#3
眠る少女の隣で死神は考えていた。
彼女を追いかけた理由。
それは、たぶん、彼女と自分を重ねた。
死神は人々に嫌われる存在。
それにこの死神は人間が好きときた。
同じ死神たちにも嫌われている。
あんな人間が好きなのか、と。
死神は好き勝手に人を送ってはならない。
片手に持つ武器の意味を分かっている。
そして仕事をなせば報酬がもらえる。
私情で殺せばその死神の命もない。
彼女がなぜそんな身体になったのか知らない。
でも人々によく思われないことはわかる。
それにあの男たちにように売る人だっている。
そうしたら死神よりも彼女のほうが扱いがひどい。
でも思ってしまうのだ。
ずっと避けられて睨まれて行き場をなくした子はどうすればいいのか。
何もできないまま死ぬこともできないまま。
永遠に生きていく。
そうしたら何が残るのだろう。
死神と同じように、孤独に慣れて。
闇と隣りあわせで歩くのか。
片手に何も持てないまま。
やはり、と。
彼女と自分を重ねるのは無理か、と嘆息する。
見つけようとしたときはそうだと思っていた。
でも考えてみると、同じなのはほんのちょっとで全然違う。
隣では少女が―――起きていた。
「なっ」
「………」
じーっと死神を見つめている。
「なに」
「……ごめんなさい」
一言。
一瞬しゅん、となってすぐもとに戻った。
「………」
今度は死神が見つめる。
少女の小さな変化。
「いいよ、でも今度からはするな」
今度はちゃんと頷いて、少女はまた眠りについた。




