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第1章 ―絆の流星龍― 第2話 「暴れるドラゴンと、絆の鎖」

 ゴウエンの吠える声が、夕方の公園に響いた。


「グオオオオオッ!」


 大きな翼がはためき、地面の砂が舞い上がる。

 黒鐘リクは、あわててカードを握りしめた。


「やめろ、ゴウエン! もどれ!」


 でも、ドラゴンはきかない。

 その爪には、黒く光る武器――滅びのツメがついていた。


「……あれ?」


 蒼井ハルは、ゴウエンの様子がおかしいことに気づいた。


 ゴウエンは、暴れながらも、体から赤い光を散らしている。

 まるで――自分で自分を傷付けているみたいだった。


「リク! その武器……!」


 ハルのカードから、リーフが飛び出す。


「そのツメ、攻撃すると、

 相手と同じだけ、自分もダメージを受けるよ!」


「なに……?」


 リクは、はじめてそのことを知ったように、目を見開いた。


「そんなの……しらなかった……!」


 ゴウエンは、前にいる岩を薙ぎ払った。

 岩は砕けたが、ゴウエンの体にも、あざのようなキズができる。


「グ……!」


「このままじゃ……」


 ハルは、カードを見つめた。

 手の中のカードが、温かく光る。


「リク!」


 ハルは叫んだ。


「ゴウエンを、倒すんじゃない!止めよう!」


リクは、唇を嚙み締めたあと、頷いた。


「……わかった」


 ハルは、カードを地面に出した。


「いけ、リーフ!」


 リーフは、ゴウエンの前に立つ。


 ゴウエンが、吠えながら突っ込んでくる。


 そのとき――


「これを、つかう!」


 ハルは、もう1まいのカードを出した。


 絆の鎖


 光る鎖が現れ、ゴウエンの体をやさしく、でもしっかりと縛った。


「グ……?」


 ゴウエンの動きが、ぴたりと止まる。


「……うごけない?」


「ゴウエン……」


 リクは、ドラゴンを見つめた。


「おまえ、強すぎたんだ」


 ゴウエンは、しばらくリクを見ていたが、

 やがて、大きな体をゆっくりと地面に下ろした。


「……グゥ」


 光が収まり、ゴウエンはカードに戻った。


 静かになった公園で、リクがぽつりと言った。


「……たすかった」


 ハルは、少し笑った。


「ひとりじゃ、無理なときもあるよ」


 リーフは、ハルの肩にとまって言った。


「カードはね、強いけど…… 心が 一番、大事なんだ」


 リクは、カードを握りしめた。


「……つぎは、ちゃんと つかう」


 そのころ――

 遠くの街の暗闇で、誰かがカードを見つめていた。


「ドラゴンすら、縛れるカード……」


 不気味な声が、笑った。


 ――たたかいは、まだ、はじまったばかりだった。


 ーーーつづく

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