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Knuckle Fighter 3

                                   ・



  ”Knuckle Fighter”


 タイトルロゴは太角ゴシック体でそう表示されていた。

煌めくクリスタル調の立体で文字の線幅と同じくらいの厚みがある。

相当の重量がありそうだが支えも無しに宙に浮いているのがVRである所以だ。


「タイトルに触れてメニューを選択してください」


 システムアナウンスが流れた。

( ロゴに触れるとメインメニューが表示されるとは事前に知らされていた )

・・・触れなければどうなる ?

私はタイトルロゴに背を向けて駆け出した。

( このVR空間はどうなっているのか確かめてみよう! )

初めて体験するVRダイブで身体感覚を取り戻した私は高揚していた。

仮想現実とはいえ再び両脚で立つのみならずこうも軽やかに奔れるとは!

何も見えない闇の奥を目指して走り続ける。

( この床に"果て"はあるのか? )


 二百メートル程走ってみたが壁のような物は現れなかった。

足下の床面にも変化は無い。 私の周囲だけが照らされているのも同じだ。

やはりループステージになっているのだろう。

( それが当然の設定なのだろうが )

立止まりそんな事を考えていると眼前の空中に今度はMain Menuが表示された。


「メニューを選択してください」

システムアナウンスが響く。

おそらくタイトルロゴへのタッチが想定された最初のアクションなのだろう。

私は既に多くのフィジカルアクションを実行済みなのでステップが進んだのか。


 表示されたメニューを確認してみた。

システムに『選択しろ』 とは言われたものの選択できる項目は一つしかない。

最下段の "キャラクタ設定" だけが明るく点灯表示されている。

最上段からの対戦モード等の項目は暗く消灯されていて選択できない。

『先ずは自キャラをメイクしろ』

という事なのであろう。 当然と言えば当然のことかもしれない。

一糸纏わぬマネキンのような現状ではvsCPUはともかく対戦相手に失礼だ。


 ( また服装(コスチューム)を選べる時が来るとはな )


 ・・そんな感慨に浸りつつ私は最下段のオブジェクトにタッチするのだった。





                                   ・

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