カブトムシ
夜、仕事から帰ってきたアンドレは、知らない子供が、テレビを占領してるので、不機嫌だ。
「だって、しょうがないでしょ!近所のこの子が、人しれず死んだりしたら、怖くてここに住めなくなるじゃない。」
「勝手に預かって来やがって、ここは俺の部屋だ!居候のくせに…。ひとんちの子供の面倒みるより、バイトでもして、家賃入れろよ!」
「龍君に聞こえるじゃない!文句は明日いくらでも、聞くから、今日は黙ってて!」
口論が聞こえたのか、龍君は、立って玄関に行った。
「ほら!かわいそうに、おうちに帰りたくなっちゃったんだよ!ああ、すげえ、かわいそう!」
龍君を追って玄関に行くと、龍君は、玄関にあるアンドレの飼ってるカブトムシの箱をじーっと見てた。
小さい水槽みたいのに、土をいれて、腐葉土を入れて、腐った木を入れてあるアンドレの宝物の箱だ。
いじるなっ!って怒るかと思ったけど、アンドレはなんと、フタを開けてやり、龍君に中をよく見えるようにしてやった。
部屋に、カブトムシの箱を持って来て、二人で、無言で、カブトムシを見つめてた。そして、龍君のママが来るまで、龍君に霧吹きをやらせたり、エサの小さなゼリーを食うカブトムシを見せたりしていた。
なんだか知らんが、グッジョブ!カブトムシ!!