第5章 ― 共鳴する光と影 最終話「源へ」
夜空が、裂けた。
今度は細い線ではない。
空そのものが割れ、黒い海が覗く。
「……来た」
レイが呟く。
ハルはカードを握りしめる。
裂け目の奥から、ゆっくりと姿を現す。
――《深淵源》
攻撃力10
効果:場の合体カードの効果を無効化する
巨大。
形は定まらず、常に揺らぐ。
「合体無効……?」
カイトが息を呑む。
暁冥も黎明も使えない。
深淵源が低く響く。
『光も闇も、我の内』
圧倒的な圧力。
ハルは冷静に言う。
「なら、合体じゃない」
レイが目を上げる。
「共鳴だな」
カードを並べる。
ゴウエン(2)
リーフ(1)
継承者(3)
ボルト(2)
合体しない。
個々のまま。
「四属性、同時展開!」
炎、風、雷、闇。
深淵源の効果は“合体”のみ無効。
単体連携は止められない。
攻撃開始。
炎が斬り、雷が撃ち、闇が貫き、風が加速する。
だが数値は足りない。
深淵源、10。
合計でも届かない。
深淵の波動が襲う。
ライフが削れる。
残り1。
そのとき。
ハルの《闇の残滓》が光る。
レイの《継承者》も呼応する。
カードが震える。
新たな文字が浮かぶ。
――《共鳴連鎖》
効果:合体ではなく、複数カードの攻撃力を加算し一撃に変換する
「これなら……!」
全員が頷く。
四体の力が一つに集まる。
2+1+3+2 = 8。
まだ足りない。
レイが叫ぶ。
「俺の闇を上乗せだ!」
《対極覚醒》再発動。
8 → 12。
深淵源が揺らぐ。
『共鳴……進化……』
流星の軌跡。
直撃。
黒い海が割れる。
深淵源、崩壊。
夜空が元に戻る。
静寂。
レイが空を見上げる。
「終わった……のか」
リーフが静かに首を振る。
「源は消えた。でも、闇は消えない」
ゴウエンが言う。
「それでいい」
ハルが笑う。
「俺たちは、もう知ってるから」
闇を恐れず、光を驕らず。
共に歩む。
アリーナに朝日が差す。
新たなカードが生成される。
――《共鳴の証》
攻撃力0
効果:光と闇を同時に扱える
レイがそれを見つめる。
「次は、何が来る?」
ハルが答える。
「未来だろ」




