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第6章 ― 星の記憶  第4話「第七の灯」

 監視者が消えた夜。


 アリーナは静まり返っていた。


 だが、静寂の奥で何かが脈打っている。




 ハルの手の中。


 ――《星核形態・兆》


 攻撃力8。

 属性に依存しない攻撃。




 カードの中心に、小さな光が揺れている。




「これが……第七の力?」


 カイトがのぞき込む。




 レイは首を振る。


「まだ“兆し”だ。本体じゃない」




 そのとき。


 空間が震えた。




 星空が再び開く。




 だが今度は銀ではない。


 無色。




 色のない亀裂。




『均衡の再測定を開始する』




 声が重なる。


 ひとつではない。




 裂け目から、無数の小型存在が降り立つ。




 ――《星律端末》

 攻撃力3

 効果:同ターン中に使用された属性カードを封じる




「数が多い……!」




 炎を使えば炎を封じる。

 風を使えば風を封じる。




 属性の循環を止める存在。




 ゴウエンの炎が消える。


 リーフの風が止まる。




「くっ……!」




 ハルは理解する。




 これは攻撃ではない。


 観測。




「試されてるんだ」




 ならば――属性を使わない。




 ハルは《星核形態・兆》を前に出す。




「いけ!」




 無色の光が走る。




 端末がひとつ、消滅。




 だが残りが包囲する。




 レイが低く言う。


「数で削られるぞ」




 そのとき。




 ハルの胸の奥が熱くなる。




 仲間の声が重なる。




 ゴウエンの炎の誇り。

 リーフの風の優しさ。

 レイの闇の覚悟。

 カイトの雷の情熱。




 それぞれが混ざり合う。




 だが衝突しない。




 “願い”として重なる。




 カードが震える。




 ――進化条件解放




 文字が浮かぶ。




「……来る」




 ハルは叫ぶ。




「みんな、力を貸してくれ!」




 属性を重ねるのではない。




 意志を重ねる。




 星核形態・兆がまばゆく輝く。




 ――《星核形態・灯》

 攻撃力10

 効果:属性封印を無効化。味方カードの能力を一時共有する




 無色の光が、虹へと変わる。




 端末の封印が弾かれる。




 炎が再点火。


 風が舞う。


 雷が走る。




 光と闇が交差する。




 共有された力が一斉に放たれる。




 端末、消滅。




 亀裂が閉じていく。




 最後に、声が響く。




『第七灯、確認』




 静寂。




 アリーナに朝日が差し込む。




 ハルはゆっくり息を吐いた。




「灯……か」




 リーフが微笑む。


「まだ“神”じゃない。でも――」




 レイが続ける。


「星の心には届いた」




 ゴウエンが拳を握る。


「次は本体だな」




 空を見上げると、かすかな光点が残っている。




 星核は、完全ではない。




 だが、目覚めは進んでいる。

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