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第6章 ― 星の記憶  第5話「星核顕現」

 夜。


 空が、割れた。


 


 雲ではない。


 闇でもない。


 


 まるで空そのものが、内側から押し広げられるように裂けていく。


 


 街の灯りが震え、アリーナのボードが自動的に起動する。


 


「……来た」


 レイが低く言う。


 


 ハルの手の中で、《星核形態・灯》が強く脈打つ。


 


 裂け目の奥から、ゆっくりと現れる巨大な球体。


 


 ひび割れ、光を漏らしながら回転する存在。


 


――《原初星核げんしょせいかく

攻撃力???

効果:全属性を内包。未完成状態では不安定


 


 その大きさは、アリーナを覆い尽くすほど。


 


 ゴウエンが息を呑む。


「……これが源」


 


 リーフの声が震える。


「私たちの世界の、始まり」


 


 星核の表面が揺らぐ。


 


 炎が吹き出す。


 水が溢れる。


 雷が弾ける。


 闇が広がり、光が瞬く。


 


 だが制御されていない。


 


「暴走してる……!」


 


 ハルは歯を食いしばる。


 


「統合を望んでるはずなのに……!」


 


 レイが叫ぶ。


「力だけ戻しても意味がない! 心が欠けてる!」


 


 その瞬間。


 


 星核の中心に、暗い穴が見える。


 


 空洞。


 


 第七の灯が、そこへ引き寄せられる。


 


「まずい!」


 


 星核形態・灯が吸い込まれる。


 


 アリーナが激震する。


 


 空が完全に裂け、星空が渦を巻く。


 


 ハルは叫ぶ。


 


「返せ!」


 


 だが星核は応じない。


 


 代わりに、低い声が響く。


 


『欠けている』


 


 ハルは気づく。


 


 星核は力を持つ。


 だが意志がない。


 


 分かれたときに、“心”が失われた。


 


 それが第七。


 


 ハルはカードを握る。


 


《共鳴の証》

《絆の流星龍》


 


 仲間たちが並ぶ。


 


「俺たちは、ただ使うだけじゃない」


 


 ゴウエンが炎を灯す。


 


「共にある」


 


 リーフが風を広げる。


 


 レイが闇を受け止める。


 


 カイトが雷を走らせる。


 


 ハルは叫ぶ。


 


「星核! 思い出せ!」


 


 《共鳴の証》が光る。


 


 記憶が流れ込む。


 


 異世界の笑顔。


 共闘の誓い。


 冥界の王との決戦。


 


 絆。


 


 それこそが欠けたもの。


 


 星核のひびが広がる。


 


 中から、柔らかな光が溢れる。


 


 吸収された《星核形態・灯》が再出現。


 


 攻撃力が表示される。


 


??? → 12。


 


――《星核顕現・心核》

攻撃力12

効果:全属性+第七(意志)を内包。暴走停止


 


 嵐が止まる。


 


 星空が静まる。


 


 巨大な球体が、ゆっくりと縮小し、カードへと収束する。


 


 ハルの手の中に、一枚の新たなカードが残る。


 


 それは重く、しかし温かい。


 


 リーフが微笑む。


「星は、思い出した」


 


 レイが静かに言う。


「だが……完全ではない」


 


 空の奥に、さらに深い闇がわずかに揺らいでいる。


 


 星核が目覚めた。


 


 だが、その目覚めを“待っていた存在”がいる。

 

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