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麻布十番物語  作者: 由妃
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新婚の官僚女子の恋

時計屋の隣のスタバで、大好きなバニラクリームフラペチーノを飲んでいた。


平日なのに珍しく混んでてた。


二階の大きなテーブルの席はところどころ空いてたんで、そこに座った。


スタバのフラペチーノは、いろんな種類があるが、全部試して、バニラに落ち着いた。チョコレートチップのも当然試した。ベンティで………。


あとあと、胸焼けした。ものすごい量のチョコチップが入っていたせいだ………。チョコは、好きだけど、あれは胃にズッシリ重い。



でも、アンドレの大好物だから、帰りに一つお土産に買ってってもいい。家賃がわりだ。



私はやっぱりバニラクリームフラペチーノ。サクラとかマッチャとか、イチゴとか飲んでるうちに、飽きるけど、バニラだけ、最後まで美味。最高の午後だわ。


………って、フラペチーノすすってたら、ご近所の高級官僚女子が、ここ、いい?って隣に座った。


以前は、未婚の官僚女子だったが、最近は既婚だ。同じく官僚の男性と結婚したので、杉並に家を買って引っ越すとか言ってたな。


「新婚生活どう?」って、月並みなことを聞いた。あんまり興味はない。まあ、社交辞令だ。どうせ、おかげさまで。とか返ってくるんだろ。官僚同士のダブルインカムノーキッズ…リッチでうらやましすぎる。



でも、返ってきた答えはこれ…



「上様と寝ちゃった…」


「はあ~っ?な………なんでっ!?いつっ!?」



こんなにビックリするのは、上様というのが、彼女の新婚の夫じゃあないから。私たちの共通の知人で、某T大卒の数学博士だ。


ご近所の官僚女子の彼女の知り合いで、私も一緒に飯を食ったことがあるが、官僚女子は、五十代。彼は三十代で、そんな色っぽいことする関係には見えなかった。


何しろ、上様は女性が勝手に股を開くから、俺は一回も口説かずに、日本全国各都道府県に俺のタネをばらまけるって、エグいことを豪語しておられたのだ。



上様は天下のT大学って、ブランドをちらつかせるだけでも、十分なのに背が高く、アルマーニのスーツを着こなすイケメンだ。アルマーニは、エンポリオだけど………。



たしかに、女にもてそうだ。一回寝た女とは、二度と寝たくないとも豪語する彼は、自称対人恐怖症。



んなわけ、あるか………。と、つっこみをいれたくなる変わったイケメンなのだ。




女にも入れたいし、男にも入れたい。女児にも入れたいし、男児にも入れたい。男児をつれた母親にも入れたい………と、彼のセックスの対象は、幅広い。しかし、 まさか、新婚五十代の官僚女子にも入れてたは、やはり驚きだ。



とたんに下世話な、質問をする私。



「で…どうだった?良かったの?」



「う~ん。」と言葉をにごす官僚女子は、真面目で慎ましい人生を送ってきた。私の下世話な質問には答えたくないらしい。



面白くないから、言ってみる。



「ちゃんとゴムつけなきゃ、ダメだよ。あの人、いろんな人につっこんでるから、病気もらったら大変だよ!」



「そんなに、遊んでないみたいよ………。自慢するほど、女性と関係してないみたいだし…。」



重い口を彼女が開いたので、根堀り葉掘り聞いてみる。もともと、聞いてほしいのだ。じゃなかったら、永遠に沈黙してるはずだもん。




聞き出したところによると、上様が学会かなんかでドイツに行くとき、成田空港まで送っていって、そのときに………だそうだ。一回寝たら、もう寝ないとか、いろんな女とやりまくってるっていうのは、本人がこうありたいっていう理想を語ってるだけ。現に、付き合ってるという。




「いいなあ。私も上様と一回だけ寝たい!」って言ったら、肝心なことを暴露した。



なんとあれ程、俺はパトリオットミサイルもマッッツァオだと豪語していた上様は半立ちだったらしい。彼女がアレコレ手助けして、やっと入れられるだけの硬度をもったらしい。



なにもしなくとも、トランクス下ろしただけで、アレが勢いよく反り返って、お腹につくアンドレとは、大違いだ。



「何それ?めんどくさい。 あんなに自慢するから、抜かずに六回とかだと思ってたよ!」


私は、一挙に上様へ興味がなくなった。


あとは、新婚五十代の彼女の上様への恋心がいかに切ないかという話の聞き役に徹した。


五十代で、新婚でも、恋に落ちちゃう時は、あるんだなあ。真面目な女ほど、大胆不敵だ。




新婚夫の話題は、ほんのちょっぴり。



夫婦で、お互いの名前に、さん付けで呼んでたけど、彼女の母親が、自分の娘をさん付けで、呼ばないで下さいと言ったら、夫はさん付けをやめたとか、どうでもいい話。


こっちも、円満にやってる感じだ。



でも、あとは、どんどんどうでもいい話になり、私は遠い目になった。




彼女の弟さんが、中国人の恋人と結婚したがったが、彼女の母親が反対して、なんと首までつったらしい。それを、弟さんと彼女がおろして、未遂に終わったけど、それで結婚は流れた…。自分も母親に味方して、反対してしまったが、果たしてそれで良かったのか…罪悪感でいっぱいだと言う。



そんなめんどくさい母親は、おろさなきゃよかったのに………。と思ったけど言えない。




罪悪感持つとこ、ずれてるなあ。新婚夫に感じるなら、わかるけど………。でも、そのズレっぷりが、彼女の面白いとこ。




二十歳年したの上様との恋は、新婚夫がいるからできたのかもね。安全ネットがあって、はじめてできるこ

とってあるよね。




しかし、上様…今度見かけたら、こっちが赤面するなあ。


いろんな人物に入れたがる上様伝説は、大嘘だったのか?でも、キララより、年下のご近所の女の子に、角のとんかつ屋の前で、何やら罵られてたのを、見たんだけど…。アレは、まぼろし~?

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