市場にて 7 ★
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「私の様な者が他にも?」
この世界にいるというのだろうか。
私は思わず鑑定士に尋ねていた。
控えめに見ても私は重度身障者としてはかなり恵まれた境遇にあると言える。
通常の障碍者達がゲーム、まして高価なDSを入手出来るものだろうか。
「身体障害は脊椎損傷ばかりではないぞ」
鑑定士は言った。
「盲いた者、物理的に四肢を失った者もいる。 経口摂取が不能となった者もな」
「・・・・」
確かに。
私は頸から下の自由を失ったが物を視、音を聴くことはできる。
視力と聴力を代償とすれば身体の自由を取り戻せるなら私はそうするだろうか?
彼女の挙げた諸々の障害はどれもが私には受け容れ難いものだった。
「最も多いのが脚の萎えた者達だ」
彼女の話は続く。
「彼等の間で『FQで失った物が取り戻せる』という話が拡がっている」
「・・・・・」
当然の事と言えるかも知れない。
私がKF,そしてこのFQで身体の自由を取り戻したように。
脚の萎えた、視力を失った病人や老人達もVRでなら再び健常者に戻れる。
頭さえあればDSは装着できるのだから。
障害はあるが裕福な者、或はその子弟がその様な用途を思い付く事はあるだろう。
「あんたと会ってから私はゲラーデン達に話し掛けてみるようになったのさ」
鑑定師が言った。
「ロールに閉じ籠るのを辞めたんだよ。 より多くを知る為にね」
それは自然な事だろう。 彼女は独立した自由な存在であるのだから。
「依頼以外の物も鑑定るようになった。 私にはそれが可能なんだからね」
やはりそうだったのか。
「そして、冒険としてではなく癒しを求めてやって来る者達もいると知った」
私を差してにやりと笑う。
「あんたのようにね」
「TFのデータも覗けるのですね。私が何処から来たか御存知とは」
念のため彼女に確認する私。
「ああ。 そうだとも」
何を今更、と言う風情で微笑む彼女。
「ハンドルは変えていないんだね。 不敗の拳神 ジョーよ」
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