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麻布十番物語  作者: 由妃
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jealousy

なまけもので、ズボラな私は、片付け上手で、小物を作る女が嫌いだった。


その女の容姿が、弱々しくみえて、したたなところも嫌いだった。


私がその女にちょっとこれは、ひどいんじゃない?というメールひとつで彼女と共通の主治医は私を敵視した。


そして、彼女をかばいつづけた。


殺意が芽生えない方がおかしいだろう。


色白できゃしゃな身体で、可愛らしい小物を生み出すその細い指先に私は、目をつけた。


人差し指を一本、切り落としたら、私は犯罪者になり、彼女は永遠に、主治医の同情の対象になるだろう。


でも、彼女の美しい指先を切り落とした私は、もう主治医の同情や関心を必要としない。


やりたいことをやりとげた私に、そんなものは不要だ。


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