んだりはしないだろうけど、様子をみてるうちに、ひどい怪我したら、どうすんだよ!


「すぐに、保護してくれないなら、 なんとか今日だけでも、うちで預かれるように、あの親に交渉しに行くから、一緒に来て下さい!」


って、言ったら、刺激するのは良くない…とか言う。ふざけんな!帰れ、もう!


児童相談所の役立たずどもが、帰った後、一階の例の物音の家の呼び鈴を押した。


「すいません、二階に住んでる者ですが………。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ