遭遇 3
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「ジョーと申します。 お会い出来て光栄です」
声を掛けられた私は短く答えた。
( これは設定された何らかのイベントなのだろうか? )
賊や魔獣とのエンカウントなら戦うか逃げるかすれば良い訳だが、
皇族との邂逅となると勝手が良く分からない。
( "身の上話" でもさせられることになるのか? )
「一人で東へ向かうようだがもう日が暮れるぞ。 大丈夫なのか?」
御姫様が尋ねて来た。
「夜は街道にも魔獣が出る事がある。 我々は基本 夜は移動しないのだが」
何と私の道行を心配してくれているようだ。
「お心遣い頂き有難う御座います」
私は頭を垂れて感謝の言葉を述べた。
「伝聞によりますと」
皇女殿下に安心して貰おうと私は説明を始めた。
「夜の街道で私共が出会う魔獣は此方の技量に見合った者共であるそうです」
エンカウント即死亡, となる訳ではない。
「それに私は"速駆け"が出来ますので襲われる可能性は低いかと」
「・・成程な」
マルグリッドが頷いた。
「ゲラーデンの多くは魔獣と闘う為に此方にやって来るのだとよく耳にする」
それは概ね事実かもしれない。
「物好きにも程がある、とは思うがそれがイスマイラの意図なのであろうな」
私には彼女が苦笑を浮かべたように見えた。
「其方もその口か。 大抵は集団で行動するようだが単身だったのでな」
「いえ、私は戦闘が目的で此方に参っているのではありません」
私は慌てて否定した。
バトルジャンキーだと思われては堪らない。
少なくとも此方での私はそうではない。
「豊穣で美しい貴国を眺め巡ることを楽しませて頂いておりました」
嘘ではない。
そしてそういうプレイヤーは私だけではない。
「これまでは日中のみ徒歩で旅して来たのですが、東に急ぐ用ができまして」
姫様お願いです。
何とか察してやって貰えませんか。
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