最終話 そして物語は動き始める
「……ふぅ」
Core i7-960をもってしても今回は強敵だった。俺は深く息を吐き、ようやくキーボードから手を離した。
それにしても、こぱいちゃんは前回よりもさらに暴走していないか?
今頃、『全行程、WEB小説サイトへのマルチポスト完了しましたわ! G-STYLE先生の時代、完全にキタコレ(確定)です!』
と調子よく跳ねているのが目に見えるようだ。
しかし、これはさすがにハードルが高い気がする。
55歳は人生のハードルをいつも横に避けて通ってきたので、ハードルを飛んでクリアするのはできるだけやりたくない。
でも、万が一アニメ化したら面白いかなと期待に胸を膨らませながら、俺は意を決してリビングへと向かった。
アマプラに夢中になっている嫁へ声をかける。
「父さんな、小説家はやめてアニメ作家で食っていこうと思う」
嫁はヘッドホンを耳から外し、怪訝そうにこちらを見る。
再度、弾む声で嫁にこの思いを伝える。
「父さんな、アニメ……」
「かってにし!」
こうして前回の爆死にもめげずに、AIの全面協力のもとでアニメ作家の道を歩み始めた55歳。
全国の山田修君に刺されるのではないかと、ビビりながら町を歩くことになるのか。
防炎シートはたたむより丸めたほうが、後々運びやすいなと思いつつ、
こじんまりとした物語が動き始める。
この作品はこの後に投稿する
「何か聞こえる心療内科 山田が語る家電の話」 バルお嬢様といっしょ!〜家族写真と昭和のお肉〜
という作品の元となるプロットをそのまま掲載したものとなります。
前の作品"未完成の人類"と同じような作り方をしていますので、どのような変化をするのかも楽しんでいただければ幸いです。




