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第4章 ― 再臨の刻  第5話「残滓、覚醒」

 闇カウンターは、静かに二つ目まで積み上がっていた。


 アリーナの空気が重い。


 ハルは汗ばむ手でカードを握る。


「……あと一回、合体すれば」


 リーフが小さくうなずく。


「覚醒する」




 闇の少年は微笑んだ。


「選べ。力を取るか、恐れを取るか」




 カイトが低く言う。


「ハル、ここで押し切れ。覚醒される前に終わらせるんだ」




 影の継承者(攻撃力2)が前に出る。


 ゴウエン(攻撃力2)と睨み合う。




 ハルのライフは残り2。


 少年のライフも2。




 次の一手で決まる。




 ハルは目を閉じた。


 ――力を恐れて、何も使わないのか?

 ――それとも、信じて踏み込むか?




 カードが光る。




「合体だ」




 ゴウエンとリーフが光に包まれる。




 ――合体カード:《絆の流星龍》

 攻撃力3

 効果:属性連鎖により闇効果を一度無効化




 光が弾ける。


 その瞬間――




 闇カウンター、3。




 少年のカードが割れた。




 ――覚醒カード:《残滓の王影》

 攻撃力3

 永続効果:相手の武器・防具・魔法を無効化




 アリーナが黒に染まる。


 観客席のざわめきが消えた。




「……来たか」




 武器カードが沈黙する。


 防具も魔法も、光を失う。




 純粋な“メインカード同士”の勝負。




 流星龍(3)

 残滓の王影(3)




 互角。




 少年は静かに言う。


「これが、闇の本質だ。飾りを剥ぎ取り、本質だけを残す」




 ハルは息を吸う。


「違う」




 流星龍が光を強める。




「絆は、飾りじゃない」




 リーフの声が響く。


「属性連鎖、第二段階――」




 炎、風、雷。


 連鎖が加速する。




 闇の永続効果を一瞬だけ突破する。




「今だ、ゴウエン!」




 流星龍が突進する。


 光と闇が衝突する。




 爆発。




 アリーナの中央に亀裂が走る。




 煙が晴れる。




 少年は立っていた。


 だが、手のカードは砕け散っている。




 ライフ、0。




 残滓の王影は霧のように消えた。




 沈黙。




 やがて、アリーナに光が戻る。




 少年はゆっくりとハルを見つめた。


「……やはり、絆か」




「闇は消えない。でも、向き合える」




 少年は小さく笑う。


「俺はまた来る。欠片は、まだ世界に散っている」




 そう言い残し、姿は消えた。




 ハルは膝をつく。


 リーフとゴウエンがカードへ戻る。




「終わった……のか?」




 カイトが首を振る。


「いや。これは始まりだ」




 アリーナの床に、小さな黒い欠片が一つ残っていた。




 それは、静かに脈打っている。




 第4章・第5話。


 闇は倒れた。


 だが――


 “残滓”は、確かに世界に残った。

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