第6章 ― 星の記憶 第1話「落ちてきた光」
それは、戦いの終わった数日後のことだった。
夜空に、流星が走る。
だが願い事をする間もなく、それは止まった。
「……止まった?」
ハルが呟く。
流星は、消えない。
空に留まり、ゆっくりと形を変える。
星型の紋章。
レイが目を細める。
「闇じゃない……」
リーフが震える声で言う。
「これは……もっと古い」
翌日。
アリーナ中央に、見知らぬカードが一枚落ちていた。
――《星核の欠片》
攻撃力?
効果:条件不明
触れた瞬間、映像が流れ込む。
遥か昔。
世界がまだ分かれていなかった時代。
光も闇も、炎も風も、すべては一つの“星の核”から生まれた。
その核が砕け、属性となり、世界となった。
「……カードの起源」
カイトが息を呑む。
ゴウエンが低く唸る。
「我らの力の源」
そのとき、アリーナが震える。
空間が歪む。
――《星喰》
攻撃力9
効果:属性カードを吸収し、同属性を使用不能にする
銀色の異形。
闇とは違う。
冷たい。
「属性を……奪う?」
星喰が炎を吸収。
ゴウエンの力が弱まる。
風を吸収。
リーフが膝をつく。
「まずい……!」
レイが叫ぶ。
「闇も吸われるぞ!」
ハルは即座に判断する。
「なら、吸えないものを出す!」
《共鳴の証》を展開。
光と闇を同時に扱うカード。
星喰が一瞬、止まる。
単一属性ではない。
判別不能。
「効いてる!」
だが攻撃力は9。
合体すれば無効化される可能性。
ハルはカードを握る。
「まだ分からない効果がある……」
《星核の欠片》が輝く。
文字が浮かび上がる。
――効果解放:全属性を一時的に統合する
アリーナが白く染まる。
炎、風、雷、闇、水。
すべてが一つの光になる。
星喰が揺らぐ。
吸収対象が消えた。
ハルが叫ぶ。
「今だ!」
統合された力が一撃となる。
衝突。
星喰、崩壊。
だが消滅寸前、声が響く。
『核は、まだ眠る』
静寂。
レイが空を見上げる。
「星の核……か」
リーフが静かに言う。
「闇よりも前の存在」
ゴウエンが炎を灯す。
「新たな戦いだ」
ハルは《星核の欠片》を握る。
「今度は……世界の始まりか」




